
沈没ニッポンから首相が逃げ出した夜、見たのは某カルト真理教の狂信を思い出さずにはいられない、『
20世紀少年』
リアル20世紀少年世代の昭和なわたくし。
失われたこの十年とは比べモノにならない、圧倒的エネルギーの昭和。
本当のノスタルジーはほんわかしたモノではなく常にドキドキなモノだ!
そんなテイストが盛り込まれ大風呂敷な原作をどのように映像化したのか。
原作は読んでいて、映画については予備知識無く見ました。

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お笑いの宮迫、見たくなかった。今作に限らず彼の演技は物語の世界を台無しにする。
その他俳優の演技の付け方もお遊戯会なんだよな。
しかし端々に良さもあり、とくに双子のいじめっ子はいいわあ。
やはりポール巻や三波春夫は本物で見たかったわぁ。至極残念!!
映像的にはとても良いのだけれど、なんだか演技の違和感と相まって、手触り感が伝わってこないんだよなあ。
この手触り感の希薄さは浦沢直樹の特長でもあり問題でもあるから、そこから来ているのか。
そこが浦沢直樹が、大友克洋、松本零士になれないところなんだよねえ。
目の前の手に触れている四畳半の世界を描ききれない。
大風呂敷で危ないテーマな原作をよくぞ映像化した、という感じでしょう。
この作品はあえてフィルムで撮るべきだったのではないか。
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リアルに東京で昭和・平成を生きた者としては、某カルト教団が記憶に強烈に残っていて、その感情に強く訴えかけてくる作品でした。
そう、はじめは街角で踊っていた某カルトの連中を笑ってみていたモノです。
はじまりは前年、京急内での発煙装置が発見され、何度か小さなニュースとして流れていました。
まさかそれが日本転覆を企み、サリン噴霧のための実験だったとは知るよしもなく。
1995年
年初に阪神大震災。そのショック冷めやらぬ約2ヶ月後に地下鉄サリン事件が起きた。
あの時の世間の空気、特に都内は某カルトのアジトやサリン事件の現場が各所にありましたし、事件発覚後にも教団の連中が殺されたり事件を起こしたりと、異常な緊張感が張りつめていました。
我々昭和な20世紀少年は、それまで破壊的な事は物語の中の話で、核の脅威と宇宙から来たり外的要因で起こるモノでしたから、それはもう日本転覆するようなショックだったのですよ。
この作品が伝えたかったのは昭和ノスタルジーじゃなく、大地震やら某カルト教団やらで日本が揺れたあの時のドキドキや身の締まる危機感だよね。
いつだって現実は小説よりも奇なり
そんなドキドキノスタルジーを原作には込められてるんじゃないかなあ。
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『
ハンコック』
リアリティーのあるリアリティーのない話。ビール呑みながら映像で楽しもう!
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ハンコックとはグラハム・ハンコックから来てるんですかね。
Posted at 2008/09/04 18:08:01 | |
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