
『う…うう〜…』
深夜、息苦しくて目が覚めた…
よほどうなり声が大きかったのかiguが
ワタクシの顔を覗き込んでいる
『こ〜ちんさん!どうしたん!?』
『あ、大丈夫…』と言いかけたが声が出せない!
いや、体の自由がきかない!
金縛り!?
iguが異変を察知し一点を指差す!
『こ〜ちんさん!あそこ!なんかおる!』
なんとか視線を動かすとiguが指差す方向にぼんやりとした明かりが見える…
『あそこ!あそこ!』と懸命に訴えるigu!
しかし、ワタクシの体は動かない!
ここは落ち着いてゆっくりと腹式呼吸をして
丹田に気を蓄える
そして気が限界までたまった所で一気に爆発させる!
『破!!』
気の放出と同時に体の自由が戻り目が覚めた…
『あれ?夢か…』
気を蓄えたと思ったら膀胱に蓄えてました…
一気に放出せずに良かったです
次に目覚めたのが5:30
雨で濡れたテントをそのまま畳みます、連泊だと嫌な気分になる所です
1時間程で片付けが終わりすぐに出発!

【昨日の雨でバイクもシットリしました】
県435を南下“
くるみ温泉”を後にします
昨日と同じく2車線道路が続くと思われましたが
走り始めて何キロも走らないうちに道幅が狭くなり一気にフェーズ3の
険道へと変貌
【後で考えると本日一番の難所でした】
濡れて滑りそうな険道を抜けるとかつての難所“
鈴蘭スカイライン”を
これまでとは逆に東から西に辿ります
朝っぱらから“鈴蘭スカイライン”を走ってラジオ体操代わりに体を動かすと
こわばった体もほぐれて腹もへってきました
濁河温泉(にごりごおんせん)[71-D6]との分岐を過ぎしばらく走ると…
【久々の鈴蘭スカイライン、工事箇所もほとんど無くなって来たはずが…】
『なんじゃこりゃ!?』
倒木が道をふさいでます!
昨日の落雷で倒れたのでしょうか?
それとも雨で地盤が緩んで?
だとしたら更に崩れて来るかもしれません!
のんきに記念撮影してる場合じゃないです!

【災害現場で不謹慎な二人】
うまい具合にバイクが通れる隙間がありすり抜け出来そう
丁度来た対向車のドライバーが現場を見て困った顔をしていました
バイクで来てて良かった!
そろそろ、朝ご飯が欲しいとこですが、まだ“
鈴蘭スカイライン”中程…
のども乾いてきましたが、もうちょっと頑張って走らないと自販機すらありません
見晴らしの良い所で停めて写真を撮っているとiguはペットボトルのお茶を飲んでます
ワタクシはそれすらありません
人が飲んでるのを見るとさらに渇いてきました
国41まで出れば何かしらのお店があるはずとガンバって走ってると
突然リアブレーキのペダルの感覚が無くなりました
リアブレーキでコーナリング中にリアに加重を掛ける乗り方を
無意識に全てのコーナーでやった為に
抜けちゃったみたいです
国41に入る手前で見つけた商店に立ち寄りましたが
朝ご飯になりそうなものは見当たらず仕方なく自販機でホットコーヒーを買って
早朝の山で冷えた体を温めるとすぐに次の店を探しに走り出しました
国道沿いとは言え
国41は山の中
更にルート的にすぐに
国257[60-I3]に入るのでそうなると朝食にありつけなくなります
そのためにわざわざルートを変えるのもなんだし
『頼む!コンビニよあってくれ〜』
間もなく
国257との分岐という所でサークルKを発見でき
コンビニの駐車場でヘルメットを脱いだとき
中学生くらいの女の子が
『おはようございます』
と、にこやかに挨拶してきました
こんなおっちゃんに(iguはギリギリお兄さん?)
なぜ爽やかに声をかけてくるんだ?
『もしかしておっちゃん好きなのか?』
と、思いましたが、そんなわけありません
とても礼儀正しい子なだけです
ワタクシの家の近所の子達よりしっかりものです
加賀も悪い意味で都会的だな〜と、思いました

【やっぱ朝はご飯とみそ汁です】
朝はしっかり食べるワタクシですから出るものもしっかり出ます
スッキリした気分で次なる難所“
坂本峠”[60-D1]を目指します
この“
坂本峠”ワタクシもiguも初めてです
すぐ近くに有料道路が通っているので今まではそこを通過していましたが
合宿の趣旨のもと今回はあえて挑戦です!
“
パスカル清見”側、“
坂本トンネル”のすぐ横に
明らかに整備されてなさそうな酷道の雰囲気を漂わせている“坂本峠”への入り口
しかし、走ってみると以外と路面は悪く無かったです
【今日はなんだかこんな所ばっかりです】
とは言っても車同士が行き違い出来ないような狭い道ですから
HeatHaze的におすすめ度★ですが
一般には回避度★★★です
昨日に引き続き今日も遠回りしながらです
“
坂本峠”以後、
地86に乗り“
岩屋ダム”経由で行きます
途中までは軽快に走れていましたが川沿いの道幅がさらに狭くなって来た辺りで
1台のバイクに追いつきました
どこかで追い越そうと思ってたらどうもそのバイクのペースが上がって来てるようです
こんな時は気をつけないといけません
後ろのワレワレを意識してるわけですから当然前方不注意になってるからです
案の定というか苔の生えた所を踏んだりと無理な最短ラインを取りだして
後ろから見てるととても危なげでハラハラでした
タイミングをみて追い越しましたが、iguが追い越し出来なかったので
抜いた後、すぐ追いつける距離を保ちながら走りましたが
なかなか抜かせてもらえず
県431との分岐まで来てしまいました
どうも先行しているワタクシが見えてる距離に居るからいけないのでは?
そう考えその後
国256へ出るまでは自分のペースで走りました
『こんだけ離れたらあきらめてiguを抜かさせてくれるかもしんない』
しかし、
国256[60-G7]で待ってたワタクシの次ぎに来たのは
やはりあのバイク…
iguはとうとう抜かさせてもらえませんでした…
この後ガソリン補給のため予定のルート変更して
国256を進み
国41のスタンドで給油がてら今後の打ち合わせ
もと来た道を戻って本来のルート通りに走っても良かったのですが
なんとなくこのままではかなり時間がかかりそうな気がして
少しショートカットすることにしました
『井尻』交差点[50-G2]から
地58〜
地80[50 -B5]〜
地81[49- L4]とガラッと変えました
しかし、この辺の
地方道は走り易くたまたまかも知れませんが
交通量も少ない為ハイペースで走ることができ
気が変わったワタクシはiguに黙って本来のルートに戻ろうと
途中で
地63[50-C4]へその後
県325を 曲がろうとしたとこ ろ…
標識に修正の後があり、
県325が消されてました…
またしてもオフィシャル的に削除された
県道です…
(ナビには県道として表示されていました)
いったい何が起きているのか?
もしかしたら最新のマップルでも消されてるのでしょうか?
『フェーズ3でもういいです...』(お変路ツーリング2日目参照)
と、言っていたiguを連れて真相を確かめに行くのは気兼ねするので
そのまま
地63を直進
県323[50-B1]で
国156へ 出ました
11:30になろうとしていたのでお昼時でお店が混む前にと
目に留まったラーメン屋で昼食としました
いわゆるラーメン屋っぽくなく微妙にあか抜けてた様な店構えに
先入観として味には期待してませんでしたが
ワタクシ達が入店した後、次々とお客さんが入って来るじゃありませんか
もしかしたら地元の人気店なのかも!
それより気になったのは開いたメニューに
“エヴァンゲリオン”の人気キャラが載っている事
店員さんたちは皆、ワタクシより年上と見られる方ばかり…
『この中に“エヴァンゲリオン”のファンが居るのか?』
ワタクシもこの歳になっても“アニメ”は好きですから
けっして“オタク”に対して偏見はもってないはず
しかし、店員の誰とも“エヴァンゲリオン”は被りません
(そもそも見た目で判断してること自体偏見かも〜?)
『きっと、息子か娘にメニューを作らせたら勝手に載せたんだろ…』
と、言い聞かせ納得することにしました
肝心の味の方はと言うとそこそこでした

【メニューを見ているのか?“レイ”を見ているのか?】
国156を北上し
国256を西に
いったん自宅方向とは逆方向に
まあ、しかし自分で言うのもなんですがキャンプ場から最短で帰れば
午前中の内に余裕で帰れる距離なのになぜに遠回り?
いつの間にかHeatHazeの方針というか精神というかになっていた遠回り
今となっては理由は定かではないですが多分、
目一杯走らないと『勿体ない』的な気持ちがあったからではないでしょうか?
それが今や風前の灯火
なんとかこの良き(悪しき?)伝統を継承していきたいものです
板取へ抜けるまでに
国256にはクネクネした道もあるので
どんなものかと期待してい ましたが
なんか真新しいトンネルができていて気がついたら美味しい所が終わっていました
時間的には短縮出来ましたがなんだか損したような得したような…
ワタクシとiguのマップルに工事中と表記してあった
“タラガトンネル”が開通したようです
今さら走り直すわけにも行きませんが早い時期にもう一度アタックします
こんなトンネルが出来てしまったら
国256の峠は
旧道として今後整備が滞りそうですからね
道の駅“
ラステンほらど”[49-H4]を通過し直進、
県196から
国418を西へ
ここまできたら後は“
温見峠”を越えるだけ
少し気持ちが軽くなってきたせいか痛恨のミスをしてしまった!
ご存知の通り
国418をまっすぐ西へ走ると
国157に ぶちあたります
そのまま
国157を北上すれば“温見峠”を越える事ができます
できればそうしたいくらいの命がけの難所なんですが
(ガードレールの無い崖っぷちの狭小路、『落ちたら死ぬ』の看板あり)
数年前から災害で通行止め…
残念ながら迂回して
県255[49-C2]から“
温見峠”を目指します
山に入ってしまったら飲み物が補給できなくなるので
どこかの自販機で買っていこうと思っていたのですが
記憶にあった自販機は稼働しておらず
水分補給なしで峠越えしなくてはいけなくなりました…
まあ、標高が高くなれば気温もさがるので
体感的に渇きは押さえられるかと思いましたが
とうとう疲れ果て福井側に入ってから
路肩にひっくり返って休憩するはめに…
しかし、若いiguは涼しい顔でワタクシが起き上がるのを待っています
『そろそろ体力的に厳しくなって来たのかな〜』

【こんなとこで力つきた…】
完全回復まで待っていたらそれこそ日が暮れてしまうので
なんとか立ち上がりバイクにまたがりました
バイクに乗るとそれほど辛く感じないから不思議です
“
麻那姫青少年旅行村”まで来ると大野市内までは走って楽しい道です
疲労はピークですがもったいないのでガンバって楽しみました
その後最初の自販機で飲み物を買って500mlを一気飲み!
更に十数分後にGSでまた飲み物500mlを一気飲み!
おなかの中はタプタプですがやっと渇きを癒すことができました…
後は谷峠経由で
道の駅瀬女に行くだけです
時間も驚異的な15:00頃という早さ
やはり二人だと行動が素早く自分でもビックリな時間帯です

【iguは思ったよりもタフネス!夜も…?】
気持ち的にもだいぶ安堵感が漂い谷峠を目を三角にする事無く走ってましたが
最後の試練がワタクシに与えられました!
もよおしてきたのです!
いくら喉が渇いていたとはいえ1,000mlもの水分は過剰でした!
すぐに膀胱が満タンになり
“
瀬女”まで後10数キロという所で限界に達しました
路面のわずかなギャップでも気を抜くと
漏らしてしまいそうな程シビアな状態
この期に及んでペースアップ!
後ろのiguから『いまさらなんで急ぐの?』的な視線を感じます
いつもはジェントルな走りを心がけているワタクシですが
今は峠小僧的バリのパッシングです!
どうにか間に合いトイレに駆け込むことができました…
その後、二人で写ってる写真が無かった事に気づき
最後に記念撮影して帰宅しました

【最近satsukeポーズが多い】
個人的に最後の最後まで気の抜けないツーリングとなりましたが
思い出を一人ではなく後日一緒に語らう仲間が居た事をうれしく思います
おわり

【本日の走行距離】