高速電費について

リーフ情報をネットサーフィンしていたら、価格.comの口コミ掲示板「高速燃費について」に行き当たった。
中を覗いて驚いた。
投稿しているほとんどのユーザーやアンチが走行抵抗に関して無知。

「速度が速くなると電費が悪くなるというのは、誤解です。」というのまであって、「急加速での追い越しを一切しないようにすれば、だれでも一般道なみ以上の電費で走れるはずです。」と根拠のない自信にはあきれてしまう。

無知は悪いことではないし、特段に他人を卑下する言葉でもない。
これから知れば無知ではなくなるので大したことではないからだ。
しかし、間違った偽知識を世間に広めるのはたちが悪い。

ガソリン車だとエンジン効率が回転域によって変化することで相殺されて高速燃費の低下が著しくない場合もあるが、EVは速度と電費は反比例する。
グラフにすると一目瞭然だ。


走行条件：平坦路、一人乗り、純正タイヤ（EP-150)、気温20℃、メーター読み速度


ではなぜ、「高速走行は電費が落ちない」という誤解が生まれるのか。
その理由は温度だと思います。
速度と電費の関係に温度も絡ませると誤解するのも当然だと思えるグラフになります。




下のグラフは、速度が10km/h上がるごとに温度も10℃上げています。
80km/hで0℃が100km/hでは20℃になる範囲では電費の変化はわずか。

価格.comに投稿された”経験値”は環境因子を除外しているので、偶然を常態と誤認しています。


こうやって理論的に説明しても「実際は理論通りには走らない」と反論する人たちが出てきます。
その通りですが、理論通りに走らない理由にも理論があるのです。


グラフ作成に使った電費シミュレーターの開発のために、リーフで走行した4万キロは詳細な走行記録を残してあります。
都心の渋滞、気温40度の高速道路、氷点下20度の極寒など、さまざまな状況でデーターを集めた成果です。
走行性能にばらつきが少ないリーフでは、汎用性が高いことはこれまでに行った他車走行記録との照合でも確認済みです。


高速道路では速度を上げるほど電費が下がります。
しかし、一般道では信号や曲がり角があって速度変化が異なり、同列に比較するのは難しい。
高速道路と一般道の電費は分けて取り扱った方が判りやすいかもしれませんね。