
10月の3連休最終日。秋の行楽シーズン真っ盛りとあって、各地の観光名所は大賑わい必至ですね。渋滞と行列が大嫌いな中年オヤジは、基本的に混み合う場所には行きたくありませんが、せっかくの休日にドライブにも出かけず自宅で退屈しているのも冴えません。ということで、近場の兵庫県内をGTIでひとっ走りしてきました。
今回は、9月の四国ツーリングの記事(続き)をお休みして、本日のドライブを振り返ってみます。
さて、どこに行こうか?
中年オヤジとGTIは、例によって最終目的地を決めないまま、朝、神戸の自宅を出発します。とりあえず六甲山を越えて、
三田から篠山周辺の丹波エリアを北上していくローカル県道をメインに走ってみようと考えました。
六甲越えのルートは、
芦有ドライブウェイで行きましょう。台風の影響でしばらく通行止めになっていた宝殿から有馬温泉の区間が夏に全通してから実走してみるのは、今日が始めてになります。
スピードは控えめに。芦屋ゲートで有料道の通行券を受け取り、慎重にアクセルを開けましたが、目の前には行く手を遮るものがない垂涎の快走路が伸びています。これは行くしかないでしょう!豪快なヒルクライムをいきなり満喫して、標高645メートルの東六甲展望台まで一気呵成に駆けあがりました。
朝の東六甲展望台から望む眺望は、晴れているけれど少しだけ曇りがち。もし快晴なら、紀淡海峡・淡路島までのパノラマを遠望できるのですが、そこまでの贅沢はなかなか望めないようです。
その替わりといっては何ですが、休日朝のパーキングには、
新旧のアルファロメオ、ポルシェ911、BMWなどの欧州車がズラリと集結。よく見ると、
ランボルギーニ・カウンタック!も1台いました。大阪平野を眼下に見下ろす展望台を背にして、自慢の愛車を持ち寄ったオーナーたちが、和やかに談笑しています。浮き世離れしたその光景は、まるで世界の名車ショーを見るが如し・・・・。
噂には聞いていましたが、東六甲展望台は、関西エリアに居を構えるリッチでエンスーな方々の聖地なのですね。欧州車の端くれといっても、GTIにとっては少し敷居が高そうな雰囲気に気後れがして、早々に展望パーキングを後にします。
宝殿ゲートから先、有馬温泉までのドライブウェイ復旧区間でダウンヒルを楽しんだ後は、兵庫県道82号線とR176で丹波方面に北上します。三田市街からは県道37号に乗り替え、お次は
県道49号・三田篠山線へ。篠山に向かって北へと伸びる49号線は、進めば進むほど里山の風情が濃くなってきて、いい感じのカントリーロードです。気温は約20度。エアコンのスイッチを切って窓を開ければ、秋の空気が車内を満たします。紅葉の季節にはまだ少し早いけれど、楽しい秋のドライブになりそうです。
わらび餅が名物という茅葺き屋根の峠の茶屋を越えると、あたりに人家は無くなりました。幅1~1.5車線の山道区間がいよいよ始まります。とはいえ、峠に向かう49号線の勾配や屈曲度はそれほどタフなものではなく、先行車のアウディやマツダCX5などを「タマヨケ」にして追従していけば、安全・快適なドライブを楽しめます。ついこの間、GTIで実走してきた
四国の林道・酷道に比べれば、実に楽ちんな山道運転です。
名も無き峠や、山里の風景を望む小さな展望台を越えて、山を下っていくと49号線は再び快適な2車線に変わります。このまま北上を続けて、篠山をめざしたいのですが、しばらく走った先で辿り着いたのが生憎の
通行止め区間・・・・。どうやら、このまま篠山まで抜けるのはムリで、
県道308号線に乗り換え三田方面までいったん南下し直してから、幹線国道のR176に合流するしか進路はないようです。気を取り直して、走り出します。
49号線との分岐からお茶畑の広がるなかを南西に伸びる308号線は、渓流沿いや杉林の木立のなかを走っていく道。途中、少し狭くなることもありましたが、道幅そのものは必要にして十分ですね。こちらも快適な山道ドライブを楽しむことができます。
山を抜けて平地に降りると、見事なまでに黄金色に実った稲穂が頭を垂れ、GTIをお出迎えしてくれます。沿道の田んぼに目を転じてみると、子供たちによる稲刈り体験イベントなども催されていて、実りの秋の訪れを実感します。
幹線国道ながら、意外にスムーズに走れる
丹波の森街道・R176を経由して、篠山の市街に到達してみると、さすがに秋の3連休ですね。「丹波篠山味まつり」なるイベントが開催されていて、下手に進路を誤ると、渋滞に巻き込まれてしまいそうです。
そこで
県道97号線に進路をスイッチ!北東方面に向かって、丹波の山里にさらに分け入っていきます。幸い渋滞も無く、スイスイと快走が続きましたが、途中に立ち寄ってみた観光施設・
黒豆の館(道の駅のようなもの)には、各地から集ってきた観光客のクルマがいっぱい。名物という田舎バイキングのレストランには、しっかりと順番待ちの行列が出来あがっていました。秋の丹波名物・黒枝豆には少し食指を動かされましたが、お土産の購入はもう少し先でも大丈夫でしょう。早々にパーキングを離れ、ローカル県道のドライブに復帰します。
この時点で、時刻はお昼どき近く。そろそろ本日の最終目的地を決めなければなりません。向かった先は、
西山酒造場。丹波市・旧市島町にひっそりと佇む小さな酒蔵ですが、90年代頃から展開してきた独自のマーケティング戦略と上質な酒造りが奏功して、
清酒「小鼓」は、関西の日本酒ファンなら知らぬ者がいないほどの銘酒に育ちました。
蔵の直売店で定番の純米吟醸酒を一升瓶でゲット。この季節の名物・初手しぼり(無濾過生原酒)の発売開始がもう少し先の10月下旬なのが残念でしたが、色使いのコントラストが渋いラベルを手にとってみれば、わざわざここまで足を伸ばしてきた甲斐があったというもの。晩酌タイムが楽しみです。
小さな酒蔵からの帰り道。立ち寄った道の駅で購入した枝付きの
丹波黒枝豆も戦利品に加えて、舞鶴若狭自動車道で丹波の地を後にしました。
神戸からもほど近い丹波エリアで秋の気配をたっぷりと満喫した今回のドライブ。芦有ドライブウェイを別にすれば、タフなワインディングや痛快無比な快走路を走り回ってきたわけではありませんが、マッタリとしたドライブもたまには悪くありません。
摂津・播磨・丹波・但馬、そして
淡路。江戸時代までの旧国名でいうと、何と5国にも跨がっていた地元・兵庫のドライブルートも、ぼちぼち開拓していきたいところです。
次回記事では、
四国ツーリングの続きを再開します。