2016年01月11日
【自動車購入費】-【取得税の廃止】=【増税】?・・・なんじゃこりゃ~(怒)
取得税廃止されても、新税が増えれば増税になる... !?
(イメ-ジ画像:トヨタ新型プリウス)
2017年4月1日から消費税が今の8%から10%に増税されるのは皆さんもご承知の通りです。
そして、それに伴い自動車取得税を廃止することが決まっています。
自動車取得税の額
平成26年4月以降に登録・納車の場合
自家用自動車:取得価額の3%
営業用自動車:取得価額の2%
軽自動車:取得価額の2%
が廃止されるのは嬉しい話だが・・・新税に喜べませんね~ !!
参考: 取得税の計算:自動車税.inf(url)
◎ 結局は“増税”「自動車取得税の廃止」は嘘!消費税10%の2017年4月からクルマ関連の税負担は確実に増える!
(カーライフジャ-ナリスト渡辺陽一郎 氏コラムより)
◆「自動車取得税」自体は廃止されるが・・・
消費税について、2017年4月1日から現状の8%から10%へと増税されることは皆さんご存知の通りだが、そこで気になるのが「自動車取得税」の動向だ。
以前から「消費税が10%になった段階で、自動車取得税を廃止する」ことが決まっていた。
現在の自動車取得税は、登録車(小型/普通車)が取得価格の3%、軽自動車は2%になる。取得価格とは、オプションを含めた税抜き車両価格に0.9を掛け(10%は値引き相当額として差し引く)、1000円未満を切り捨てた金額だ。
登録車の取得税は「税抜き車両価格×0.9(1000円未満切り捨て)×0.03(税率)」で算出される。なので消費税が2%切り上がって10%になり、その代わりに取得税が廃止されれば、おおむねバランスが取れるはずであった。
ところが、だ。
「平成28年度/国土交通省税制改正概要」によれば、2017年4月に消費税率を10%へ引き上げる時に、自動車取得税を廃止する一方で「環境性能割税率」を導入することが新たに盛り込まれたのだ。
◆「環境性能割税率」とは!?
「環境性能割税率」の内容は、登録乗用車については平成27年度燃費基準達成車と+5%達成車が取得価格の3%、同基準+10%達成車が2%。平成32年度燃費基準達成車が1%、同基準10%以上達成車が0%になる。
軽乗用車は平成27年度燃費基準達成車/+5%達成車/+10%達成車が取得価格の2%。平成32年度燃費基準達成車が1%、同基準10%以上達成車が0%だ。
このように「環境性能割税率」は、現在実施されているエコカー減税に似ている。
正確にいえば、エコカー減税の平成32年度燃費基準+10%達成車は80%の減税だが「環境性能割税率」では0%の免税になる。逆に平成27年度燃費基準+5%では、現状ではエコカー減税によって20%減税されるが、「環境性能割税率」は3%だから減税対象外と同じで増税になってしまう。
一部の報道では「環境性能割税率」はエコカー減税よりも税率が低く、税負担が軽減されるといわれるが、これは全体的な話だ。車種によってはエコカー減税が実施されている今の取得税よりも税額が増える。
また、そもそも消費税が現在の8%から10%に増えるのだから、結局は増税になるのだ。
◆今のままでは、減税車に偏った売れ方は是正されない
ちなみに今の売れ筋車種は大半がエコカー減税の対象に入り、ハイブリッド車のトヨタアクアやトヨタ プリウスなどは免税になる。
新車販売されるクルマの38~40%を占める軽自動車も、スズキ ワゴンR/スペーシア/アルト、ダイハツムーヴ/キャスト/ミライースなどは、いずれも免税だから取得税を納めていない。
となれば2017年4月1日以降は、2%の消費増税分が丸々上乗せされてしまう車種が多い。そして「環境性能割税率」を導入しないで自動車取得税を単純に廃止すれば、今のエコカー減税車に偏った売れ方が多少は是正されただろう。
例えばトヨタ ウィッシュは、平成27年度燃費基準は達成していて、以前はエコカー減税の対象だったが、2015年4月1日に新しい減税基準になってからは対象外になった。減税の最低ラインが平成27年度燃費基準+5%になり、ウィッシュは達成できなかったからだ。
売れ筋の1.8X(190万5709円)で4万7600円の自動車取得税を徴収され、売れ行きも大幅に下がった。
こういったエコカー減税に漏れた車種の売れ行きが、消費増税に伴って不利が薄れて持ち直すことも予想されたが、「環境性能割税率」が施行されれば変化はない。
◆国のやり方は、はっきり言って「嘘つき」だ
それにしても、国のやり方は「嘘つき」だろう。
「約束通り自動車取得税は廃止します。その代わり(名称を変えて)環境性能割税率を導入します」では、約束を破ったことになって納得できない。
過去を振り返れば、自動車取得税/同重量税/ガソリン税(揮発油税と地方揮発油税)は、いずれも1970年前後に道路建設に充てるための「道路特定財源」として徴収が開始された。
道路建設で恩恵を受けるのはクルマの所有者だから、そこから税金を徴収する「受益者負担」の考え方に基づいていた。しかし「道路特定財源」制度は2009年に廃止されて一般財源になり、すでに課税の根拠を失っている。
そのために自動車業界は以前から廃止を求めていて、自動車重量税とガソリン税は譲歩しても「自動車取得税は消費税が10%になった段階で廃止」とされた。それなのに自動車取得税すらも、稚拙に名前を変えて存続することになった。
また自動車税を含めてクルマ関連の税金は分かりにくいから、抜本的に自動車税制を見直す考え方もあったが、「平成28年度/国土交通省税制改正概要」にはまったく反映されていない。
この点を国土交通省に尋ねると「平成28年度/国土交通省税制改正概要に盛り込まれたのは、自動車取得税を廃止して環境性能割税率に変更するにとどまる。自動車税、自動車重量税などは平成29年度に検討される可能性もある」とのことだが、環境性能割税率が盛り込まれた以上、抜本的な減税はあり得ないだろう。
◆自動車税、軽自動車税も課税根拠は非常に不可解
あまり問題視されない自動車税と軽自動車税も、課税の根拠は非常に曖昧だ。自動車税のルーツは、1873年(明治6年)に創設された車税に遡る。
この時は馬車と人力車が対象で、1935年(昭和10年)にクルマの増加に伴って自動車税となった。
軽自動車税は、もともとは自転車荷車税からスタートしている。これらの課税根拠は「財産税」だ。かつての馬車や人力車、その後のクルマは高額財産とされ、仕事などに使えば多額の利益を生み出す。
「あなたはお金持ちで、高価な自動車を使ってさらに多額の利益を得ているのだから、ほかの人達よりも税金を多く納めてくださいね」という趣旨だった。
ところが今のクルマ社会はどうだろう。公共の交通機関の発達していない地域では、人口に占める高齢者の比率が高く、古い軽自動車がお年寄りの通院や買い物に不可欠なライフラインとして機能している。
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日本におけるクルマの本当の姿は「福祉のツール」だ。となれば軽自動車税の増税などは絶対に行ってはならないが、2015年4月以降に新車販売された軽自動車では、軽自動車税が年額7200円から1万800円に値上げされた。
この増税はやがて、高齢者を中心に生活を圧迫していく。そして自動車税や軽自動車税が「財産税」ならば、資産価値に基づいて課税するのが本来のあり方だ。ところが実際は、中古車として売却できず、査定額がゼロの車両にも多額の自動車税を課している。
自動車税も減価償却の考え方に基づいて、初度登録からの時間経過によって税額を軽減すべきだ。
◆国やメーカーは、もっと日本のユーザーを大切にしてほしい
ガソリン税も高く、1L当たり53.8円に達する。直近ではレギュラーガソリンの価格が下がってきており首都圏では1L当たり107円くらいとして、ガソリン税がなければわずか53円。ガソリン価格に占めるガソリン税の割合が50%を超えるのだ。
このように「元・道路特定財源」だった自動車関連の税金は、今でもクルマの所有者に重圧を与え続けている。東京都は輸入車の販売台数が全国で最も多く、軽自動車の世帯当たり普及率は最下位だ。
だから永田町や霞ケ関からは、日本のクルマ社会の真実は見えない。もう少しいろいろな地域に目を向けて、「クルマのユーザーから多額の税金を徴収してやろう」という浅はかな魂胆は捨てて欲しい。
また、メーカーのロビー活動も重要だ。アンダーテーブルで政治と老猾に話を進めるのが良いとはいわないが、メーカーの首脳陣は、もう少し国内の市場と販売に本気になって欲しい。
今の日本メーカーは世界生産台数の80%以上を海外で販売しており、国内市場の優先順位が下がった。これも矛盾のある自動車税制の遠因になっていると思う。
今ではいわゆる新興国も自動車の開発力を急速に高め、所得も増加傾向にある。日本のメーカーが今後も継続的に海外市場で都合良く稼げるとは限らない。
国もメ-カ-も、もっと日本のユ-ザ-を、日本の市場をを大切にしてほしい !!
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Posted at
2016/01/11 11:50:56
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