
「疑心 隠蔽捜査3」
今野敏 著
新潮社 1575円
基本、ハードカバーはかさばるため、文庫しか買わない主義です。
「隠蔽捜査」シリーズは、第1作目を場当たり的に買ったのですが、かなりハマりました。
警察庁のキャリア官僚が、組織を揺るがす事案に対し奔走するという、警察小説としては新しいスタイルです。
さらに、主人公竜崎のちょっと変人っぽい個性が警察組織の持つある種の特殊性とマッチしていて、非常に面白い作品でした。
次作「果断 隠蔽捜査2」は、まもなく文庫化され、すぐに購入しました。
息子の不祥事で所轄の署長に左遷された竜崎が、管内で起きた人質立てこもり事件の真相を解き明かすというストーリーです。
警察庁と警視庁の見えない対立を絡めている点も良かったです。
2009年3月に初版された本作品ですが、第1、2作の文庫化のタイミングを考えると、まもなく文庫化されそうなのですが、第4作が発売されたこともあり、我慢出来なくなってきました。
新品を買う余裕はないので、中古を探したところ、ブックオフオンラインで600円という手頃な値段をだったため、思わず買ってしまいました。
1500円以上買えば送料無料となるため、ここぞとばかり欲しかった文庫も大量購入しました(計6冊)。
アメリカ大統領来日に際し、警察は大規模な警備態勢を取ることになります。
大森署署長竜崎は、方面警備本部長に任命されます。
異例の抜擢に驚く間もなく、先行したシークレットサービスが、テロ計画の存在を明らかにし、羽田空港の封鎖を主張します・・・。
この実現不可能な要求に対し、竜崎は苦悩します。さらに、秘書官として加わった女性キャリアの美貌、単独捜査を強行する所轄刑事など、竜崎の苦悩は深まるばかりです。
読後の感想としては、良くも悪くも、「隠蔽捜査」のスタイルを崩していないんだなぁと感じました。
今回はアッサリした展開でしたが、このシリーズのキモでもある、竜崎の危機に対する独特の思考過程で、しっかりと楽しませてもらいました。
おススメ度・・・4
Posted at 2011/12/04 09:28:49 | |
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