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時下益々御清栄の事とお慶び申し上げますm(__)m

本日は「時の記念日」である事をご存知でしょうか？あくまで私見ですが、国民の祝日にはなってはいないものの、我々日本国民にとっては特別の日の様な気がしております。

時の記念日の制定の経緯（いきさつ）は、１９２０年に東京天文台と生活改善同盟会（旧文部省の組織）が、日本国民にも時間厳守を啓蒙する事を目的として制定されたものです。当然、時間厳守を啓蒙する事には、生活の改善・合理化という目的を有していたようです。

東京天文台はともかく、生活改善同盟会の設立趣旨は「国家的利益と産業効率を向上させるために，個々人の生活意識そのものを改革することを目標として，社交儀礼から服装，食事，住宅まで生活全般に関わる改善と合理化を目指した（※１）」ということから、時間に関する概念をその主軸として捉えていた事が窺えます。

その甲斐もあってか、現代では鉄道一つとっても、これだけ時間厳守を徹底させている国はなかなか無いのではないでしょうか。日本人の勤勉さ、正確無比を求める傾向等々、現在の世界に評価されたる国民性を有するようになったきっかけとも言えると思うので、その見地から、特別の日なのではないかと思っております。

昔は掛時計、置時計、腕時計（懐中含）のどれをとっても時計とは高価な代物で、あまねく民衆にいきわたってはいなかったのではないでしょうか。

現代では携帯電話でも時刻が確認出来ますし、時計さえも１００円で買えてしまう時代であり、誰もがいつでも時刻を確認する事ができます。なんて恵まれた時代なのかと思ってしまいます。

時計の話を致しましたので、ついでにコレクションの小話でも・・・・

これは、シチズン「デラックス」と言う時計です。裏蓋の刻印が消失しかかっているので製造年月の特定が難しいのですが、恐らく１９６０年頃に製造された個体です。

６０年代は特に「良い時計は薄型である」という風潮の強い時代で国内メーカーも例に漏れず、薄型腕時計の製造にしのぎを削っておりました。また、この頃から国産時計の主流は時分針と秒針が別になっている「スモールセコンド」から、時分針と秒針が同軸に収まっている「センターセコンド」になった時期でもありました。

このデラックスは１９５８年発売当時は国産時計の中では最も薄型の高級品として登場し、後にはムーブメントに金メッキを施し特別調整を施した「スーパーデラックス」、若年層にも購いやすい廉価版として「エース」、セイコーの薄型高級時計「ロードマーベル」や「ゴールドフェザー」に対抗して「ハイライン」や「ダイヤモンドフレイク」にまで発展し、派生品の礎となった時計です。

手持ちの個体は１９石なので中級品ではありますが、薄型で品があり、作りの良さを感じる事が出来ます。


シチズンデラックス　１９石　ステンレススチール（光の加減で金色に見えますが、銀色です）


当時のアルミ製尾錠


製造から半世紀ほど経った今でも日差５秒程度で、未だに正確に時を刻み続けております。

諸元

名称：シチズンデラックス
駆動方式：手巻
振動数：１８０００振動/時
耐振装置など：パラショック、フィノックス、等
石数：１９石

引用

※１）http://kotobank.jp/word/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%94%B9%E5%96%84%E5%90%8C%E7%9B%9F