
所用を済ませ、美容室に行く途中に、居たんですよ。
ジャガーXJS コンバーチブル
90年代初頭、ジャガーが、ル・マンで全盛を誇った頃の名車。
まさか、札幌に。
しかも、路駐って。
突如の「どストライク」登場に茫然自失の中、手ぶれガクブル漸く画像に収めたところに、オーナー登場。
即行、盗撮行為を逆手に取り、お声をお掛けしました。
「勝手に写真撮っちゃっててすみません。あんまり素敵だったので。」
まんまと逮捕されているエロオヤジには、こういう機転が人生を大きく左右するのですと御参考までに申し上げたいと常々。
で、少しお話を伺ったところ、
「14年前の最終型のオーダーなんだよ。」 お ー だ ー …。
「5400ccでV12だからさあ、燃費がね~。」 うはーーーそんな問題ではなく。
「コレは、年に何度かしか乗らないのから、走行距離まだ12000kmくらい。」14年で12000キロォ!?
オーナーは、気さくにそんなお話をして下さいました。
よく行くドライビングスポットのお話も少々。
白髪が美しい、大変上品な紳士でした。
路駐ですし、私も美容室の予約の時間が迫っていましたし、何より初対面です。
余りお引止めするのも申し訳ないので、丁寧にお礼を申し上げてお見送りしました。
最後に、往年のV12サウンドを残し走り去ったXJS。
大排気量でありながら、何と軽やかなエギゾーストだろう。
ソフトトップは、あたかも上等なカシミアのコートのように美しく、
ボディは、周囲を映し込む程に磨き上げられ、
間違いなく年月を経たものにしかない風格と気品を放ちつつ、今尚美しいという圧倒的な存在感。
思い返しながら、知らず16歳の初カレを思い出していました。
誰もが振り返る程の美少年にして、品行方正。
初めてエスコートされる快感を教えてくれた人でした。
16歳の制服姿で微笑む彼が、今此処に現れたら。
ときめきが、そんな有り得ないシチュエーションにシンクロしました。
私を一気に十代の気持ちに引き戻した一台。
今の車のうち、こんな風にトシを重ねてくれるのは、どれくらいあるのだろう。
そして今の若者達にとって、後にこんな感慨をもたらすクルマは一体何だろう。
ああ、ワイスピ1が始まっちゃいましたので、今日はこの辺で。
皆様、来週もごきげんよう。
Posted at 2006/09/17 22:18:10 | |
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