
プレリュード SN(1978)
1970年代にホンダが送り出したシビックやアコード。これらは「ファミリー・カー」としては異様に“スポーティ”だったともいえるが、しかし、ジャンルとしてはあくまでも乗用車系。かつて「S」シリーズを作ったホンダはどうしている?……という声が聞こえた──というかメディア側が騒ぎ始めた(?)1970年代の後半。ついにホンダからスペシャルティ・クーペが登場した。
その車名が「前奏曲」という意味だったために、いったいこれは何の“前触れ”なのか。この後に、どんな“ホンモノ”が登場してくるのかといった期待で、一部メディアはさらにヒートアップしたが、その通りにこれ以後、インテグラ、バラード・スポーツCR-X、さらにはNSXと、1980年代のホンダは「スポーツ路線」を拓いていく。
プレリュードのこの初代は、エンジンはパワフルではなかったが「足」や挙動を楽しむといった“まとめ”のクルマだった。しかし、その室内の「狭さ」は、クーペといえどもちょっと許容範囲外であり、このモデルは不発に終わる。ただし二代目以降、少なくとも前席においてその種の不満は解消され、さらに「2+2」のシート構成を逆手にとった「デート・カー」という巧みなアピールも功を奏して、スペシャリティ・カーとしては異例の(二代続けての)ヒット作となった。
(ホリデーオートBG 2000年3月より加筆修整)
Posted at 2016/10/11 22:28:56 | |
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