
「火怨 北の耀星アテルイ」(上)、(下)
高橋 克彦 著
講談社文庫 780円(上)、800円(下)
上下巻合わせて1000ページもある大作です。
10日かけてようやく読み終えました(*^_^*)
八世紀、陸奥に住む蝦夷の中心として、朝廷軍と戦ったアテルイの物語です。
日本史で教わったのは、アテルイが反乱を起こし、征夷大将軍坂上田村麻呂に鎮圧されたという事ぐらいです。
読後、少し調べたのですが、資料そのものが少ないことが判りました。
本作品は、この資料不足を逆に利用し、壮大かつ独創的な物語を創りあげています。
これは歴史小説の域を超えていると思いました。
自分の中の歴史小説とは、点々と残る史実(エピソード)を活かしながら、脚色を加え、作り上げたものと思っていたので・・・。
次々と大軍を繰り出す朝廷軍に対し、蝦夷軍は奇策を以って、これを跳ね返します。
坂上田村麻呂は、長期化した戦いを収めるべく、最大の軍を率いて、陸奥に布陣します。
アテルイ、そして参謀役のモレは、彼を最強の敵と認め、大いなる策を立て、最後の戦いに臨みます・・・。
主に地形を利用した戦略の鮮やかさも去ることながら、蝦夷の安寧と尊厳のため、戦い抜いたアテルイ達の生き様に、とても感動しました。
記憶に残る作品でした。
おススメ度・・・5
Posted at 2011/12/20 18:20:11 | |
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