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2011年12月30日 イイね!

冬の陽炎

冬の陽炎

「冬の陽炎」
梁 石日著
幻冬舎文庫 720円

 著者の作品は、「睡魔」、「血と骨」に継いで、3作目です。
 著者は、人間の欲深さを描くのが実に上手いと思います。
 自分もその世界にハマった一人です。

 姜英吉は、多額の借金を抱え、家族を捨て、大阪から上京します。
 タクシードライバーとして、その日暮らしの生活を送っていた彼に、ある転機が訪れます・・・。
 そして、客の忘れ物をネコハバしたことで、彼の運命は破滅という坂道を転がって行きます。

 ストーリーとしてはまとまっていたものの、先の2作ほどのインパクトは、正直ありませんでした(*_*)
 現実離れしても、ありきたりでもイマイチだと思います。
 この辺のさじ加減が、こういう作品の難しいところでしょうね。

 おススメ度・・・3.5
Posted at 2011/12/30 20:30:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2011年12月29日 イイね!

鉄の骨

鉄の骨

「鉄の骨」
池井戸 潤著
講談社文庫 880円

 「下町ロケット」で直木賞を受賞した著者の最新文庫です。
 この作品も、文学賞受賞作です(吉川英治文学新人賞)。

 中堅ゼネコン「一松組」の若手富島平太は、現場から業務課に異動します。
 別名「談合課」と呼ばれ、課長以下、談合を必要悪と考えています。
 正義感の強い平太は、ジレンマを抱えつつも、職責を全うすべく、工事受注のため、日夜奔走します。
 そんな中、数千億円の地下鉄工事が発注予定となり、平太たちは、新工法によるコストダウンを提案し、単独受注を目指します・・・。

 「談合は必要悪か?」という企業小説の色合いが濃いのですが、青春ドラマあり、ミステリー的な要素ありと、なかなか奥の深い小説でした。
 解説に、著者は「走れ平太」という題にしたかったらしいのですが、版元の意見により、この表題になったそうです。
 僕的には、著者のイメージの方に共感を覚えました。

 談合については、土木設計という仕事柄、世間一般とは少し違った考えを持っています。
 この小説が世に出た頃から比べると談合が難しいシステムが構築され、国の発注する大規模工事では、それが運用されています。
(入札価格の要素と技術提案の要素を組み合わせた総合評価方式が採用され、たとえ、低い入札価格を提示しても、技術的に劣れば落札できない。)
 ただし、それは小さな工事、中小企業に対して運用するのはいろいろ難しい面があり、談合はしばらく世にはびこって行くだろうと思います(いけない事ですが・・・)。

 おススメ度・・・4.5
Posted at 2011/12/29 18:11:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2011年12月26日 イイね!

暴雪圏

暴雪圏

「暴雪圏」
佐々木 譲著
新潮文庫 745円

 「警官の血」以来、ファンになった著者の最新文庫です。
 「制服捜査」の川久保篤巡査部長が主人公です。
 舞台は、彼が勤務する駐在所がある十勝地方です。
 この地方独特の「彼岸荒れ」という暴風雪により、交通期間、通信手段は、完全に麻痺していきます。
 この大きな括りの密室状態で、強盗殺人犯、不倫の清算を願う主婦など、訳アリの人々が登場し、勢いを増す自然の脅威が、彼らを更なる密室に誘い込みます・・・。

 ミステリーの王道とも言える密室を、自然の脅威で作り出すという手法には、正直感心しました。
 ただ、ラストがイマイチです。
 もう少し捻りが欲しかったです。
 関連して、主人公川久保の活躍度もインパクトに欠けると思いました。

 次回作に期待です(^-^)

 おススメ度・・・3.5
Posted at 2011/12/26 15:11:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2011年12月23日 イイね!

OUT

OUT

「OUT」(上)、(下)
桐野 夏生著
講談社文庫 (上)700円、(下)650円

 映像化された著者の代表作です。
 昔、ビデオを借りたものの、忙しさのあまり、前半部分しか観れませんでした。

 深夜の弁当工場で働く雅子は、同僚の弥生を助け、殺した夫の死体処理を、他の同僚達と行います。
 バラバラにして捨てた事で、成功したように思われましたが・・・。

 意外性のある展開、著者らしいシュールな人物設定、さらに不自然さもなく、完成度の高い小説だと思いました。

 死体をバラバラにするシーンなど、全体を通して、映像化向きの作品だと思いました。

 ラストシーンのあっけなさには、ちょっとがっかりしたものの、予想と違っていたので、良しとしました。

 おススメ度…4

Posted at 2011/12/23 18:06:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味
2011年12月20日 イイね!

火怨 北の耀星アテルイ

火怨 北の耀星アテルイ

「火怨 北の耀星アテルイ」(上)、(下)
高橋 克彦 著
講談社文庫 780円(上)、800円(下)

 上下巻合わせて1000ページもある大作です。
 10日かけてようやく読み終えました(*^_^*)

 八世紀、陸奥に住む蝦夷の中心として、朝廷軍と戦ったアテルイの物語です。

 日本史で教わったのは、アテルイが反乱を起こし、征夷大将軍坂上田村麻呂に鎮圧されたという事ぐらいです。

 読後、少し調べたのですが、資料そのものが少ないことが判りました。

 本作品は、この資料不足を逆に利用し、壮大かつ独創的な物語を創りあげています。
 これは歴史小説の域を超えていると思いました。
 自分の中の歴史小説とは、点々と残る史実(エピソード)を活かしながら、脚色を加え、作り上げたものと思っていたので・・・。

 次々と大軍を繰り出す朝廷軍に対し、蝦夷軍は奇策を以って、これを跳ね返します。
 坂上田村麻呂は、長期化した戦いを収めるべく、最大の軍を率いて、陸奥に布陣します。
 アテルイ、そして参謀役のモレは、彼を最強の敵と認め、大いなる策を立て、最後の戦いに臨みます・・・。

 主に地形を利用した戦略の鮮やかさも去ることながら、蝦夷の安寧と尊厳のため、戦い抜いたアテルイ達の生き様に、とても感動しました。

 記憶に残る作品でした。

 おススメ度・・・5

Posted at 2011/12/20 18:20:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書 | 趣味

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20歳で免許取得後、クルマを乗り継ぐこと十数台。行きつくところまで来たという感じです。最後は決まっていますが、これは老後の楽しみに取っておきます。とりあえず、少...
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