
「ホワイトアウト」
真保裕一 著
新潮文庫 810円
「吉川英治文学新人賞」受賞、また映画化された、著者の代表作です。
当時、映画を観に行きたかったのですが、主役さんのアクの強さがちょっと苦手なんです(*_*)
まあ、適役とは思いますが・・・。
本当は、映像化に適した作品ですが、上記理由もアリ、今更ながら読んでみた次第です(^-^)
日本最大の貯水量を誇るダムが、武装集団に占拠されます。
人質は、ダムの運転員と下流域の人々、そして身代金は五十億円です。
また、ダムは極寒の地にあり、麓との連絡道も爆破され、警察は近づく事も出来ません。
そんな中、この占拠から運良く逃れた運転員の一人である富樫は、単身武装集団との闘いを決意します・・・。
著者の作品は、「連鎖」に次いで、二作目です。
両作品とも、普通の人にはあまり知られていない世界を扱いながらも、分かり易く描いていると思いました。
特に本作品は、富樫と武装集団の知能戦を、巨大ダムの複雑な構造を上手く利用することで、リアルかつ緊迫感のあるものにしています。
展開としては、アッサリしたラスト以外は、なかなか意外性もアリ、総じて高評価でした。
ただ、これは、ダムの構造を少しばかり知っている自分の意見ですが、巻頭にダム周辺の図面(流域図ともいう)、また、ダムの構造図(三面図ともいう)を付けるべきだと思いました。
これを添付することで、上記知能戦がより分かり易くなると思いました。
さらに、ダムに関する詳細な記述は、一見すると、分かり易いという印象を得がちですが、図面があれば、これは明らかにムダな記述であり、より合理的な作品になるのではと思いました。
そんな批判的な意見も含めた評価です。
おススメ度・・・4.0
Posted at 2012/01/29 21:10:14 | |
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