最期の日

２週間前に実家に帰ったときに、
母と話しをさせてあげようと伯父に電話をしました。



母は楽しく兄との会話をしていました。





電話を切る時、伯父は「また」と言わず、
「さようなら、ありがとう」と言いました。
なんとなく寂しい感じがしました。

その後、母と話させようと、叔母にも電話しました。
その時、初めて伯父の命があと僅かであることを知りました。

父の方が落ち着いたら、母を伯父に会わしてやろうと思いました。

しかし、きょう、伯父が他界しました。

母を伯父に会わしてあげることが出来ませんでした。

まだ母は、兄を失ったことを知りません。

自分の無力さに対して、後悔しても戻らない時間は過ぎていきます。

もう少し落ち着いたら、母と一緒に、伯父のところへ行こう。

きちんと言えなかった
「さよなら、ありがとう」
を言いに行こう。


伯父が静かに眠りについた、博多のある西の空は、

燃える赤い色から、眠りにつきました。



さよなら、
ありがとう