警察庁が発表した「平成26年中の交通事故発生状況」統計によると、今年9月末までに全国で発生した累計約42万件の交通事故による死亡者数は約2,800人で、そのうち約半数となる46.6%の方が交差点事故で亡くなっています。
車・車間事故では「出会い頭衝突(33%)」、「右折時衝突(13%)」が特に多く、対人事故では「道路横断中(68%)」が圧倒的な割合を占めている状況。
交差点事故多発のなかで非常に重要な技術となってきているのがITS(高度道路交通システム)。フリーランスの自動車関連ジャーナリストを中心に構成されるAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)では、ITSに積極的に関わっていこうということでITS分科会を立ち上げた。その第1回目の勉強会として、トヨタ自動車のITSについての勉強会が開催され、開発中の技術の一部が紹介されいます。
そのITSは、世界規模の取り組みだった。

開催国
第 1回 (1994年) パリ
第 2回 (1995年) 横浜
第 3回 (1996年) オーランド
第 4回 (1997年) ベルリン
第 5回 (1998年) ソウル
第 6回 (1999年) トロント
第 7回 (2000年) トリノ
第 8回 (2001年) シドニー
第 9回 (2002年) シカゴ
第10回 (2003年) マドリッド
第11回 (2004年) 愛知・名古屋
第12回 (2005年) サンフランシスコ
第13回 (2006年) ロンドン
第14回 (2007年) 北京
第15回 (2008年) ニューヨーク
第16回 (2009年) ストックホルム
第17回 (2010年) 釜山
第18回 (2011年) オーランド
第19回 (2012年) ウィーン
第20回 (2013年) 東京
第21回 (2014年) デトロイト
紹介されたのが「右折時衝突防止支援システム」。これは路車間通信(道路とクルマの間の通信)を使って、右折車と直進車の衝突事故や右折後の歩行者との事故を防止しようという試み。ITARDA(交通事故総合分析センター)の2011年データによれば、信号交差点で起きる事故のうち、右折時に発生するケースは39%。左折時(17%)の2倍以上の割合で、ケース別としてはもっとも多い。右折時の事故を防止することは事故件数を減らすことに大きく貢献する。
トヨタが開発中の「右折時衝突防止支援システム」は、道路側に装着されたセンサーによって交差点に近づいてくる対向車や歩行者を検知。クルマ側に取り付けられた端末(HMI=Human Machine Interface)でドライバーに知らせるというもの。現状は試験中のためHMIは後付けタイプでダッシュボード上に設置するタイプとなっているが、純正採用されればメーターパネルやカーナビのモニター内にビルトインされる予定。
東芝画像認識システムの採用
https://minkara.carview.co.jp/userid/2075714/blog/34092237/

安全運転支援システム「DSSS(ドライビング・セーフティ・サポート・システム)」には交通インフラとの連携により一時停止や赤信号の見落とし防止、車両前方の死角に存在する車両を予めドライバーに知らせる機能などが搭載されています。

現在、道路側のセンサーとしては画像式とレーザー式が、通信手段としては電波やビーコンが用いられている。道路側の設備については当然、警察庁との連携が図られている。
モニターが運転する車両(プリウス)には「右折時衝突防止支援システム」のほかに、ドライブレコーダーやデータロガーなどが取り付けられ、通勤などの日常運転でインフラ設置交差点を右折したときの映像と走行データを記録。システムから情報提供を行わない運転で3カ月間、その後情報提供がある状態での運転を3カ月間記録し、システムがドライバーをいかにサポートするか検証された。

<右折時衝突防止支援システム>
交差点での右折時、対向車の影に隠れて見えない直進車の存在をドライバーに知らせるもので、道路に設置した光ビーコンから信号を受けると作動開始。道路に設置されたカメラやセンサーが、700MHz帯の通信網で対向車情報を表示。

トヨタによると実証試験の結果、見通しの悪い交差点で54%、見通しの良い交差点で10%の不適切な発進を抑制する効果が有ったとしています。
<歩行者横断見落とし防止支援システム>
道路に設置されたカメラやセンサーが横断者を検知、ドライバーに注意を促す
<出会い頭衝突防止支援システム>
信号の無い交差点に進入する際、車・車間通信により接近車両の状況を「見える化」、位置情報をリアルタイムにやりとりすることで交差点への安全な進入をサポート
<緊急車両情報提供システム>
緊急車両が発信する位置情報を受信、近付いて来る方向を表示、進路を塞がないように路肩への停止を促す
<歩行者情報提供システム>
人・車間通信により、走行するクルマに接近する歩行者の位置を表示、ドライバーに徐行や停車を促す

また、交差点での安全な通過に加えて信号による渋滞低減、燃費向上に向けた各種支援機能も搭載。
<信号情報活用運転支援システム>
・赤信号減速支援
通過しようとする信号が変わるタイミングを事前にドライバーに知らせるもので、赤信号に変わって慌ててブレーキを踏んだ際などの後続車両追突を防止すると共に、青信号を連続して通過できよるよう適正な走行速度を表示
・発進遅れ防止支援
信号が「青」に変わるタイミングをドライバーに事前に知らせるもので、発進遅れによる急発進や後続車への迷惑を防止
Traffic safety 【 爺々通信 】
Posted at 2014/11/08 22:16:23 | |
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