Vol.04【アイシングと交代浴 アイシングの方法と原理】~WASEDA CLUBより抜粋~
アイシングはスポーツ現場での応急処置のRICEの際に重要ですが、その他クーリングダウンの一つや慢性疾患の治療にも使われます。今回はアイシングの原理とその具体的方法、交代浴について紹介します。
<アイシングの生理的作用>
1.腫れや炎症を抑える
・局所の新陳代謝低下により、二次的損傷(二次的低酸素症)(※注1)の軽減・予防します。
2.出血を抑える
・血管の収縮と、毛細血管の透過性減少により内出血や血腫を抑え、回復を早めます。
3.痛みを抑える
・感覚受容器の反応を鈍らせたり、神経の伝達速度を遅らせ結果として痛みを感じにくくさせます。
4.筋肉痛の軽減
・筋肉細胞の活動を低下させ、筋スパズム(固くなり強張ること→筋肉痛)を軽減します。
5.疲労回復
・疲労物質(乳酸)の生産を抑え回復を早めます。
※注1:損傷部位の炎症によって、周囲の正常な細胞が酸欠状態になり壊死してしまうこと。
アイシングには以上のような効果があります
アイシングは怪我をしたときだけにするものではありません。
ラグビーなどの激しい運動をすれば、絶えず体の中では軽度の怪我と同じような状態が起こっています。自分では気づかない程度の腫れや炎症が起こっているのです。
また、コンタクトや筋力訓練では筋肉の破壊と再生が起こり筋肉は強く太くなっていきます。このように運動で酷使した部分のアイシングが疲労回復や障害の予防にとても重要です。練習後・試合後には必ずアイシングをするように心がけましょう
次にアイシングの実際の方法について紹介します。
【アイスパック】
前回も紹介しましたが氷を袋に入れて患部に当てる方法です。RICE処置をするのに非常に適しています。
―アイスパックの作り方―
(1)ビニール袋に氷を入れ、袋の表面が平らになるように氷を整えます
(2)袋の中の空気を吸い出します。袋の空気を抜くことで身体にフィットするようになります
(3)中に空気が入らないように結びます。結び終えれば完成です
【アイスバケツ】
氷水をはったバケツなどに患部を浸すアイシングの方法です。比較的広い範囲のアイシングが可能ですが、圧迫や挙上などのRICE処置ができないという欠点があります。簡便な方法ですのでクーリングダウンや障害予防の際にはおすすめです。氷のない場合はバケツに入れた水や水道水に直接患部を当ててください。
【アイスマッサージ】
キューブ氷やクリッカーなどを絶えず動かしながら患部だけを冷やすアイシングの方法です。オスグッド病やアキレス腱や肘などの慢性的な痛みに対して効果的です。
【コールドスプレー】
患部に噴霧してアイシングを行なうものです。受傷直後の「痛い」という感覚を遮断してやるのに非常に効果を発揮します。同じ場所に連続して噴霧すると凍傷になる危険性があるので注意が必要です。
★【温冷交代浴】
まずはじめに、お風呂の効果ですが
1. 水圧 水の圧力によるマッサージ効果で乳酸などの疲労物質を押し出す。
2. 温熱 血管拡張により血行が良くなり、疲労物質を流す。
3. 浮力 浮力により体が軽くなって筋肉が緩む。
アイシングの効果とお風呂の効果を利用して、体の疲労回復や障害(慢性外傷)の予防をする方法が交代浴です。
アイシング(冷却)により新陳代謝も低下や血管の収縮が起こり、その後の温熱効果で血管が拡張し血流が増加すると、疲労の原因である乳酸や老廃物を除去し、疲労回復が早くなります。ストレッチと組み合わせることでさらに効果的です。
このような環境がなくても、子供用のプール・大きなバケツを用意して水をはることによって交代浴ができますし、お風呂と冷水シャワーでの代用もできます。
温水(3~5分)→冷水(2分)→温水(3~5分)と2~3セット行ないます。最後は必ず温水で終わるようにしてください。
余談ですが交代浴はもともと冷え性や低血圧に対して行われ、温泉療法などに用いられるように腰痛や肩こり、関節痛にも効果があるといわれています。またダイエット効果もあるそうです。