この胸に深々と突き刺さる矢を抜け

「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」（上）、（下）
白石　一文　著
講談社文庫

　人気雑誌の敏腕編集長カワバタは、若くして癌の手術を受け、再発の危機と戦いながら、日々を送っていました。
　そんな中、大物政治家Ｎのスキャンダルを記事にしたことで、カワバタの運命は流転し始めます・・・。

　サスペンス混じりのヒューマンドラマです。
　ダダ長い引用、強引とも言える結論付けに、ちょっとうんざりした面もアリましたが、物語を通して、格差社会、ＤＶなど、現代が抱える諸問題に対して、人はどのように生きるべきか、そんな難しい（答えのない）命題を突きつけられた気がしました。

　オススメ度・・・３．５