最初に・・・
未だ行方不明となっている方々の早期発見および被災された方々が早く日常生活を取り戻せるようお祈り申し上げます。
近年稀にみる甚大な被害をもたらせている9月10日に発生した鬼怒川の災害。。
実は10日の早朝、応援要請があり最初の決壊?(実際には越水)の付近まで行っておりました。
7日は雨降ったり止んだり、8日、9日は1日中強めの雨が降り続き、
鬼怒川あたりは氾濫注意水位を超えるかも?という情報は得ていたものの、
9日の夜小貝川の水位はみるみる上がり
あと数十cmというところで気になりながら就寝。。。
10日。
朝3:30にTELがあり人員と重機の調達依頼。取り敢えず人員調達しその現場より数キロ上流の土砂置き場に到着。
そこで現場で加勢してほしいとの依頼で先行作業の方たちに附いてその現場へ行く途中・・
鬼怒川の流れは・・・というと・・・
まさに3.11の時TVで見ていた光景、、川の水面は大きなうねりと波
この時点でただならぬ状況。。
まぢか・・・
現場付近に着くと目の前の道路が冠水し始め民家の敷地より水が流れ出し・・・
すでに切れているんじゃ・・・
先発班が土のうで水を止めようをしていたらしいのですが手に負えず避難の指示。。。越水が始まっていた・・・
その時点で朝6:30頃だったか・・
流れ出している水は勢いを増し、そこらじゅうが冠水。。。
あちこち逃げ惑う車も・・
大回りして集合場所へ帰還。。。
私はその時点でただならぬ被害は予想、この水がどこまで流れ着くのか。。。
土砂置き場では土のう作成に加勢し・・・
後にTVを見た作業員に聞きましたが
その逃げ回っていた車、流されてぷかぷか浮いていたらしい・・・
助かっているといいのですが。。。
8:00 自分の持ち場の監督員よりTEL。。川の水位が氾濫注意水位を超えた為警戒態勢に入るよう要請。。
鬼怒川と並行して流れている持ち場である小貝川の巡視にむかう。。
9:30 3班あるうちの上流班巡視開始、
私は管理者であるため現場事務所にて待機、インターネットで情報収集、TVで中継を。。
流れ出した水はこの辺の大動脈であるR294をも呑みこみ・・・
恐れていたことが実際に・・・
そのうち数キロ離れている小貝川沿いまで水が達し・・・

まだお昼の時点。。
すでにたくさんの方が避難していた避難所をも呑みこむ・・・
14:00ごろか・・・
監督官より、最初の鬼怒川被災箇所より5キロ下流で堤防が決壊したとの情報。。
最悪な事態となった、、、
TV中継を見る。。。
実際に小貝川でも決壊がおきたら・・・
最悪の最悪の事態が頭をよぎる・・・
幸いなことにこちら小貝川では氾濫危険水位までには余裕がある。
ただし状況によっては水位はまだ上がるし、ネットで水位情報とにらめっこ。
小貝川で水位が高かったため流入している小河川、排水が呑みこめない状況です。
14:00 管理している中流域も氾濫注意水位を超え、
待機していた中流・下流班も巡視開始。。。
情報で鬼怒川の水がどんどん下流方向に押し寄せていると・・・
この時点で・・・
小貝川の水位が下がらないと常総市内は間違いなく・・・
夜8:00上流班交代、まだまだ予断を許さない状況は続く。。。
R294に通じる橋、すべて通行止め、つくば側からの一般通行車両も大混乱。。
水位が増えないことを祈るのみ・・
夜になって雨も小降りになり・・
これ以上雨が続けばさらに水位は上昇・・・危険は増す・・・
止んでくれたことも幸い。。。
夜通し巡視は続き・・・
水位データの監視。。。
ある時・・・

一部の水位データが読み取れなくなる・・・
水没した地域が停電となりデータが来なくなった模様。。。
巡視班が現地で直接目視で水位を読んでくる作戦へ・・・
いつになったら下がるのか。。
2:00過ぎ少しウトウトと・・・
2日目。。
朝5:00けたたましいヘリの音で目が覚める・・・
朝方、常総市の市街地まで水没が始まったと・・・
R294が川となり谷和原インター方面に押し寄せる・・・
そちらには消防本部、警察署が国道沿いに・・・
後にその中枢までも呑みこんだと・・
どうやら小貝川沿いもほぼ水没してしまったため
だれか小貝川が決壊したなどと勘違いしている方がいたらしい。。
すべて鬼怒川の水なんです。あと小貝川に流入出来なくなって行き場のなくなった水のオーバーフロー。
小貝川は無事です!!
2日目は鬼怒川決壊現場よりこちら小貝川沿いで自衛隊のヘリの救出が・・・
その後昼過ぎ。上流側の水位が下がったため上流・中流班巡視解除。
ここでほっと一息。。
元気な人は下流班の交代に。。頼むぞ!!
ただし、堤防沿いの人が車を堤防上に避難させたので巡視の車両が通行できない!
そのうち全国から続々と災害対策車が到着。。
そこらじゅうでポンプ車による堤内側のポンプアップが始まる・・・
巡視の車両も走れなくなってくる・・・
そのうち
ようやく下流域の水位も安定してくる・・・
避難注意水位までは上がらなそう・・・
災害対策車も続々作業が始まり・・・
九州。中国、近畿。。言葉通じず。。。
その後水位はじわじわ低下、10分で1cm、1時間5㎝程度。。。
あと1.0m!!
いつまで警戒が続くのか、おおまか予想ができるようになる。。。
でも相変わらず市街地の冠水は先が見えない。
橋を越えれば海。。

自衛隊の方々の船による決死の救出作戦。。。
これでもかなり水が退いた後。。
決壊現場も被害が大きいですが、水没の深さではこちらの方が被害が大きいのか。。。
とくにおおきな異常はないまま・・・
夜10:00、ようやく下流域の水位が氾濫注意水位を下回り警戒態勢の解除決定。
安堵の一時。。。
11:30巡視班帰還。お疲れです。。
取り敢えずみな帰宅。。
でも堤防そばが冠水状態、まだ作業依頼がきてもおかしくない状況。。

被災側と違い全く別世界の対岸を帰る。。
夜を徹しての堤内側のポンプアップ作業がつづく。。
3日目。
お昼に作業依頼が・・・
あるモノを段取りして運搬してほしい。。。
業者と一緒に目的地へ。。。
だがその橋を渡るためにどこも大渋滞。。。
路駐の嵐。。。野次馬だらけ!!
あとは支援物資を持ってきたとの車両の列でごった返す・・・
こちらから来ても市役所にはいけないし冠水でどこにも抜けられないのにどこに届けるのか。
そんな車をぬって災害対策車両作業現場到着。。。
こちら川ではありません。水没した住宅地。こちら側の水を川へポンプアップしています。これでもMaxより1m以上下がった状態。。
TV朝日が取材で録画してた模様。。
任務完了、、
と、間もなくまた任務。
場所を聞いて到着。
この先にR294が完全水没。。。相当深い・・・
もう一つの任務へ・・・
こちらも堤内側水没。。。
と・・・・
なんかいる!
行き場を失い逃げ惑うハクビシン((= ̄□ ̄=;))ナ、ナント!!
とある任務を全うし、みんなで食事し12:00帰宅。。
長い3日間がおわる。。。
今朝のニュースでのヘリの画像。。
この辺の大動脈であるR294(縦)と交差するR354(横)
新井木交差点。。。
まだまだ通行できる見込みはありません。。

鬼怒川に流れる八間掘川。こちらのオーバーフローによる冠水の影響も大。。
沿って走るR294。。
夕べ行ってみましたが294のこのずっと南も冠水状態。
大動脈の復旧の見込みは当分かかると思われます。。
鬼怒川と小貝川の堤防の間がダムとなり行き場を失った水がたまりこれだけ大きな災害となってしまった、、、まさに。。。
まさに地獄?夢?
驚愕でした。映画の世界・・・
まさに9.11で見ていた映像を現実に目の前にした、というべきか。。。
これからが大変。
被災された方々がもとの生活に戻るためには。。
これから水が引き、もっと被害状況も分かってきます。
また色々な任務も増えそうであります。
今後も微力ながら復旧のお手伝いが出来たらとは思います。
最後に・・・
わたくしたち、川の堤防の異常を早期発見するために警戒態勢になったら見回りします。
異常があれば重機・資材等を搬入し応急対策を行い大災害を防がなければなりません。
また、
警戒態勢にある以上、
堤防の上は絶対に安全ではありません。
常に
決壊の可能性があるということをご理解していただきたい。
みなさまもお気を付け下さい。とくに川が増水しているときは車も人も近寄らないのが一番です。
水の威力、絶対なめてはいけません。。
あと野次馬の方々。。。面白半分、興味本位で見に行くのはやめましょう。
ところ構わず車を停めないで下さい。
支援物資を運ぶトラックや災害復旧の車両も渋滞に巻き込まれすべてが人助け・復旧の遅れにつながります。
いろいろ3日間、災害を目の前にしちょっと感じたことです。。
いつまでかかるか分かりませんがいち早く被災地の方々の平穏な生活が戻ることをお祈りしております。
これからも指令があれば微力ながら任務を全うしていくつもりです。
あと全国から駆け付けている災害対策車両の方々。
九州、中国、近畿(他もいますが)夜を徹して頑張ってます。
また自衛隊・警察・消防の方々も全国より応援に来て頑張ってくれてます。
みなさまお疲れ様です。。
と!!
ここまで午前中に書いていたのですが~
緊急指令が!!・・・
任務の場所の現地確認へ。。。

いまだ通行できないR294の最前線に極秘潜入・・・
脇の田んぼのポンプアップしてます。
ただ流れ着いたこのゴミの多さ!
この先もまだまだ水位が高く順に水位を下げていかないとダメらしい。。
R354の交差点までまだまだあります。
この現場にたどり着くまでR354からのアプローチ試みましたが
途中自衛隊の班に遭遇。。
話を聞いてみると一部腰あたりまで水位があるため、自衛隊の災害車でも通行できないそう。。。
R294とR354の交差点にはいまだ誰にも踏み入れられていないらしい・・・
R294側から下げてからじゃないとこちらの水位も下げられない模様・・・
水が無くなっても流れ着いた大量のゴミ・・・
大動脈の復旧はまだ先が見えません・・・
そしてもう一つの指令、夜間作業開始。。。

最初の越水現場の復旧用土のう作成指令。。。
でこれが4日目。。。
この4日間・・・
みんカラ見ている余裕もありませんでした。。
コメント等もありましたが少々お待ちください。。。
ある意味生存報告で御座います。。
ちなみに・・・
当初より現場事務所の設置位置には迷っていましたが
縁あって対岸の高台に設置したため今回の災害に巻き込まれることはありませんでした。
もしこちら岸の堤防沿いに設置していたらと思うと・・・
想像すると恐ろしくて・・・
運にも味方されているのか・・・
また、
一部LINEでつながっているみん友様よりはご心配のメッセージ頂きました。。
そちらは大丈夫ですか~と。
心強かったです。。。ありがとうございます。。
夜通しやってましたが私は大したことありません。
決壊箇所の復旧現場では夜を徹して不休の作業が続いていると聞いてます。
そちらに比べれば・・・
ただただ被災された皆様の生活が早く9月9日時点の平穏な生活に戻られる様祈るばかりであります。
ではまた落ち着いたころにでも・・・