
「煉獄の使徒」(上)、(下)
馳 星周著
新潮文庫 940円(上下とも)
上下巻合わせて1600ページ超。
新年早々、とんでもない作品に当たってしまいました(*_*)
その長さは言わずもがな、内容も・・・でした。
十文字源皇率いる新興宗教「真言(マントラ)の法。」
そのペテン師的なカリスマ性と、組織を追われた弁護士幸田の運営手腕により、教団は次第に大きくなっていきます。
宗教法人認可を間近に控え、信者をめぐるトラブルで強固な弁護士と争うこととなり、教祖と一部の幹部が強行な対応を選択します。
時を同じくし、上層部の権力争いに巻き込まれ左遷された、公安の敏腕刑事児玉は、この教団をカネの成る木として、目を付けます。
そして、両者の奇怪な関係は成立し、さらにそこに漂うカネのニオイを嗅ぎつけた闇が近づいてきます・・・。
どこかで聞いたことのある話です。
世間を震撼させた某教団。
これに、警察、政界という二つの大きな権力を加え、腐敗したトライアングルを組み、物語は進行していきます。
かなり荒唐無稽な小説だと思いました。
また、ある意味禁忌的な事件を題材に用いたことに賛否両論あったのではと思います(読む事も同じでしょうが・・・)。
ただ、このような権力構造が、時系列は違えども存在していたのは事実であり、全て人間が作りだしたものなのです。
著者の思いは計りかねますが、同じあやまちが二度と起こらねよう、この身だけは律して行こうと思った次第です。
正直、途中かなりハマってしまい、今もちょっと余韻が残ってます(*_*)
おススメ度・・・4.5
Posted at 2012/01/09 21:47:07 | |
トラックバック(0) |
読書 | 趣味