
(↑ロング(12m)はさすがに長い)
大事故が起こると、監督官庁は何してる!規制を強化しろ!という声が必ず起こってくる。
今回もNHKの時事公論もそのまんまだったし、実際運輸局もさっそく規制強化を打ち出した。
15人の方が亡くなられたのでそういう声が上がるのも当然かと思うが、ここは冷静に再発防止と、
バスをはじめとした観光関連産業の発展を考えてみたい。

(↑日帰り旅行は庶民のささやかな楽しみ)
当然ながら、安全第一を企業経営者・運行管理者に徹底的に染み込ませる必要がある。
先の規制緩和の際に、行政的な規制は緩和し社会的な規制は厳しくするという触れ込みだったが、
その理念の徹底がまことに不十分だった。
実際の許可の審査では、以前の免許時代さながらに資金(経営の持続性)が最重点だったし、(安
全については、当然でしょうという感じで徹底的な縛りというものはあまり感じなかった)
今回の事故で、健康診断とか運行指示書とか通行経路の勝手変更等のずさん管理が今回の事故
の端緒のように言われるが、問題の本質は、経営者・運行管理者に《人命を預かる大変な事業・とに
かく安全第一》という意識が徹底的に欠けていたことだ。
彼らは《貨物運送業》の感覚しかなかった
のでしょう。でも、それまでそれでやってこれたから何も疑問を感じなかったのでしょう。
彼らも今になってはじめて事の重大性を悟ったようだが、性善説の名のもとに規制緩和の理念・人
命を預かる事業の重大さを経営者に何度も何度も染み込ませ徹底しなかった行政の責任も重いと
言わざるを得ない。

(↑H27日野セレガ運転席)

(↑H7ふそう中型MK運転席)
逆に、行政が規制を強化しようという運賃とか車両とかはフリーでいいのではないか。
後発の零細事業者が、価格という武器なしで経営が成り立つとお役人は考えているんだろうか。
需給関係がそれなりに拮抗している、以前の免許時代のような状況なら全員がやっていけるかもし
れないが、供給(バス)を増やした現在、需要をカット(高値安定)したのでは以前のバブル退治のよ
うに暗黒の10年が待っているのではないか。
事故の影響や規制強化・価格統制等でパイが大きく縮んだ場合、誰が得するの?
長くなったので、今回はとりあえずここまでで後は次回。

(H13いすゞ中型ガーラ運転席)
Posted at 2016/01/24 18:34:33 | |
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