
注文してから納車まで長い期間があったので、「待っている間にムズムズしたら言ってください(試乗車に)乗れますよ」と担当営業さんが気遣ってくれたので、「じゃあアルピーヌに乗せてくださいね」と返答したものの結局納車日までに販売店へ行く機会もなかったので、新車3ヶ月点検時にアルピーヌの試乗をお願いした。
「今日はフェアーで試乗のお客様の次の予約が入っているので早速行きましょう」
朝一番にフロントさんらしき方に点検入庫をお願いしてまもなく、ショールームで待たされることなく担当営業さんがそう声をかけてきた。
「先日、早朝の峠でアルピーヌを2台見かけました」
峠の出没車種が変わったことに10数年のクルマ道のブランクを感じていた。
「雑誌の評価で1位を4連覇していますから」
「エンジンのTHE HOT100ですね」
新潮社エンジン誌(ENGINE)の2023年9,10月号ではHOT1の5連覇を達成している。
アルピーヌA110GTの申し訳なさ程度の小さな後部トランクに手持ちのバッグを入れさせてもらい運転席側に座り込む。リラックスしてドライブしたいので、ストレートアームにならない程度に後ろ寄りに合わせようと、座席右下のシートアイコンがついたボタンを押した。
「あ、それはシートヒーターです」
アルピーヌであればシート調整は電動かと思いきや手動だった。
お店から路上にでて軽く加速してみる。軽量なA110ならノーマルモードでもアクセルの入力に呼応して気持ちよく吹けあがり加速することを期待したが、担当営業さんと同乗していることで一人分の体重ハンデがつけられているためか、わたしのトロフィーと変わらない感じがする。
「エンジンはトロフィーと一緒ですよね」
「エンジンは同じですが、トロフィーより軽量です」
この情報は事前に分かっているものの、想像していた軽快な走り出しではなかったので確認してみた。
「なんだか重ったるい感じがします」
担当営業さんはスポーツモードに変更してくれたので、重ったるさは解消されたがトロフィーを凌駕するほどの加速のパンチ力はない。
「トロフィーの上まで回しても楽しくないエンジンフィールには少し不満なのですよね」
「ターボですからね。NAに乗るしかないですが、いま乗るクルマないですよね」
CセグメントでNAエンジン搭載車といえばMAZDA3が考えられるが、ボディの緩さとダイレクト感のないブレーキフィールは好みではない。ただし、モータージャーナリストから評判が芳しくないSKYACTIV-Xエンジンだが、Xの吹け上がりの軽快さは私にとっては好印象だ。
しばらく片側2車線の整備された市街地を走らせる。
「このクルマはノーズが鋭く入って曲がっていきますので、首都高を走ると楽しいです」
担当営業さんはA110の特長について事例をもって説明する。
「ああ、C1ですか…」
「楽しくて5周しました」
残念ながらアルピーヌの回頭性の良さをこの埋立地の市街地試乗で試すことはできない。
「今でもアルピーヌに乗って楽しんでいるのですね」
「自分のクルマに乗り換えたときにがっかりするので乗りませんね」
担当営業さんはトロフィーRを所有していたはず。ということはトロフィーR<<<アルピーヌA110ということになるが価格を考えると逆転するはずもないのだが、それほど違うものなのだろうか。
自分のクルマに乗ったときにがっかりする。その気持ちはよく分かる。どんなクルマも前所有車の911の乗り味と比べてしまうため、非911を運転している間、終始物足りなさを拭いきれない。
A110には3ペダルのMT仕様がないため、マニュアルで操作するパドルシフトが楽しいのか試したい。早速マニュアルでシフトアップを試してみた。
「上まで回さず直ぐシフトアップしたほうがいいですよ」
わたしが高回転域まで回して(うーん?ノーパワー!?)と怪訝そうなか顔をしていたらそう担当営業さんがアドバイスしてきた。トロフィーと同じダウンサイジングターボエンジンのためか高回転に踏み込んでも気持ちよさはない。
「オートマモードに戻してもらえませんか」
クラッチ切ってシフトチェンジすることがカラダに染み付いているので、この短時間のちょい乗り試乗でパドルによるシフトチェンジに慣れる時間もなく楽しむことはできそうにない。
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Posted at
2023/08/15 15:02:13