「悪果」
黒川博行 著
角川文庫 900円
大阪府警今里署のマル暴(暴力団担当刑事)の堀内は、ネタ元から暴力団淇同会が賭場を開いているとの情報を得ます。内偵を進めて裏付けを取った堀内達は、ガサ入れを行い、暴力団関係者数名と賭け客十数名を現行犯逮捕します。
逮捕した賭け客の中にある学園の理事長がいました。堀内はイエローペーパーの編集長坂辺に賭博罪をネタにその理事長を強請るよう持ちかけます。坂辺は理事長から広告料(口止め料)として96万円を得ましたが、直後坂辺が轢き逃げに合い死にます。さらに堀内にもヤクザと思われる二人組がうろつき始めます。
解説には、この小説は著者の綿密な取材の元に生まれたとあります。
特に、前半部分の賭博に関する記述、また、警察の裏付け捜査からガサ入れ、そして逮捕者への事情聴取等取り調べまでの記述は非常にリアルで、久々に小説の世界に引き込まれました。
それにしても、堀内達がマル暴という立場を利用して、高級クラブを定額で飲み食いしたり、暴力団が犯した罪を見逃す代わりに金(シノギという)を要求するなど、小説にあるとおり「ヤクザよりもヤクザらしい刑事」と言えるでしょう。やや脚色を加えていると思いますが、少なからずこういう行為は実在するのでしょうね。
Posted at 2011/08/08 09:45:36 | |
トラックバック(0) |
読書 | 日記