西日本の豪雨災害、北海道胆振東部地震により、被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
また、犠牲になられた方々とご遺族の皆様には謹んでお悔やみ申し上げます。
最近の日本は、今後どうなってしまうのかと思うほど異常な気象や災害が続き、各地で甚大な被害が出ておりますが、首都圏在住の我々も、いつ同じような状況になってもおかしくありませんので、日頃から災害への心構えと備えは万全にしておきたいと思う今日この頃です。
さて、表題のとおり、先日、北海道旅行に行ってまいりました。
随分前から計画していたのですが、出発直前に胆振東部地震が発生したときは、被害の大きさを目の当たりにし、中止も検討しました。
その後、ニュースで「北海道全体が震災の被害に遭っているようなイメージがついてしまい、北海道の各地で観光客が激減している。」との報道を目にしました。
そのニュースの中で、あるホテルの支配人の方が「うちは安全ですので、ぜひお越しください。」とメッセージを送っているのを見て、被害に遭われた方々に対する後ろめたさと葛藤した末、予定どおり旅行を決行することにしました。
出発ぎりぎりまで発電所の状況が改善しなかったため、正直、迷いましたが、出発直前になって、発電所のうちの1機が再稼働するという報道があり、札幌の夜の街に灯りが戻った映像を見て決心しました。
また、予約していた宿泊先からも特に連絡がなかったため、おそらく地震の影響はほとんどないのだろうと推測でき、これでキャンセルすれば、先のニュースのホテルのように観光業がダメージを受ける結果を招いてしまうという懸念もありましたので、多少のリスクは承知のうえでお邪魔させていただくことにしました。
ボランティア活動などに貢献できれば一番良いのですが、全員が一部の作業に集中するよりもそれぞれの役割を果たす方が効率的ではないか、などと都合の良い解釈をしつつ、我々はお金を落とすことにより復興に貢献できればと思うことで良心の呵責に苦しまないようにしました。
というわけで、長々と言い訳めいたことを書いたところで本題に入りたいと思います。
今回の旅行は、「ワンコと一緒に北海道に行く」というのがメインテーマなので、どうやって犬を北海道に運ぶか?がまず課題になりました。
飛行機で移動した後、向こうでレンタカーを借りて旅行するというのが時間的に最も効率的なのですが、ロッタ一人を荷室に預けるということに不安があったことと、個人的に「マイカーで北海道を走る」という野望が以前から少しだけあったので、この機会に実現してみようと思い、車ごとフェリーで行くことにしました。
北海道内での移動も、慣れた車ならロッタの負担も少しは軽くなるかな?なんて思いつつ、時間も費用もかかりますが、こういう機会でもないと、普段、フェリーなんて利用しませんので、これはこれで良い経験になるのではないかと前向きに考えながら、旅行のスケジュールを組みました。
今回利用するフェリーは
商船三井フェリーの「
さんふらわあ」です。
さんふらわあと言えば、機動警察パトレイバーのOVA第6話「二課の一番長い日(後編)」で初めてその名を耳にし、その後、その名称が実際にある船の名前であることを知って驚いたぐらいの認識しかなかった私ですが、今回、奇くもそのさんふらわあに乗船することになり、個人的にかなり楽しみにしておりました。
また、フェリー自体、幼少の頃に親と乗って以来の利用になりますので、だいぶ昔のことながら「あまり揺れなかった」という記憶があり、船酔いもそれほど懸念しておりませんでした。(元々、私は船の揺れには強いので。)
しかし、このフェリーでの移動には我が家ならではの懸念材料があり、そこをクリアできるのかどうかは実際に乗船するまでわかりませんでした。
その懸念材料とは、ズバリ「車高」です。
そう、我が家のRX-8はご存知(?)のとおり、車高を下げたあげくエアロパーツを装着しているという、いわゆる「シャコタン」なのです。
フェリーのホームページには「お車の形状や当日の潮位・港内波浪状況 並びに本船の状態等により、場合によってはご乗船できない事もございます。」とだけ記載されていて、地上から何cmなら乗船可能などの具体的な情報は特に記載されていません。
事前の乗船テストができないので、私に限らず、初めてフェリーを利用するシャコタンのみなさんは「当たって砕けろ」精神で臨むことになります。
ちなみに、うちのRX-8のエアロ下端から地面までは約12cmです。
サスは、マツダのオフィシャルアフターパーツメーカーであるAUTOEXE推奨の下げ幅なので、そこまで激しく下がっているわけではありませんが、街中のちょっとした段差や傾斜でエアロを擦ることはよくあります。
「まぁ、割れたら割れたで…」と腹を括り、乗船場所である大洗港へと向かいました。
今回利用するのは、19:45大洗発苫小牧行の便です。
夜出航なので、自宅を昼頃に出れば間に合う計算になり、ゆっくり準備ができました。
また、連休初日で最も混雑する時間帯を避けて移動できましたので、夜出航というのはなかなか使いやすいなと思いました。
出発の2日前ぐらいに商船三井フェリーからメールが届き、「出航の1時間前ぐらいから車を積み始めるので、乗船手続きは出航時刻の2時間前ぐらいまでに済ませてくれ」との案内がありました。
というわけで、大洗にある商船三井フェリーに16:00過ぎに到着。
すでに乗船手続きの窓口には数組の乗客が列を作っており、我々もその列の後ろに並んで手続きを待ちます。
建物内のあちこちにガルパンの幟やらパネルやらが設置されており、大洗町がアニメで町興しをしていることがひしひしと伝わってきます。(私は作品の内容もキャラ名も存じ上げませんが…)
そんなガルパンのパネルを見ながら待つこと十数分、ついに我々が手続きをする番になりました。
まず、予約状況の確認をした後、「ペット同伴のご乗船に関する誓約書」の提出を求められます。
我々は事前に印刷して記入した状態で持って行ったので、その場で提出して終わりでしたが、用紙の準備をしていない場合は、その場で記入するよう求められます。
その後、車検証の確認をして、車の改造の有無を確認されます。
うちのRX-8は車高が下がっているので、その旨を伝えると「車高が低い場合、乗船の順番が一番最後になってしまうので、乗船が開始しても、実際に乗船できるまでかなりお待たせすることになります。」とのこと。
そこは覚悟の上なのでそのまま了承し、乗船が始まる18:00まで港をひととおり見て回って暇を潰すことにしました。
これが今回利用する「さんふらわあ さっぽろ」です。
車はこのランプウェイから船内へと入っていくことになります。私の経験上、この程度の勾配ならうちのRX-8でも擦らずに登れそうな気がしますが、船会社からすれば、擦った際のトラブルは極力回避したいでしょうから、少しでも擦る可能性があれば、このランプウェイは使わせたくないのでしょうね。気持ちはよくわかります。
港のそばにある「
大洗マリンタワー」です。
「町のシンボル」というわりにはホームページのクオリティがアレですが(笑)、全面鏡張りで綺麗な建物です。
中は展望台のようになっているらしく、夜景が綺麗に見えそうなので、デートなんかで訪れるのには良いんじゃないでしょうか。
乗船時間が近づくにつれて陽が落ちていきます。晴れていたので夕暮れが綺麗でした。
18:00を過ぎてから乗船の案内があり、まず、自転車とバイクから乗船を開始します。その次に乗用車が乗船します。下船は逆の順番で降りることになります。
貨物は、船体の後部にある別の搬入口から並行して積んでいきます。フェリーの構造については
コチラをご参照ください。
積荷の作業員の人に「案内しますのでここで待っていてください。」と言われ、他の自動車とは別のレーンで待機することに。
普通の乗用車で乗船する場合、運転手だけが車で乗船し、他の人は乗船用のタラップから直接デッキへ入ります。
乗船開始から1時間ほど経過し、出航30分前になろうかという時間帯になっても我々の乗船案内がなく、内心「忘れられているのではないか?」と不安になり始めた頃、ようやく先ほどの作業員が「ご案内しますので付いてきてください。」といって、自動車で先導してくれました。
先ほどのランプウェイとは逆の方向に進み、船の後端に近づいたところで停車。「ここで待っていてください。」と言われ、再び待つことに。(トラックの後ろに見えるのが船のお尻です。)
5分ほど待ったところで、突然、前でトラックを誘導していた作業員が我々に向かって「行け行け」とサインを出したので、慌てて貨物用のランプウェイへ。
貨物用のランプウェイは、ホイールベースの長い貨物車でも搬入できるように勾配が緩くなっており、相当なシャコタン車でなければ、大抵の乗用車はほぼ乗船可能と思われます。(とはいえ、保証はできませんので、チャレンジする際は自己責任でお願いします。)
陸地とランプウェイの境目が段差になっているものの、うちのRX-8であれば問題にならないぐらいの高さでしたので、特に心配はしていませんでしたが、それでも作業員の方が慎重に隙間を確認してくれますので、安心して侵入できます。
ちなみに、シャコタンで最後に乗船する場合、同乗者も車に乗ったまま乗船することができます。
乗船後、ランプウェイ方向を見た風景。この後、さらに貨物車両が後ろに積み込まれます。
貨物車両と同じ場所に積載されますので、周りはトラックだらけです(笑)なんだか場違いな車が停まってるので不思議な感じがしました。
なお、ペットと一緒に乗船する場合、通常は同乗者が先にペットを入れるカートを船から借りてきて、カートにペットを入れた状態でデッキへと入りますが、貨物の搬入口から同乗者も一緒に車で乗船する場合は、船の乗務員がカートを持ってエレベーター入り口まで迎えに来てくれます。
ようやく入れた船内ですが、とりあえず、荷物を置きに客室へ。行きの便はこの部屋しか取れなかったのですが、最大4名が宿泊できるという部屋なので、それなりの広さがあり快適でした。
予約時に窓がある部屋とない部屋のような表示があり、この部屋は特に窓があるという表示がなかったので、てっきり外は見れないと思っていたのですが、奥の丸い部分が窓になっており、そこから外の様子を見ることができました。
ネットで最初に部屋の種類だけ予約をした後、出航2日目に予約案内のメールが届き、そのメールで案内されるサイトを開くと部屋の位置を指定できるようになっていました。
初めて利用するため、要領を得ていなかったこともあり、窓のことなど忘れて適当に取った部屋がたまたま窓側の部屋だったようです。ラッキ〜♪
ちなみに、このメールの案内で事前に部屋の指定をしないと、乗船当日の乗船手続きの際に窓口で部屋を選ぶことになります。
部屋の指定は早い者勝ちなので、希望の部屋があるのであれば、メールが届いてからすぐに部屋を指定してしまった方が良いと思います。
部屋の入り口はこんな感じです。右手前の扉を開けるとトイレと浴室があります。
客室の廊下です。人と人がすれ違うので精一杯ぐらいの幅しかありません。狭い…。
客室と反対側にはプロムナードがあります。結構、いろんな人がここで時間を潰していました。部屋が窮屈なんでしょうか。
上の6階がレストランフロアで、下の5階にショップや展望風呂、ペットルームがあります。我々は5階の客室に泊まりました。
ペットルームの入り口です。客室のカードキーで開けられます。
ペットルームの中はそれぞれのゲージが設置されています。奥に大型犬用のゲージがあります。
行きの便はペットルームの利用者が少なく、ロッタはこの大型犬用のゲージを貸してもらいました。結構、ガタがきてるゲージでしたが、まだ大丈夫そうです。
ドッグランです。おもちゃ禁止なので、歩かせて排泄させるのがメインの利用方法になると思われます。
「ここどこ〜?」という感じで柵から覗くロッタ。周りは真っ暗で何も見えませんけどね。
展望デッキです。周りに灯りがないので、薄暗く、不気味です。バイオハザードのステージっぽい雰囲気を醸し出しています。
展望デッキ先端(正確には後端か?)から、船室側を見た風景です。階段の下にドッグランがあります。
大洗の港を離れていきます。よく見ると、奥にもう一隻さんふらわあが停まっています。今気づきました(笑)
ひととおり船内を散策していると「レストランの夕食は20:30で終了です。チケットは20:00までにお買い求めください。」とのアナウンスが。時計を見ると19:55でした。
「乗船してからまだ30分も経ってないのに!」と焦ってレストランへ。
なんとかギリギリ間に合い、夕飯難民にならずに済みました。
レストランはバイキング形式になっており、プレートに好きなものを盛り付けていきます。
これで1食1,500円ですから、まぁ、安くはないですね。
シャコタンで利用すると、こういうところで時間的な余裕がなくなることがありますので、ご注意ください。
次回に続く!