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1992年式の日産セドリック グランツーリスモ アルティマ

パプリカほどではございませんがかなり懐かしい１台

近頃ベンツのセミクラシックが注目されてますが、こちらも注目の１台です


PBY32・VG30DETターボ・FR・実質ワンオーナー・車庫保管という条件だけを見ると、今やかなり貴重な一台です。全長4800mmのハードトップボディにV6 3.0Lターボを積み、当時255psと35.0kgmを誇ったこのグレードは、いわゆる「日本の高級FRセダン黄金期」を代表する存在と言えます。現在の走行距離は14.2万km、車検は2027年3月まで残っており、出品者も「週1回ドライブする程度」と明記しているため、少なくとも“動かして維持している個体”であることは読み取れます。



走りのキャラクターとしては、VG30DETらしい低回転からの分厚いトルクと、ターボが乗った時のゆとりある加速が持ち味です。現行車のようなシャープさや電子制御の多さではなく、あくまで余裕重視の高級セダンという性格で、一定速度でのクルージングが得意なタイプです。FRレイアウトとハードトップの低いシルエットも相まって、高速道路では直進安定性が高く、穏やかに距離を稼いでいくのが似合うクルマです。



一方で、現オーナー自身が記載している通り、この個体は「旧車としてのリスクを理解して乗る前提」のクルマです。エンジンルームにはオイル滲みがあり、タイヤは13年前の製造、室内は喫煙かつ猫の毛が残る可能性があり、取扱説明書や記録簿も残っていません。修復歴も「不明」とされており、保証は一切付帯しないノークレーム・ノーリターン取引です。つまり、現状で普通に動き、車検も通っているが、「このまま何もせず長距離を安心して走れる」とまでは言えない領域にある、ということになります。



価格は本体110万円、支払総額124.2万円。Y32のVG30DET上級グレードで、実質ワンオーナーかつ車庫保管という素性を持つ個体が、現代の旧車市場でこの総額レンジに収まっているのは、決して割高とは言えません。ただし、購入後にタイヤ交換やオイル滲みの点検・整備、必要に応じたゴム類・ホース類の更新など、初期整備費用を別途見込むのが前提になります。その点を織り込んだうえで、「当時の本物の高級FRの空気感を味わいたいかどうか」が、このクルマを選ぶかどうかの分かれ目になります。



なお、「13年前のタイヤでなぜ車検が通るのか」という点については、ChatGPTいわく
車検の基準が“タイヤの年式”ではなく、“残り溝の深さや損傷状態”に基づいているためです。溝が基準以上残っており、側面に大きなひび割れや膨らみがなく、釘などの異物刺さりが無く、見た目の安全性が確保されていれば、極端に古いタイヤでも形式上は検査を通ってしまいます。法律上は問題がなくても、ゴムの経年劣化や内部の見えないダメージまでは検査で判断できませんので、実際に乗ることを考えると、この個体のような「13年前のタイヤ」は即交換が前提と考えるのが安全側の判断になります。