520スプロケットと428スプロケットの比較からコンバートを考える
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
520と428の比較になります。
Q, どちらが520でしょう?
A,
右 : 520スプロケット
左 : 428スプロケット
520>428 なので520の方がスペックが上という考えは間違いになってしまいます。
428の方が厚く、歯数も多い。
428の方が同じ駆動力を伝達する為の1つの歯に掛かる負荷が低くなる。したがって428の方が当たりがソフトになりジャラジャラしたフィーリングが発生し難い。
一転、520の方は薄く、歯数も少ない。
520は1つの歯に掛かる負荷が高くなるのでジャラジャラしたフィーリングが出易くなる。1コマ当たりのチェーンの曲げが大きくなるので曲げ速度が上昇して発熱の点でも不利。寿命は言わずもがな。
但し、スプロケットが薄く、それでも一時的な強度には問題は無く、薄い分が軽量化になるのでバネ下の重量の軽減になる。特に520のスプロケットはアルミで作成したりします。
2
428 鉄スプロケット
978g
3
520 アルミスプロケット
229g
細くして、歯数を少なくして、材質をアルミに変更して、 749gの軽量化。部品単体で考えると物凄い軽量化。
劇的変化が体感できると思ってしまうけれど、、、
4
リアホイール、タイヤ、リアブレーキ、アルミスプロケット装着。Assy重量は、16.1kg
スプロケット軽量化でのバネ下重量軽量化への寄与率はホイールAssyで考えると5%未満。鉄のスイングアームの重量を考慮すると寄与率はさらに低下。
バネ下重量を簡単に言うと、
・428鉄スプロケット装着で16.9kg
・520アルミスプロケット装着で16.1kg
※スイングアームの重量除く
ストリート〜ワインディングでは、恩恵を感じる事はまず無い。
バネ下の重量軽減はスプロケットだけでなんとかは成ら無い。。
軽量化としてはこんな感じ。
5
520チェーンはリンク数が少なくなるので軽量。という話は本当なのか?
誰もちゃんと計量や計算をしていないので確認してみました。
520チェーン100リンクの重量(EKのHPより)
・SRX2 1,570g
520チェーンの104リンクの重量を計算
・1570×1.04 = 1632.8g
428チェーン100リンクの重量(EKのHPより)
・ZVX 1,150g
428チェーンの130リンクの重量
・1150×1.30 = 1,495g
1,495g - 1632.8g = -137.8g
結論、
428チェーンの方がコマ数が多くなってもSR400/500に使用する長さでは137.8g、率にして8.4%相当軽量。
520チェーンはコマ数が少なくなるので軽量と言うのはどこから流れてきたのか?誤った情報でした。。
チェーンは高速で動くパーツなので重量差はとても体感しやすいそうです。
520チェーンが重たい理由は、プレート自体が大きいのと、強度のために厚く設定されているのと、ローラーの外径が太くなっている為。簡単に言うと丈夫なので重たい。パワーでの破断を考えると、520の方が428よりも1.5倍強く出来ている。
520は破断強度が高くなっているのでサーキットでも排気量の大きいSSバイクが520にコンバートしている。
だけれども、SR400/500はトルクが細く、250cc専用チェーンも使用が可能な程なので、(EKさんに電話口で強度計算して確認して頂いた。500ccでも250cc用チェーンの使用OK) 520はオーバースペックで重いが、スプロケットは軽量となる。
6
結論、
520チェーン
・オーバースペック
・相対的に重い
・細い
・スプロケットは軽量
428チェーン
・適正スペック
・相対的に軽い
・太い
・1歯当たりの負荷が低くなりチェーンとスプロケットの当たりが弱まるので、フィーリングが良好
SR400/500にとって、520最大の利点は、
・スプロケットのT数の選択肢が多い。
・アルミスプロケットのアルマイトがカラフル
ギア比を変更したい場合は520にコンバートするしか無い。そんな現状ですね。
7
オーバースペックになってしまう520チェーンでも、昨今の小排気量250ccブームに対応した、軽量化&低フリクションに振った特殊な520チェーンという物があります。
それは EKの 520LMX です。SR500にも使用可能です。
↓ ↓ ↓
https://www.enuma.co.jp/product/motor/entry-235.html
Oリングの薄肉化とプレート厚の最適化でピン長さの短縮を行いチェーンの総幅も細く軽量になっている様です。軸径に変更が無いみたいなので低フリクション化はNXリングによる所が大きいのかな?520はチェーンの屈曲が大きくなるのでフリクションの低下は結果に大きく作用します。
EKのチェーンはわりと細かい所までSPECが公表されていて好感が持てます。
LMXは520でありながら100リンクで1,390gなので104リンクで1,445.6gになり、比較的に軽量な428ZVXよりも更に50g軽量な仕上がり、同じ520どうしのSRX2との比較では -187.2g、率にして 11.5% もの軽量化になっています。
・520SRX2. QX. 104リンク. 1632.8g.
・428ZVX. NX. 130リンク. 1,495g.
・520LMX. NX. 104リンク. 1,445.6g.
チェーンの寿命は強度が影響するのでは無くて、シール性能が尽きる時がチェーンの寿命となっています。シールが尽きるまでは封入されたグリスでの潤滑が機能するので、強度=寿命 ではありません。コレは頭で理解出来てもなかなか強度に劣るチェーンを選択するのは難しいかな?強度はギリギリまで落として、重量やフリクションを選んだ方がフィーリングを含めて性能的には上に成るんですけどね。過剰な強度は重量が嵩みフリクションが増大するだけでメリットなしです。
520LMXはNXリングが採用されているので、520SRX2のQXリングよりも高寿命。
SR400/500での520コンバートでは、薄型軽量のスプロケットにオーバースペックにならない軽量な520LMXチェーンを組み合わせるとイメージ通りの「軽量&高性能&良フィーリング」な組み合わせとする事が出来ます。
私の密かなオススメ品(使ってみたい品)です。
※当然428のままの方がフィーリングは良い筈です。
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