無常な日常(無常)

　先月のことになりますが九州の旧友から突然電話をもらいました。'No news is good news(便りのないのはよい便り)'と言いますがやはり良い知らせではなく大学のゼミ仲間の突然の訃報でした。干支をリセットした以上は珍しいことではないんでしょうが同期では初で昨夏に新宿で皆で顔を合わせていたし普通に賀状のやり取りもあったのでやや意外で残念なことで、結局あれが最後の会合となりました。転移の進んだがんを患い一度は死にかけた自分が最も彼岸に近いと自負していましたが、この歳ともなると皆結構あるようです。大汗) 彼は九州の出身ですが長い間東京で勤務中の突然死で謂わば企業戦士の最前線での壮絶な戦死です。あともう少しでやっと故郷に戻れる筈だったのですが..... 大学のゼミ同期は十人で勤めの方もそろそろ引退を迎えつつあります。既に十年以上も前に田舎に引き込んで早期リタイヤ後の人生を楽しんでいる者もいるし皆それぞれですが、春雨の宵に新宿近くの葬儀場にまた集まりました。同期の中に一人だけ二十年以上東北で消息不明となっていた者もいましたが今回の件でやっと連絡を取ることが叶いました(某政令指定都市の銀行協会で事務局長とかやってました)。誰から言い出すでも無く今後は全員のメーリングリストを作成して緊密な連絡を取り合おうぜということも葬式後のお斎(とき)の席で決めました。この次会うのが誰かの葬式の場じゃ嫌だねと軽口を叩いて別れましたが、それまでも年一回くらいの割合で都内で会っているのでそれだけは願い下げにしたいです。全国からかつて横浜に集まって一緒に学んだ仲間達ですが、その後意外と地元には戻らずこちらに残る面子(メンツ)が多かったので何かと都合が良いのですが.....これから時間が経つにつれ一人減り二人減って行くと思えば無常を感じざるを得ません。


　無常とは仏教用語で常(つね)ならぬこと、つまりいつも何かしらが変わりつつあることを指すのですがあの晩も人生の無常を実感しながら帰路につきました。もう二度と奴と話すことが叶わなくなったんだよなぁ.....と思いながら。　詳しくは昨年6月7日の当ブログをご覧下さい。無謀にも「無常」の解説を試みています。