
メガーヌを新車3か月点検で販売店に訪れた際に、アルピーヌA110GTを試乗させていただいた記事の後編です。
前編はこちら
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「インテリアの雰囲気はプレミアム感があっていいですよね。メガーヌは大衆車ですから」
エクステリアはエレガントさを追求したという高貴な美しさが所有感を満足させるが、インテリアもチープ感を否定できないメガーヌと違ってラグジュアリーで終始悦に入ることができる。
「フェラーリ様だぞ」
とは大乗フェラーリ教教祖でモータージャーナリストの清水草一さんがフェラーリで信号待ちし、青信号ですぐ発車しなかったときに後ろのクルマがクラクションを鳴らして急かされた時の発言だが、
「アルピーヌ様だぞ」
と短気な後続車を一蹴していいくらいA110はプレミアムなピュアスポーツカーである。
「アルピーヌは2台目3台目として買われる方が多いのでしょうか」
「走りに惚れこまれてこの1台を所有される方もいらっしゃいます」
試乗前に売行きを伺ったところ、あまりよい返答ではなかったため、2シータのA110は売るのは難しいのだろうと想像してしまう。
「日本ではなくフランスになりますが、アルピーヌのマニュアル車が2000万円で発売されます」
「え⁉ 2000万円ですか…」
A110 R LE MANSが2000万円で購入申込が開始されたが、フランス本国ではMTバージョンがあるのだろうか。
「ブレーキは奥で効く感じですよね」
「オートマだからですよ。マニュアル車はダイレクト感があります」
そもそもメガーヌのオートマ車を試乗させてもらってないのでアルピーヌの味付けかと思っていたが、ルノーのオートマ車のブレーキフィールはこんな感じなのだろうか。MAZDA3とCX-30のブレーキペダルと床との間にペットボトルが挟まっているようなブレーキ感覚に近くあまりわたし好みではない。
「スタビリティはすごく高いです」
最新の911は知らないが、わたしが所有していた997くらいソリッドで250km/h以上でアウトバーンを走行しても安心感がありそうだ。
「うーん。これはトロフィーでいいか。と、なってしまいます」
試乗しているGTは1000万円であることから、その半値で嬉し愉しいマニュアル車が買えるのだから。
終始「(2ペダルは)ステアリングに集中できますね」と自分に言い聞かせるようにつぶやいたものの、クルマとの対話の窓口が少ない分、操る楽しさは価格に相関して2倍にはならない。
「トロフィーはシフトフィールが今ひとつなのですよね」
「わたしは楽しむために、赤信号で止まるたびにシフトをカチャカチャと動かしていますよ」
そう担当営業さんはコツを教えてくれた。
「(以前入りにくかった)4速にようやくすっとはいるようになったのですが、(峠で)シフトミスすることがあります」
4速から3速ヘシフトダウンするつもりが、4速から5速にシフトアップしてしまい、コーナー出口での加速で(あれ?フケない!?)となってしまうことがあった。これまで乗ってきたクルマでこのようなシフトミスはしてこなかったので解決策がないか伺った次第だ。
アルピーヌA110GTを購入するために試乗しているわけではなかったため、メガーヌRSトロフィーの不満を担当営業さんに聞いていただく試乗になってしまった。
試乗を終えて総括すると、MT車じゃないからトロフィーに乗り換えてもわたしは「がっかりはしない」というのがA110GTの感想だ。結局のところ、わたしの中での不動の一位(HOT1)である911のMT車がその座を揺るがすことにはならなかった。
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試乗 | クルマ
Posted at
2023/08/15 15:01:41