6月21日(土)Eテレ 午後10時~11時アンコール!
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「上原ひろみ×石塚真一」
世界的ピアニスト上原ひろみと、ジャズ漫画という新境地に挑む「岳」の漫画家石塚真一。指先に魂を込める2人の熱血トーク!目にも止まらぬ超絶技巧、人生を変える感動!
世界の巨匠たちをうならせる上原ひろみの演奏の秘密とは?音の出せない漫画でジャズを描くことに挑んでいる漫画家石塚真一が、徹夜で準備した質問メモを握りしめ、数々の伝説に彩られた天才ピアニストの実像に迫っていく。一方、20代半ばまで漫画家になるとは考えてもみなかったという石塚がデビュー作「岳」から大ヒットを飛ばし続ける理由とは?上原が石塚マンガの力に独自の視点で迫る。2人の異色セッションは意外な展開に!
【出演】ピアニスト…上原ひろみ,漫画家…石塚真一,矢野顕子,【語り】吉田羊,六角精児
放送内容のまとめサイトさま
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「上原ひろみ×石塚真一」 2014.06.21より転載させていただきます。
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「上原ひろみ×石塚真一」 2014.06.21
山を舞台に時に生々しい命のやり取りを描いたマンガ「岳」。
山岳救助ボランティアの主人公島崎三歩は遭難者を決して責めずどんな時にもよく頑張ったと励まし続ける。
極限の世界での人間模様を描いた「岳」は発行部数450万部を突破。
第1回マンガ大賞などを受賞している。
なぜ山に登るのかを描いた漫画家石塚真一が次に選んだ題材は…音が出せないマンガで音楽を描く事に挑んでいる。
楽譜も読めない普通の高校生が世界一のサックスプレーヤーを目指していくジャズ青春物語だ。
そんな石塚がマンガを描き進める上でどうしても会いたいミュージシャンがいる。
デビューしたぐらいの時からもう本当すごい…何でこんな事ができるんだろうなっていう…。
超絶技巧を駆使したエネルギッシュな演奏は見る者全てをとりこにする。
世界各地で年間150回以上行うライブは常に満員。
自ら作曲も行い参加アルバムがグラミー賞を受賞するなどワールドワイドに活躍している。
世界一のプレーヤーというものがどういうものか分からないですけども僕は…連載の締め切りの合間を縫ってやって来ました東京・南青山。
なかなかない事なので…。
ここはアメリカ・ニューヨークに本店がある名門ジャズクラブ。
(ピアノ)憧れの人とついにご対面。
いらっしゃいませ。
いや〜ちょっと…今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
世界的ピアニストと漫画家。
指先に魂を込める2人の達人が今宵スイングする。
「何これ?」って思うような演奏。
音に連れられていくようにわ〜って弾けたりとか。
でもあれは…よくいわれる話なんですけど主人公は人格を持っていますねやっぱり。
僕じゃない人格を持ってて…「ワッハッハ!」っていう時あるんですか?今ハイタッチしたいですね。
上原さんの手に僕は本当に興味があってどういうふうに…ライブで見せて頂いた時もまずまあ特に…そんな事ない見えますよ。
えっ?いや見えてない見えてない。
絶対見えてないです。
いや見えてないのでちょっと今日手を見せて頂いてもいいですかね?どうぞ。
いいですか?そうですか。
この手が何だかハンマーより硬いといううわさがあるんですが…。
ここの肉がやっぱり手羽みたい…。
これ?すごい!すごいっすねこれ!ここ触ると筋肉ありますね。
うわっ。
ここにもあります。
なるほど!つる事はないですね。
ない?へえ〜。
ずっとこう弾いてるのでここに肉がたまっちゃって…。
ちょっといいですか?これ押して…。
ここでいつも弾くじゃないですかだからここにこう何か余った肉がここにこうたまっちゃうんですよね。
だからちょっと変な形…。
何も何か無駄がないというか…。
すいません。
そういう表現しかできないんですけど…。
ふだんどういう練習…段取りを踏むんですか?日によるんですけどやっぱり…なかなか意思疎通をするまでは時間がかかるんですね。
そうですね。
例えばギターだったり管楽器みたいに…まずは何かこう弾いて…まずは挨拶代わりに上原から即興演奏のプレゼント。
実は石塚アメリカ留学中に本場のジャズにどっぷりハマりそれ以来筋金入りのジャズ好きなのだ。
(拍手)ありがとうございました。
上原さん天才伝説っていう事がよくいわれているんですけども。
フフッ何?よくいわれてないです。
あっいわれてないですか?いやいやよく聞きます僕は。
そうですか。
僕ちょっと質問したい事がたくさんあり過ぎてそのいくつかを書いてきたんですが質問してもいいですかね?はい。
すみません。
石塚は徹夜で質問メモを準備してくる気合いの入れよう。
上原の記事を読み込みCDを聴いていたらいつの間にか夜が明けていたのだという。
まずは「高校の同級生泣かせ事件」から。
高校時代にねすごい真剣だったと。
文化祭だったのか家に友達集めてねお友達の女の子がピアノをねちょっと教えてほしいと言って上原さんに指導を願ったと。
はい。
そしたら何か泣き出してしまったという…。
そうですね。
そういう意味では…それが文化祭だろうが合唱大会だろうが…だからそれについてこれないクラスメートとかまあかなり迷惑をかけたと思いますよ。
高校で一緒に…よくつきあってくれたいい友達たち…。
何でこんなに言われなきゃいけないんだろうとか。
そうですよね。
何か合唱大会とかやるとソリストみたいな子が3人ぐらいいたりする曲とかあるじゃないですか。
はいはい。
ありますね。
その3人のソリストの子を…「ハ〜」とかいうのとか…誰にも頼まれてないし。
そのレッスンも自分で作ってたの?そうですね。
大迷惑ですね。
昼休みとか何かロビーにピアノがあったんでそこでピアノを弾いていてその時にはやっている曲とかCMの曲とかを何かみんなで集まって聴く中で弾いたりとかはしてましたね。
中高と音楽というものに自分ほど興味がある人は周りにそんなにいなかったので例えば自分が技術的に何か少しハイレベルな事ができたりとかこのコードでこういうスケールが弾けるようになっただとかは彼らには関係がない事。
つまり…やっぱり昼休みとか演奏してて…「何か来た!何か心に来た」という事しかやっぱりないんだなっていう。
そこっていうのはやっぱり自分のこれから続いていく…伝わるかどうか…。
うん。
上原がピアノを始めたのは6歳の時。
6つ上の兄にくっついて町のピアノ教室に通い始めた。
プロを目指したのはいくつぐらいだったんですか?結構早いですよね。
それを12歳で思うっていうのは…。
そこから揺らがないというのは…。
周りの友達とかには言ったりしたんですか?その時点で。
みんな多分そうなるだろうと思ってるぐらい私がピアノばっかり弾いてたのでピアノを弾かない私が多分あまり想像できなかったと思います。
プロになる事に対しての後押し…今まですごい大事だった出会いっていうのは?この人がいなかったら…。
自分が今ここにあるっていう自分が今どうしてこれをやっているのかとかもちろん自分自身の音楽が好きだっていう音楽に対する情熱だったりドライブもあるけれどやっぱり一番最初に出会ったピアノの先生がまあ普通のクラシックのピアノの先生でしたけどいろんな音楽を分け隔てなく聴く方だった。
もちろんジャズのLPもお聴きになるし車に乗ったらジャクソン5がかかってて「週末はアル・ジャロウのコンサートに行くの」みたいな方だったんですね。
そういう先生に教えられてきたという出会いがすごく大きいし。
どんなレッスンをされてたんですか?実際。
すごいテンションが高い先生で多分エネルギーレベルがものすごく高い方だと思うんですね。
カンタービレっていう言葉が歌うようにっていう事だけど先生は歌っている人の絵を描くんですよ楽譜に。
それはやっぱり視覚的に分かったりとかあとは例えばフォルティッシモっていうのはすごく力強く。
ピアニッシモっていうのはすごく優しくとかデリケートに。
そういうのも色鉛筆で真っ赤にフォルティッシモを塗ったり…。
強いぞと。
水色でピアニッシモを塗ったりする事で…もう何かエモーショナルの塊みたいな方でしたからそういう方とやっぱり幼少期に出会えたっていうのがすごく大きいと思いますね。
上原は17歳の時偶然巨匠チック・コリアの前で演奏する機会を得る。
あまりの才能に驚いたチックはなんと翌日の自分のコンサートで上原を急きょ舞台に上げた。
奇跡の共演だった。
それぐらいの衝撃があって今思い起こしても…「あ〜!」と思って…。
「聞く力」ってどういう事ですか?その言葉の選び方というのにもその人柄が出るし…もう本当会話ですよねそれはね。
そう。
17歳の初共演から10年後上原は再びチック・コリアと舞台に立った。
聞く力答える力はどこまで養われたのか?上原にとっては自分の成長を確認する絶好の機会になった。
チックは演奏後上原にアルバムの制作をオファーする。
チックが一緒にアルバムを作ろうって言って下さってその時はもう廊下に出て100mダッシュみたいな感じで本当にうれしかったですよ。
その時はすごい十分音楽の会話を楽しんだっていう感じはあったんですか?やっぱり演奏していて…10年前よりは。
野球で言ったら…。
そう。
種類が増えたっていうか向こうが投げかけてくる事に対しての反応の速さとかそういうものもやっぱり自分で増えたっていうのを感じたし。
上原を世界に送り出したもう一つの出会いがある。
ジャズ界の帝王マイルス・デイビスが「最も好きなピアニスト」と公言し共演をオファーし続けた伝説の男。
デビュー前にイタリアのウンブリア・ジャズフェスティバルというのに初めて出て私がオープニングアクトでアーマッドがメインでやるっていうセットだったんですね。
すごく客層とか来てる評論家の方たちがトラディショナルっていう伝統を大事にするという感じの客層で…私は立ってキーボード弾いたりしてるっていう…。
そういう何かすごいアウェー感がある感じだったんですけどもう私はそこで演奏できる事がうれしかったしアーマッドのオープニングをできる事もうれしかったのでやれる事は全部やって喜んで下さったお客さんももちろんたくさんいたんだけどアーマッドにその時に…それは結構大事な言葉ですよね。
オスカー・ピーターソンチックもそうだしスタンリーもそうだし…。
それはもうみんなそろってそのポイントは絶対言う…?「ひろみはひろみのままでいいぞ」と?そう。
「とにかくやり続ける事しかない」という事をすごく言ってもらえてそれから5〜6年ぐらいたってブルーノートの公演にアーマッドが来て下さった時にスタンディングオベーションになっている会場にちょうどアーマッドもいてアーマッドもスタンディングオベーションしてくれて終わった時にお客さんを見てアーマッドが…それがやっぱり自分がいつも対じしなきゃいけない事で自分がこれが正しいこれが自分がやりたい事伝えたい事そこにブレがない限りやり続けた者勝ちだよって事を私がずっと出会ってきたその…。
ジャイアンツというか…?ジャイアンツがみんな言ってたので…。
ニューヨークを拠点に活躍する矢野顕子。
上原とは10年前から何度も共演している。
それには自分が…石塚真一が連載中の…サックスに魅せられた主人公もまたさまざまな人との出会いを通じジャズプレーヤーの道を突き進んでいく。
そういう出会いを生んできた…あります。
自分のタイミングだったりすごく準備ができていたり努力が実った時にさっと捕まえられるのかなと思ったりするんですけど…。
何か上原さんの進み方は
全て「やる」を選んできてるような印象なんですよね僕は。
何となく。
こう
選択肢があった時に迷わずやってきた人のイメージがあるんですけど…。
あとはもう
とにかく自分の全力を尽くしてそれで伝わらなかったらしょうがないぐらいの気持ちでいいんだっていう…。
上原は自らをバックパッカーピアニストと呼ぶ。
ライブの本数は毎年100都市150回以上に上る。
南米からアフリカヨーロッパまで世界中でファンが待っている。
(拍手と歓声)上原ひろみにとってライブとは…。
毎年やってくるツアーライブの数をこなす事なのか…その時念頭に置くのは?そこにやっぱり自分がどれだけの気持ちを持っていけてどれだけの演奏ができるかという事が全てなので私はやっぱり年間何本あるうちの一本ではなくて…毎日が初日で千秋楽だという気持ちで臨みたいと思っているし実際そうなんですよね。
一本一本に全開で行って伝わって…。
伝わる実感の差ってあるんですか?やっぱり自分がその日にどこまでの演奏ができるかってやってみないと分からないんですよね。
表現のしかたがやっぱり国とか町とか場所で違うので…。
それすごい興味あるんですけど。
同じ町でもこういうクラブ環境で聴くのとコンサートホールで聴くのと野外フェスで聴くのは全然違うので。
プレーヤーたちが?そうです。
演奏してて「あっ何これ?」と思うような演奏。
どういうふうな感じになるんですか?それというのは。
分からないんですよね〜。
どういうふうにどういうタイミングで出てくるのか。
ただ自分が…その自分が生み出したフレーズと自分と一緒にやってるミュージシャンのフレーズがガチッと合ったり…。
それ瞬間的なものかな?それとも結構続くの?「合ったぞ合ったぞ!」ってなった場合は。
昔のアニメでいう合体みたいなどんどんでかくなってくみたいな。
どんどんどんどん「できた〜!」みたいな「ワォ!」っていう瞬間がやっぱりバンドでやってるとあったりして。
でもあれは…何か音楽の神様みたいなものがあって「今日はほほ笑んでくれた」みたいな。
それはもうだから一度起こったやつは「また次だ!」という?そうですね。
来週かもしれないし。
しばらく起こんないなという事もあるんですか?ありますよ〜。
分かんないもんですね。
見てると全て僕の中ではこう合ってるイメージなんですけど上原さんの演奏を聴いてると。
でも私たちいつもここからの伸びしろを求めてるんです。
なるほど。
毎回?うん。
自分たちがまだ見た事がない世界とか聞いた事がない音を求めていてそれが何か大放出みたいな日があるんです。
時々。
本当ね僕が上原さん見てると何か普通の人間ができる事のマキシマムの所にいるようなイメージなんですよね。
デビューしてから11年振り返って一年一年これ以上できなかったっていう自負はある。
これ以上の仕事はできなかったし
いつも限界までやってきたという自負はあります。
自分の中でですけど
自分の精いっぱいっていう自分の限界には常にチャレンジしてきたのでそこについてきたご褒美だったりすごく運命的な出会いだったりというのはありますよね。
でもそういう上原さんですらまだまだなんですか?だってアーマッドがまだまだって言いますもん。
その辺が分からないですね。
でもアーマッド実際私出会ったの70代で今80代ですけどこの知ってる10年の間でどんどんよくなるんです。
あの年で。
80歳ですよね?そう。
「自分のアルバムで一番好きなアルバムは何?」っていう質問に対して「NextOne」って言うんです。
かっけえ!かっこいいっすねそれは。
それぐらいいつも…ここで石塚からの熱烈なリクエストに応え最新アルバムから1曲披露。
自ら作曲した「SEEKER」探求者という意味だ。
常に何かを探し求めてきた上原の生き方を象徴するタイトルだ。
(拍手)
後半は舞台をスイッチ。
石塚真一の最新作…一人の高校生がある日偶然聴いたジャズに衝撃を受けサックスを手に取り練習を始める。
楽譜も読めないほかの楽器に触った事もないが夢は大きい。
晴れた日は河原で雨の日はトンネルの中で来る日も来る日も吹き続ける。
独学で磨いた音がやがてさまざまな人に認められ夢が動き始める。
ジャズに魅せられた高校生の青春物語だ。
主人公に深く共鳴したという上原ひろみが石塚の仕事場を訪ねる。
私も石塚さんも好きな事を仕事にしていてものを作り出すというのか…私は音楽で石塚さんはマンガを描くという事なんですけど…私はここまでにこれだけの曲を作らなきゃいけないとか…それってどういう気持ちなのかなというのすごく興味ありますね。
石塚の仕事場があるのは千葉県のベッドタウン我孫子市内。
ピンポ〜ン。
楽しみ。
いやいや〜どうもどうも。
お邪魔しま〜す。
遠路すいません。
ようこそいらっしゃいませ。
こちらです。
是非入って下さい。
お邪魔しま〜す。
スタッフたちです。
こんにちは。
上原です。
失礼します。
上原ひろみさんです。
上原です。
こんにちは〜。
こんにちは〜。
今…僕入れて4人体制でやっててあっちが僕の机になるんですけど…。
僕がやる事は設計図…ネームといわれてるものなんですけどこれを描いていくんですよね。
ネームって言葉は聞いた事あります。
ありますか?「ネームよろしくね」って言われて…下書きの事ですか。
そうですね。
これを基に組み立てていくんですけど作業の中で僕は…それは何かこう…そう!そうそう…そうですね。
これからこっちにするのはまあ絵をよくしていくっていう作業なんですけど1にしている感じはやっぱり僕の中ではネームの作業ですかね〜。
一日のスケジュールってどんな感じですか?僕は8時間までっていうふうに考えていますので。
絵が集中して描ける時間だったら多分12時間ぐらいだと思うんですけどよっぽど描けたとしても8時間なんで…10時から…。
僕も以前は徹夜したんですよ。
でもちょっと…クオリティーの方が大事なんで。
だから日数がかかるんですけどちょっと時間を落として今は8時間までにしようねという事でやってるんですよ。
まあそれでもなんとかできてるかなっていうとこです。
すごいな〜。
いやいや…。
そうですか?もう何かすごい幸せな気持ちです。
なるほど。
ここ結構…マンガとか私読んでても静かに読めないです。
えっ?どういう事ですか?こう何か…。
「ワッハッハ!」っていう時あるんですか?「お父さ〜ん!」とか言っちゃう…。
「お兄ちゃ〜ん!」とか。
熱っ!言わないですかね?普通。
「あ〜!」とか「きた〜っ!」とか言っちゃう…。
「きた〜っ!」みたいな。
「きた〜っ!」って。
それ本当に声出ちゃうんですか?「あ〜いい演奏だった!」とか。
へえ〜。
言っちゃう…。
音が出せないマンガでいかに音楽を表現するか。
石塚にとって「BLUEGIANT」は新たな挑戦でもある。
主人公の出す音色そこに込められた気持ち。
石塚は絵によって読者に届けようとする。
すごい…河原で練習してる時もトンネルの時も私はそういう所でどういう音がするかというのがやっぱり想像がつくのでだから…そうですか。
よし!うれしいな。
何か…すごく何て言うんだろ…。
剣道とかでいったらずっと竹刀振ってる感じなんだけど。
不思議なもんです。
吹いてる絵は疲れるんだと。
でもそれは実感として原稿あがった時に渡す時にちょっとよかったって。
疲れてないよりは。
これだけ何か疲れたなって。
熱を出したなというのを感じるぐらいしかないですよね。
吹いてて「もっともっと」っていう…。
よく「もっと」って言うじゃないですか。
私あの言葉…もっといける。
もっとできる。
「もっともっと」って自分に対してすごくハッパをかける。
だからすごい共感して。
今ハイタッチしたいですね。
ハハハハッ。
マンガ一度もない100点。
描いてて。
次いやいやいやいやいやもっともっと。
いやいやこんなんじゃない。
もっともっといくぞっていうところだけでやってますね。
熱量ものすごい高く…。
ハハハッ。
抑え…。
今日ちょっと熱くなっちゃいましたけど上原さんに会ってうれしくて。
隠す方なんですけど…石塚の長編デビュー作「岳」。
山岳救助ボランティアの目を通して山に魅せられ山に生きる人々の姿を描く。
1話完結形式のヒューマンストーリーだ。
山のマンガの時も熱量の出し方は読み切りと続いていくじゃないですか。
すごい長い一人というか何人かの人生を追っていくんで。
「岳」の時は結構熱量「ポンポン」って感じなんですよね。
1話ずつ「ポンポン」。
結構強めですけど「BLUEGIANT」はすご〜く抑えて…。
だけど
内なる熱量をすごく長い旅になってほしいんですよね。
ものすごく長い旅になってほしいんで。
だから抑えながら抑えながらだけどグルグルグルグルやりながら。
すごい情熱的な方だなと思いました。
若い人たちと話した時に「おじさん熱いね」みたいな事がすごい起こって。
それで今度やった方がいい理由とかを言い始めるんですよね。
延々飲み屋で言ったりするんです僕。
バーテンダーの人なんか来て「熱いっすね!」って言われる事が多くて。
「あっ熱くなってた。
いかん」っていう…。
熱くあるぐらいだとすごいうれしいんですよね。
そういうのは見たくって…その人とかその事に対する…そうですよね。
やるといろんな事が起きますもんね。
そういう石塚も自分探しの時期が長かった。
やりたい事が見つからず23歳でアメリカに留学。
その時出会ったのが山登りとジャズ。
漫画家になるとは夢にも思っていなかった。
「MASTERキートン」?そう。
そん時は結構すごいなって思ったんですよ。
近所で知り合いで…いくつの時?それが22〜23とかですかね。
なんとか一人だいぶ遅れて大学というものを出たんですが…その時に初めて漫画家っていう…。
これはすごく重大な出来事として捉えておいた方がいいなと思いましたね。
上原さんで人生変わったって人いっぱいいるんじゃないですか。
直接知らないですか?私ピアノ今日から始めるみたいな。
お手紙はでもやっぱり頂いたりします。
そこ結構キーですよね。
もうすごくうれしいし。
「山登り始めました」。
赤ちゃん連れてきた時は本当にどうしようかなと思ったんですけど…。
でも「あっ携わっちゃった」って気持ちもあるんですけどその後の人生に。
そうやってやって今度は責任感が僕の中に相当1人ずつ集めていくともしかしたら結構僕はもうどんどん熱量を高めていく以外ない道に入れたっていう喜びもあるんですけどね。
でもマンガを毎週描いてて私とか曲を書くのにこの日までに仕上げて下さいとかそういうふうに決まりはないじゃないですか。
でもそれは早いっていうのがあるんじゃないですか。
その前に前に前に前に…。
いや全然。
アルバムを出すタイミングとかも別に誰に言われる訳でもないし自分で今出したいと思ったタイミングで曲を書いてっていう…。
本当に自分のペースなんですよね。
でも毎週締め切りがあるっていう中で作品を描いていくっていうのはどんな…。
僕の場合2週に一遍なんですよ。
隔週で出してる雑誌なんで。
もういっぱいいっぱい。
2週に一遍が。
ない方がいいなと思いますか?2か月一遍でやってた時があるんですけど…。
そっちがよかったかなって思う時もあります。
すごく時間あるんですよ。
何度でも練り直せるし。
それこそパーセンテージで言ったら…よく分かんないんですよねそこは。
物語を描いてて…決まってないんですね。
全く決まってないですね。
「岳」の時もう〜ん…。
最後の方はこういうふうになるだろうっていうのが見えたんですけど。
上原が心を揺さぶられたという「岳」のクライマックス。
主人公島崎三歩は長年の夢だったヒマラヤに向かう。
しかし天候が急速に悪化。
三歩は友人が率いるエベレスト登頂パーティーの救出に向かう。
絶望的な状況の中三歩は超人的な動きで次々に生存者を救出するが…。
やがて体に異変が。
高度障害の症状が出始めたのだ。
それでも立ち上がり救出に向かおうとする三歩は…。
ベースキャンプからの呼びかけにも意味不明な応答をするようになる。
意識が朦朧とする中三歩の瞳に映し出されたのは…。
現実か幻か晴れ渡るヒマラヤの絶景だった。
2ページ見開きで山の山頂の所に三歩さんがいる。
そのページすごい止まったのを覚えていて…。
「止めたかよし!」みたいなちょっと思ってるんですけど。
そういうのって…止まっちゃうじゃないですか。
でも自分の中では時間が流れていてそこが…そういうのってやっぱり自分で描いてて最初にはできなかった事が14巻描いてきたからこの絵が描けたみたいなのってあるんですか?だから「岳」の1巻の頃とか自分で見るとやっぱり下手なんですよね。
描き始めの頃ってみんな誰でもそうなんですけど「うわ…下手だな」って思うんですよ。
だけどささげてるっていう感じが出てるんですよね。
うまい下手だけじゃないところがあってうまくなる事をすごい肯定しつつも気を付けなきゃいけないなと思うんですよね。
慣れた動きが身についてくるんで。
ある絵に止めてもらうっていう話で言うとこの目を読者全員多分違って…。
そうですよね。
そうなんですよね。
そういうのって私は演奏したらお客さんがそこにいてくれてすぐ反応が分かるじゃないですか。
でも目の前で読まれる訳ではないじゃないですか読者の方が。
ライブがあったらすごいですけどね。
ここに僕が座っててずっと僕が見てられるというのがあったら一度ちょっと見てみたい気がするんですが…。
ライブリーディングみたいな。
僕の場合は…いやすごい伝わってくると思う。
その時に絶対に…それあってほしいなってすごい思うんですけど…。
そこかな?そこが大事ですねとっても。
だからこそ自分のお子さんに三歩って名前付けたりとかそういう事が起こるんですよ。
つながったんでしょうね。
絶対つながってるんですよ。
つながってなかったらそんな事は絶対起こりえないから。
ある意味…印刷されたものが全国津々浦々行ってそこで読んだ人がつながってる訳だから。
すごい不思議ですねそれ。
会った事ない人が。
いいな何か。
マンガやって本当によかったっすね俺。
調子づいてきた石塚。
憧れのピアニスト上原ひろみに恐る恐る出演交渉?ジャズじゃなくても…その辺はやっぱり描いてもいいですかじゃなくて…。
あっそっか上原さんに聞いてもしょうがないなそれは。
見えないっすよあれは。
スーパースローとかで撮られた事ってあります?ないです。
上原が石塚のマンガに登場する日は近いかも?
2014/06/21(土) 22:00〜23:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「上原ひろみ×石塚真一」[字]
世界的ピアニスト上原ひろみと、ジャズ漫画という新境地に挑む「岳」の漫画家石塚真一。指先に魂を込める2人の熱血トーク!目にも止まらぬ超絶技巧、人生を変える感動!
番組内容
世界の巨匠たちをうならせる上原ひろみの演奏の秘密とは?音の出せない漫画でジャズを描くことに挑んでいる漫画家石塚真一が、徹夜で準備した質問メモを握りしめ、数々の伝説に彩られた天才ピアニストの実像に迫っていく。一方、20代半ばまで漫画家になるとは考えてもみなかったという石塚がデビュー作「岳」から大ヒットを飛ばし続ける理由とは?上原が石塚マンガの力に独自の視点で迫る。2人の異色セッションは意外な展開に!
出演者
【出演】ピアニスト…上原ひろみ,漫画家…石塚真一,矢野顕子,【語り】吉田羊,六角精児
<以上、
archive.is webpage capture より転載させていただきました>