すっかり大きくなった猫のチョコ。
冬のある日、暖かい部屋でまったり過ごす3匹。
お天気の良い日は、日差しが差し込む窓際で仲良くお昼寝。
こんな幸せな日がいつまでも続いて欲しい、そう思っていました。
しかし、平成25年の春、15歳のリリーが静かに天国に旅立ちました。
2匹だけになったチョコとセーラ。
相変わらずセーラに甘えるチョコ。
こんなこと、1番可愛がっている妻にもしません(笑)
セーラといる時間が、チョコにとっては最も幸せな時間だったのでしょう。
チョコが我が家に来て丸2年が過ぎたある日、セーラにガンが見つかりました。
患部の摘出手術の後、抗ガン剤投与の治療を受けたセーラは、薬の副作用で何日も立ち上がる
ことが出来ず寝たきりに。
弱って目もうつろになったセーラ。
そのセーラから離れようとしないチョコ。
しかし、いくら仲良しでも猫が犬のことを心配するなんてこと、そんなことはあり得ません。
チョコはセーラに遊んで欲しいから近くにいるだけです。
いくら捨て猫の自分を優しく受け入れ、母親代わりになってくれたとは云え、猫に犬のことを心配し
て気遣う能力があろうはずがありません。
そう思っていました。その後に起きる光景を見るまでは。
立ち上がれないセーラが顔を上げた時、
寄り添っていたチョコが
ゆっくりと片手を上げて
その手を、そぉ~と、まるでいたわるかのようにセーラの頬に当て
しばらくの間、そのままセーラの顔を見つめていました。
セーラもまたチョコの顔を静かに見つめていました。
まるで、
「大丈夫?」
「大丈夫だよ、ありがとう。」
とでもお互い心で呟やき合っているようでした・・・
幸いにもガンの再発は無く、セーラは再び立ち上がれるようになりました。
しかし、ドーベルマンの平均寿命をとっくに過ぎているセーラの体は少しずつ弱っていきます。
まるでロウソクの火が小さくなっていくように。
1日の大半を寝て過ごすようになったセーラの近くには、前にも増してチョコが寄り添うようになりま
した。
満ち足りた顔でセーラと寝ているチョコ。とても幸せそうです。
チョコが寄り添ってくれたことで、老犬セーラも穏やかな気持ちで日々を送ることができたのでしょう。
チョコはセーラがいるだけで幸せだったのかも知れません。
そんなチョコの幸せに終わりが近づきます。
セーラの衰弱は更に進み、食欲は無くなって痩せ細り、少し動いただけで疲れて横になります。
そのセーラの横にはいつもチョコが。
心配そうに寄り添うチョコ・・・
この翌日、私の腕の中のセーラは、二度と目を開けることはありませんでした。
捨て猫チョコを母親のように優しく受け入れ可愛がってくれたセーラ。
そんなセーラをヒマワリで飾ってあげました。
明るい性格だったセーラにはヒマワリこそ似合います。
最期を強い絆で結ばれていたチョコに看取られて旅立ったセーラは、本当に幸せだったと思い
ます。
猫が「死」という概念を理解することができるかどうか知りませんが、チョコはセーラが旅立った
その日から1週間ほど部屋の片隅でほとんど動かず、鳴きもせず静かにしていました。
あんなに元気に部屋の中を走り回り、ニャーニャー鳴いていたチョコだったのに。
きっと一人で悲しみに耐えていたのかもしれません。
その4へ(最終回)
捨て猫チョコの今 その1 巨大犬との出会い
捨て猫チョコの今・その2 捨て猫の母親はドーベルマン
捨て猫チョコの今・その3 悲しい別れ
捨て猫チョコの今・その4(最終回) 幸せはやって来る
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Posted at
2017/02/03 22:46:39