
「気高き昼寝」
天野 作市 著
講談社文庫
この小説選んだ理由は、うつ病を扱っているからです。
この病気は、社会の閉塞感が産み出した現代病であり、自分の職場にもこの病気で休職した人、また、現在形の人もいます。
かく言う自分も、一時調子を崩しかけ、心療内科の出す薬で、何とか乗り切ったという次第です・・・。
主人公夏目は、三十代でうつ病を発症、四十代となった今も病気と付き合いながら、その日暮らしの生活を送っていました。
ある日、入院先での友人、今村の自死の知らせを受けます。その後、彼の自叙伝が送られてきます。
それは、夏目の小説を書きたいという夢のために用意された材料でしたが・・・。
簡単に言うと、私小説です。
著者自身、この病気に掛かりやすいと言われる、こだわりの強い性格で、本作品もなかなか奥深く、とても闘病中に上梓したとは信じられません(*_*)
当然、題名と内容はリンクしているのですが、私的には、うつ病そのものと結び付けてしまいました。 担当医の話やその他関連資料から、うつ病というのは、脳の動きが悪くなり、まるで昼寝(休息)をしているようなものだと感じました。ただ、その期間というのは、長い人生を振り返る時、必要だったと思うはずで、まさに気高き昼寝だと思いました。
オススメ度・・・4.0
Posted at 2012/03/17 19:52:01 | |
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