■縦置きSR20のVE(T)化について
久しくお目にかかります。
この度は、某車に換装予定のSR20組み上げの際に調べた、VEヘッド搭載の要領をまとめようと思い立ち、慣れない記事を書いているところです。
要領と言いましても、当方、相当に横着な正確ですので、何を用意して、どう手を加えれば取付可能なのか?を淡々と書き連ねます。
また、参考にしたHP等もリンクいたしますので、マズければ予告なく記事を削除する場合もあります。ご了承ください。
英語が堪能な方、多少の手引だけあれば自分で調べてなんとかできるわい!って方は、
こちらをぜひご参考にしていただければ、手段の選択だけで進められると思います。
1,SR20VE Conversion Guide
https://www.efisolutions.com.au/buying/buying-guides/sr20ve-conversion-guide/
2,みんカラ トライズ様 ブログ(勝手に貼ってしまってすいません。マズければ消しますのでご連絡ください。)
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/30928470/
お見苦しいところなどあるかと思いますが、何卒、ご容赦くださいませ。
では、さっそく本題に参ります。
▼前提条件
・SR20DETをSR20VETにします。(ターボで作る)
・VEヘッドはPNT30(X-TRAIL)のものを使用しました。(吸気VVL+クラセン)
・車両への換装に関する干渉等は検証はしていません。
(今回搭載予定車がシルビア等のSR20純正搭載車ではないので・・・)
▼ブロック選定
・S13系DETブロックを推奨
これは、後々オイルポンプをVE系(あるいは横置きDET)のものにするため、
取付点を完全に適合させるためには、S13系DETブロックが最適です。
▼ヘッド選定
・PNT30エンジンAssy購入を推奨
VEヘッド唯一のターボモデルということもありますが、IN,
EXマニホールドの必要性や、
オイルポンプおよびカラーを使用することなどから、ヘッド単体ではなくAssyでの購入がおすすめです。
'23 11/9追記 エキマニはタービンフランジの位置や向きの問題で縦置き用タービンをそのまま付けることは出来ませんでした。
よって、エキマニも購入必須項目となります。
▼搭載するのに必要な部品
・オイルポンプ
吐出容量とヘッド取付適合の観点から、VETオイルポンプが必要です。
https://www.youtube.com/watch?v=Un1ZhqQraWs
こちらの動画によると、パルサーGTI-R(横置きDET)のポンプがSR最大吐出量とのことで、
これが手に入るのであれば、最も望ましい形だと思われます。
・インテークマニホールド(サージタンク)
20万円以上する高級な専用インマニ(サージ一体)はありますが、今回は貧乏換装なのでこちらを推奨します。
https://www.xcessivemanufacturing.com/nissan-intake-sr20-n-sr20ve-p11-bp.html
画像にはインマニも載ってますが付属していませんので、PNT30のインマニがある前提でサージタンクをひっくり返す手間を省くというイメージです。
おそらくインマニとしては一番安く済む形式かと思います。
・エキゾーストマニホールド
PNT30のものであれば、シルビア系と同じタービンフランジ(T25)なのでタービンはポンです。
ただし、DETと位置関係が微妙に違いそうで、タービン用の水およびオイルラインは別途つけなければいけません。
ここも含めてPNT30 Assy入手を推奨しています。コレがないとワンオフエキマニ一択になってしまいます。
'23 11/9追記
全然ポンじゃありませんでした。横置きタービンの着ける方向が逆でした。
フランジの位置が前方かつブロック側によっていて、なおかつ内向きに傾いていて・・・・って何も合う要素ありませんね。
エクストレイルタービンのコンプレッサーハウジング向きを縦置き系っぽく向けたものを合体させてみて発覚しました。
珍しく写真に収めたので貼っておきます。
エンジンマウントやブロックに干渉しそうな雰囲気が伝われば幸い(?)です。
結論、ワンオフ一択です。
製品としてのVEヘッド用ターボのエキマニはありません。
そこで、またまたまたまたトライズさん参考です。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/33101140/
VE用のものではなくDE系のものを少し加工して使うという選択です。
DEとVEの差はポートの上下位置とのことです。
ポートを加工するのもありだと思いますが、トライズさんの手法が手早くDE用を使える最良の手段かと思います。
私もこの方法で検討します。
・オイルポンプカラー及びスプロケット
本来SRのオイルポンプカラーはスプロケットと別々です。しかし、PNT30に関しては一体品なのでそのものを手に入れる他ありません。
また、PNT30はサイレントチェーンのため、DE系スプロケットはカム側と合わず使えません。
同系列のP12プリメーラでも同構造の可能性はありますが未確認です。
・オイルブロック
VVLユニットへのオイル供給を行うために、フィルター移設ブロックから分岐するものを使います。↓
https://www.efisolutions.com.au/oil-block-v2-an10-sr20-rwd
すごく上手くやれば、ヘッド側の純正油圧穴に供給できるかもしれませんが、ブロックの大胆な加工が必要そうですのでこちらを推奨。(DE系ヘッドガスケットに、この穴は無いですしおすし)
▼搭載するのに必要な加工
※基本的に加工のほうが安上がりですが、部品装着での適用も可能なため、当該部品についても記載します。
・ブロック穴埋め
4番シリンダ後方エキゾースト側に大きな穴が空いています。
ここだけはVEヘッドに存在しない穴で、外から見える状態になってしまうので埋める必要があります。
溶接して面研(川畑真人さん)
オイルポンプの項にある動画の中で、そのようにお話されています。
タップを切って沈みプラグで処理(トライズさん)
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/31367286/
私もコレを真似しました。
専用プラグ
https://www.efisolutions.com.au/oil-drain-plug-ve-conversion-sr20
こんなプラグもあるみたいです。加工したあとに知りました。後の祭りです。
・オイルストレーナー
縦置き-横置きでストレーナーの取り回しが違うので、縦置きストレーナーを使用します。
が、VETオイルポンプとはフランジが合わないため、加工が必要です。
加工内容は、ストレーナー側フランジ穴の拡張か長穴加工です。
VEフランジのほうが、DEフランジよりも取付軸間が広いので、それに合わせる形です。
かくいう私は横着が出てしまい、穴を拡大して大きめのワッシャがついたセットボルトで締めました。
トライズさん DEVEストレーナ比較
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/31336423/
少しお金に余裕のある人は、ビレットの専用品を購入するのも手。↓
https://www.efisolutions.com.au/oil-pump-pick-up-billet-rwd-conversion-sr16ve-sr20
・ヘッド穴埋め及び油圧ライン新設
穴埋めと穴あけ加工です。
VVL油圧供給穴がヘッドには空いていますが、もちろんDETブロックに相手は居ません。
なので、穴を塞ぎ、別の穴を開けてフィッティングでねじ込んでしまおうという作戦です。
これもトライズさん案からいただきました。(本当に助かりました。ありがとうございます。)
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/31065837/
↑の3番穴です。
VVL油圧供給に関しても、専用のオイルブロックやVVLユニット移設キットがあります。
供給穴付きブロック
https://www.efisolutions.com.au/single-solenoid-block-p12-sr20ve~93326
ユニット移設キット
https://www.efisolutions.com.au/solenoid-relocation-blocks-sr20ve-sr16ve
どちらにも当たり前のようにOIL FEEDと記載された穴があります。
ここから供給してやれば問題なく作動するはずです。
(「はず」というのは、私はヘッドを加工しましたので、VVLユニット周りは純正なのです…)
・クランクプーリー
これだけはどうしても加工しないといけません。
なぜか。理由は簡単です。
「オイルポンプカラーの高さが違うから」です。
トライズさん DEVEプーリー比較
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/31343615/
人の褌で相撲を取ってばかりですいません。自分でも計測しましたが全くこの通りでした。
これを解決する手法は2つあります。
1,DEのプーリーを短くしてVEカラーを入れる。
PNT30はカラースプロケ一体のためこの方法しか出来ません。
DEとVEでカラー高さの差は5mm。しかもVEカラーが長いので、
プーリーのカラー当たり面を5mm削ってやればOKです。
私はエアコンも無ければパワステも有りませんので、ウォーポンとオルタだけ回すのに、リブを一つ減らしましたが…
2,DEカラーを入れてDEプーリーもカラーと同じ形状に合わせる。
こちらはトライズさん案です。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/31358058/
ここまでやればベルトは掛かります。
が、VEオイルポンプ(フロントカバー)を使っているので、タイミングピンの位置が変わっています。
こちらを解決するには、DEプーリーにVEプーリーと同じ位置で切り欠きをつける(貧乏性な私)か、
https://www.efisolutions.com.au/timing-pin-relocator-sr20ve-sr16ve-gtir
こういったキットを使うのが良さそうです。
概ねここまでやれば、VEヘッドが搭載できると思います。
S13ブロック以外の場合やPNT30以外のヘッドの場合は、以下のような弊害があるようです。
・S13ブロック以外によるフロントカバー穴位置ズレ
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/31437215/
私はS13ブロックを使用しましたので、この穴位置ズレはなく、すべてのボルトを留められています。
・PNT30ヘッド以外のVEヘッドによる、DEガスケットとの穴位置ズレ
https://minkara.carview.co.jp/userid/1963409/blog/31454996/
ここは情報が薄いのですが、私も同じTOMEIメタルガスケット(1.2mm)を使用したのですが、
なぜか、この位置の穴ズレは有りませんでした。
以上が、SR20DETにVE(T)ヘッド搭載のざっくりとしたガイドラインとなります。
細かい内容はコメント等いただければお答えできる範囲でお答えします。
今後、VEヘッド化したい何方かのお力になれていれば幸いです。