
山奥の秘湯に置きっぱなしにしてきた腕時計を取り戻すため、厳冬期の
日塩もみじライン越えのドライブにトライしてきた
記事の続きです。今回の目的地・
塩原元湯温泉までのルートをおさらいしておきましょう。
まずは、日光宇都宮道路を経由し、土沢ICから高速をアウト。日光江戸村や猿軍団の看板を横目に、R121で鬼怒川方面へと北上します。1月中旬でも、このあたりまでの路面には、ほとんど雪の心配がありません。鬼怒川の市街をパスするため、鬼怒川道路や龍王峡ラインと命名された短い有料バイパスをつないで前進を続けると、シャーベット状の雪がちらほら路面に残る状況に変わりました。でも、まだタイヤが滑り出すようなコンディションではありません。そして、日塩もみじラインの龍王峡側料金所。「
路面凍結、チェーン必要」と物々しく告げる警告看板が、行く手に待ち受ける油断のならない状況を予感させます。
ところで、いわゆる「
チェーン規制」の定義には、地域によって微妙なニュアンスの差があるようで、スタッドレスを四輪装着していてもチェーンがないと走行できない場合と、スタッドレスだけでもOK!の違いがあります。
目の前の警告表示の意味するところは、いったいどちらか?見極めが難しいところですが、スキー場へのアクセス路として厳冬期も開放されている有料道路なら、無茶な要求はするまいと判断。ミシュラン・スタッドレスだけが頼りの綱で、チェーンなど準備の無い中年オヤジは、迷わずもみじラインへと突入していきます。ちなみに、わがGTIのトランクには、雪道でのスタック脱出に必携とされる古毛布や古新聞なども、特に積んではいませんでした(大丈夫か?)。
さて、
総延長28.1kmの峠越えルート・日塩もみじラインに足を踏み入れると、路面はのっけから本格的な雪道です。除雪そのものは行き届いていましたが、朝の気温低下の影響が強烈で、表面の白い雪の直下は、しっかり凍結している感じです。スタッドレス装着でも、コーナーを通過する度にタイヤがズルッと横滑りする不吉な感触が、ステアリングから生々しく伝わってきます。
おまけに、もみじライン前半の登りルートは、ただでさえ息の抜けない羊腸小径。観光地の有料道路に相応しく、2車線の幅が全線を通じて確保されているけれど、連続するブラインドコーナーは、少しコントロールを失い気味のFF車にとって厳しい条件です。対向車線にはみ出す愚だけは、何としても避けなければなりません。コントロールが効く速度までペースを落とし、ふらふら雪道を登り続けるGTI。四輪のグリップを効かせ後方から接近してきたスバルの4WDには左ウインカーのサインを送って、迷わず道を譲ります。
しかし幸いなことに、前半の登りルートでは、遭遇した対向車が僅かに2~3台。自分と同じ方向に向かう前後のクルマも殆ど無く、もみじラインの交通量は極小の状態でした。スキー場にとって書き入れ時の季節、しかも週末なのに、この過疎っぷりは何故なんだろう?疑問を感じつつも、前へ前へと進むしかありません。
標高1000mを越える高原に到達すると、もみじライン周囲は一面雪の世界ですが、前半戦に苦しめられた小径コーナーが影を潜め、かわって勾配のゆるいストレートが増えてきました。山の中でも、賑わいをみせるエーデルワイスとハンターマウンテンの2つのスキー場を横目にさらに前進を続けると、スキーを積んだミニバンや大型バスがいきなり車列をなして、対向車線に出現してきました。対向車の一群は、ルート前半の過疎っぷりが嘘のように次から次へと現れ、我も我もとスキー場に向かっていきます。
どうやらスキー客の多数派は、同じもみじラインを経由するルートでも鬼怒川方面からの険路を敬遠し、遠回りでも塩原方面からのアクセスを選択している様子。ルート前半の交通量の少なさもこれで少しは納得ですが、人々が敬遠する雪の険路をわざわざここまで走り抜いてきた自分の酔狂さには、改めて呆れかえる気分でした。
元湯温泉へのアクセス路は、もみじラインの料金所を通過し奥塩原温泉の小さな温泉街を通り越した先から分岐しています。交通量は再び皆無になって、ここまでくれば対向車の心配もほぼ不要でしょう。20キロ以上も雪道を走り続ければ、運転のコツのようなものも少しは会得できたので、ペースを少し上げ快調に元湯温泉をめざします。と思って少し気を緩めていたその矢先、雪の中で数台のクルマが立ち往生していました(汗)。
登り坂の途中でタイヤがスタックし、脱出に手間取っていたのでしょうか?幸い快く道を譲っていただき、先に進むことができましたが、最後の最後まで油断できないのが雪道ドライブです。
2週連続での訪問となった
元湯温泉・元泉館のあたりは、先週より一段と積雪が深くなった模様。フロントで事情を説明し、何とか腕時計を我が手に取り戻すことがかないました。
ミッションを達成した自分へのご褒美は、宿ご自慢の
渓流露天風呂です。緑白色のお湯に2週連続で身を浸し、ドライブの疲れを癒しました。
片道30km近い雪道ワインディングの連続走行は、想像以上にタフな経験でしたが、走行を重ねているうちに、スタッドレスで対応できることとできないことの境界線や、トラブル時の心得のようなものが、少しづつ分かってきたような気がします。
3週連続のスノードライブはさすがに自重しますが、今シーズンもう1度や2度、スノードライブの練習がてら、雪深いエリアへの遠征を計画してみるつもりです。
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drive & touring | 旅行/地域
Posted at
2015/01/31 15:18:33