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2012年02月25日 イイね!

終戦のローレライ

終戦のローレライ

「終戦のローレライ」(Ⅰ)~(Ⅳ)
福井 晴敏 著
講談社文庫

 四分冊合わせて1600ページ超・・・
 改行も少ないため、なかなか読み進めず、しんどい作品でした(*_*)

 太平洋戦争末期、敗色濃厚となった日本の将来を憂いた海軍将校朝倉は、大いなる計画を立てます。
 手始めに、降伏したドイツの戦利潜水艦を接収しようとします。
 これには、ローレライと呼ばれる特殊兵器を備えた小型潜水艦ナーバルが艦載されており、これを奪わんとするアメリカ軍の追手が迫ります・・・。

 ローレライとこれに関わる人々の辿る運命が壮大なスケールで描かれています。
 ちょっとファンタジー的な面はあるものの、ストーリー展開に無理はなく、また、登場人物やその背景もしっかり作り込まれていて、思わずスゴいと唸ってしまいました。
 さらに、冒険小説でありながら、大河的に結実させる手法には、舌を巻いてしまいました(*_*)

 著者の作品は、兵器を扱った機械モノが多いのですが、違ったジャンルでもこのような良作を書いてもらいたいものです。
 そこで初めて、著者の力量が示される様に思えました。

 オススメ度・・・5.0
Posted at 2012/02/25 18:07:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2012年02月12日 イイね!

邂逅の森

邂逅の森

「邂逅の森」
熊谷 達也 著
文春文庫

 この小説を読もうと思ったきっかけは、マタギの物語と知ったからです。
 東京に居た頃、出張でたまたま当地を訪れ、マタギについて教えてもらった訳です。
 マタギとは、今の秋田県辺りで猟師をしていた人の事です。
 猟師と言っても、ただの猟師ではなく、山の神様を信仰し、厳格な掟を作り、頭領の元、各自の役割を忠実に果たし、熊などを捕らえる、一種の組織でした。

 松橋富治は、十四歳でマタギになり、狩猟の楽しさを知ります。
 そんな時、他村の顔役の娘に手を出したために、村を追われ、鉱山で働くこととなります。
 全てを忘れて生きて行こうと決意した富治でしたが・・・。

 「直木賞」をはじめ、文学的評価が高い作品です。
 確かに、読みやすく、完成度も高いと思いました。
 しかし、これぐらいの作品を書く人は、五万とは言わないまでも、たくさんいると思いました。
 このように、本作品の高過ぎる評価に対しては、やや疑問があるのは否めませんでした。

 それはさておき、この作品の主人公みたいに、天職を得て、人生を全うしたいものだと強く思いました(今の仕事が天職と思えるよう励むのみですが・・・)。

 オススメ度・・・4.25
Posted at 2012/02/12 22:41:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2012年02月08日 イイね!

子産

子産

「子産」(上)、(下)
宮城谷 昌光 著
講談社文庫

 子産は、中国の春秋時代中期(紀元前600年~500年ごろ)、中原(中央部)の国「鄭」の実力者として数々の改革を行い、また知識人として、かの孔子にも敬仰されたという稀有の人物です。
 当時、中国は「楚」、「晋」という大国が南北に存在し、その他多くの国が中小乱立していました。
 「鄭」は小国ではないものの、両大国に挟まれる形であったため、国を維持するためには、どちらかの盟下に付かねばなりませんでした。
 子産の父子国、そして子国と父を同じくする子嗣は、両国及びその他力関係を見ながら、時には「晋」に、時には「楚」にと、綱渡りで国体を維持していきます。
 子産は、そんな自国の危うさを危惧しながらも、内紛に巻き込まれ死した父の跡を継ぎ、国を背負っていくこととなります・・・。

 人物の名前が題名になっていることもあり、英雄伝的なイメージを抱いていましたが、ちょっと違いました。
 どちらかというと叙述的で、結局この時代で覇を唱える国が出てこなかったのは、信義や礼節に欠けた人物が多かったためだと著者は論じているように思いました。
 子産は、傑出した人物であったものの、このような時代にそぐわない人物であったとも言えると思いました。
 小説としての完成度は高いものの、ややインパクトに欠ける作品だと思いました。
 嘘でもいいから、子産をもっと活躍させて欲しかったです。

 おススメ度・・・3.75

Posted at 2012/02/08 23:47:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2012年02月06日 イイね!

小説 ザ・ゼネコン

小説  ザ・ゼネコン

「小説 ザ・ゼネコン」
高杉 良著
角川文庫

 読みかけシリーズ第2弾です。
 バブル崩壊前、太洋銀行の中堅職員山本は、取引先である準大手ゼネコン東和建設に出向となります。
 社長秘書室勤務となった彼は、次第にその有能さを社長その他役員に認められ、出向者でありながら、会社の舵取りともなる重要案件に関わって行くこととなります。
 それは同時に、業界全体を取り巻く談合体質や不動産投資などの乱脈経営を目の当たりにすることでもあります。
 バブル崩壊を予測する山本としては、軌道修正すべきと考えた訳ですが・・・。

 経済小説としての賞味期限は、過ぎた感があります。
 ただ、著者の作品は、どれも切れ味鋭く業界の表裏を書き上げています。
 これを含めて三作読みました。
 どれも最後がアッサリしていて、やや物足りなさを感じましたが、経済小説なので、仕方ないところでしょう。

 おススメ度・・・3.75
Posted at 2012/02/06 21:58:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2012年02月02日 イイね!

長い長い殺人

長い長い殺人

「長い長い殺人」
宮部みゆき 著
光文社文庫

 コレも実家の片付けをしていて発見しました。
 しおりは巻頭にあり、また、内容も全くと言っていいほど覚えていないので、読んでみました(^-^)

 都内で殺人事件が続き、やがて被害者同士が不倫関係にあることが判り、疑いが掛かります。
 しかし、決定的な証拠はなく、捜査は行き詰まってしまいます。
 疑惑の二人に対するマスコミの取材合戦は、日を追う毎に過激さを増し、二人はいつしか時の人となります…。

 この作品の面白いところは、視点が財布にあるところです。
 物語は、いくつかの章に分けられ、各章の主人公の財布が語り手となります。
 ただ、このような工夫があるものの、題名を悪い意味に取ってしまうほど、イマイチ盛り上がりに欠ける平凡な作品だと思いました。
 初期の作品ということもあるでしょうが、「火車」、「孤宿の人」などを読み、いろんな意味で著者の凄さを知ってしまった後だと、どうしても見劣りしてしまいます(*_*)

 おススメ度…3.5
Posted at 2012/02/02 20:19:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味

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20歳で免許取得後、クルマを乗り継ぐこと十数台。行きつくところまで来たという感じです。最後は決まっていますが、これは老後の楽しみに取っておきます。とりあえず、少...
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