
「邂逅の森」
熊谷 達也 著
文春文庫
この小説を読もうと思ったきっかけは、マタギの物語と知ったからです。
東京に居た頃、出張でたまたま当地を訪れ、マタギについて教えてもらった訳です。
マタギとは、今の秋田県辺りで猟師をしていた人の事です。
猟師と言っても、ただの猟師ではなく、山の神様を信仰し、厳格な掟を作り、頭領の元、各自の役割を忠実に果たし、熊などを捕らえる、一種の組織でした。
松橋富治は、十四歳でマタギになり、狩猟の楽しさを知ります。
そんな時、他村の顔役の娘に手を出したために、村を追われ、鉱山で働くこととなります。
全てを忘れて生きて行こうと決意した富治でしたが・・・。
「直木賞」をはじめ、文学的評価が高い作品です。
確かに、読みやすく、完成度も高いと思いました。
しかし、これぐらいの作品を書く人は、五万とは言わないまでも、たくさんいると思いました。
このように、本作品の高過ぎる評価に対しては、やや疑問があるのは否めませんでした。
それはさておき、この作品の主人公みたいに、天職を得て、人生を全うしたいものだと強く思いました(今の仕事が天職と思えるよう励むのみですが・・・)。
オススメ度・・・4.25
Posted at 2012/02/12 22:41:22 | |
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