
11月初旬、本格的な紅葉の見頃にはまだ早いけれど、関西の山々も少しずつ色づき始めた頃合いです。人混みだらけの紅葉名所はまっぴらですが、名も無き山道や渓谷に秋の色を求め、ドライブに繰り出すことにしました。
今回の最終目的地は、
R367鯖街道で滋賀から若狭へと抜ける沿道に佇む某所をめざしていきます。出発時にそれだけを決めていましたが、目的地に至るまでのルート選びは、例によって行きあたりばったり式です。ひとまず高速で京都方面をめざし、
R162周山街道を北上してみようか?この日は目覚めが良く、朝6時台に自宅を抜け出し行動開始です。
行き交うクルマもまだ少ない朝の京都市街をスムーズに抜け、府道29号線・きぬかけの道を仁和寺から西へ。秋の面影が水面に漂う広沢池を右手に眺め、さらに西進します。このまま行くと、嵯峨野・嵐山の観光名所に到達しますが、そんな場所には当然立ち寄るつもりもなく、大覚寺を過ぎたあたりで進路を西北に転じました。
向かった先は、
嵐山・高雄パークウェイ。紅葉鑑賞のメッカというべき有料のドライブウェイであり、観光に訪れるクルマが多そうな今の時季は近寄りたくない場所ですが、時刻はまだ早朝。朝の7時台なら訪れるクルマも少ないのでは?という計算が働きました。
しかし、有料道の南側・嵐山・清滝ゲートに到着してみると、入場ゲートが閉鎖されており、そこから先に進むことができません。災害や通行止めなどの情報は前もって聞いていなかったので、中年オヤジとGTIは門前で呆然とするばかり・・・・。
何故、入場できないのか?閉ざされたゲートの前でしばし訝しみましたが、よ~く観察してみると「
営業時間8時~20時」の掲示を発見しました。どうやら毎朝8時まで、この有料道路はクローズされているようです。冬場なら路面凍結の心配があるので早朝の入場規制も理解できますが、1年を通じて8時オープンというのは、ちょっとノンビリし過ぎている印象ですね。
ともあれ、営業開始の数分前には係員さんがゲートを開け、ようやくパークウェイへと走し出します。開門直後、自分より先に入場した他車は早々と休憩所に入って姿を消したので、実質的に
一番乗りでワインディング走行を満喫します。行く手を遮るものは皆無。アサイチ路面のコンディションも良好!それなら、いざスポーツモードで行きましょう。
全長10.7kmの嵐山・高雄パークウェイはほぼ全線に渡って、直線が短くタフでトリッキーなコーナーが連続するので、プログレッシブ・ステアリングとXDSで武装したGTIといえども少々手を焼きましたが、走り応えは十分すぎるほど。何より、前にも後ろにも対向車線にもクルマが1台もいないので、安全・快適・マイペースは保証されたようなものです。コーナーとの対話を楽しみながら、楽しく山を登り、そして駆け下ることができました。休憩地点では、真っ赤に色づいたモミジとの記念写真もパチリ!
お次はR162周山街道を北上し、
京北・美山のエリアを快走していきます。例によって中高年ライダーで賑わいをみせる道の駅・美山ふれあい広場で小休止した後は、進路を東へ。京都府道38号線で佐々里峠を越え、鯖街道をめざすコースを選択します。
春にも一度立ち寄った茅葺き民家の集落を越えて、深い深い山々へと分け入っていきます。美山から佐々里へと向かうこのルートは、休日でも交通量が殆どない田舎道ですが、途中、道幅が1.5車線に狭まってきたあたりで、プリウスが1台停車しており、そのドライバーと思われるオジサンが道の向こうに一眼レフを向けていました。何だろう?と思って、その少し先に停車。カメラの方向に視線を向けてみると、もの凄い渓谷美が目の前に広がっていました。
渓谷を覆い尽くす木々の葉は色づき始めといったところですが、常緑樹の緑も相まって鮮やかに奏でられる大自然のコントラストに圧倒されます。名も無き田舎道で突然こんな風景に出会えるのが、ドライブの醍醐味なんですね。
標高730mの
佐々里峠へは、急勾配を登りながら、連続するタイトコーナーをひとつひとつ越えていかねばなりません。峠に向かう1車線ではクルマばかりか、中高年ライダーも殆ど見かけませんでしたが、その替わりに自転車で人力登坂を試みる愛好家が少なくありません。秋空のもと、ひいひい坂を登っていく彼らを気遣って低速での峠越えでしたが、その分、周りの自然をノンビリ楽しむ余裕が生まれました。
鯖街道に合流するにはもう一つ、さらにマイナーでローカルな
能見峠を越えて、東に向かう必要があります。府道38号線から分岐する110号線に入ると道はさらに狭くなり、山の空気が一段と濃密になります。
杉の疎林の中を行く奥の細道を分け入って峠を越すと、急勾配の下り坂を1車線の超ヘアピンカーブがありえないような角度で弧を描き続いています。万が一、ここで対向車に出会えば離合困難は必至・・・・泣きたくなるような場面ですが、9月に四国ツーリングを経験している自分にとっては、そんなマゾヒスティックな険道も望むところなのです(汗)。
ここまで延々と田舎道を走り続けても、まだ京都府内から抜け出せないことに軽く驚きを感じつつ滋賀方面へとドライブを続行しましたが、久多の集落を通過すると、やっとこさ滋賀県に入ります。
R367鯖街道と合流し、久しぶりに2車線道の快走に復帰です。さあ、ここから先は、若狭方面の目的地へと北に向かうだけです。
本日の最終目的地は、滋賀から福井県に入った直後の
鯖街道・熊川宿に佇む小さな飲食店。
Saba cafeは、一見すると中年オヤジとはご縁が少なそうなお洒落なカフェですが、焼き上げた鯖フィレをパンに挟んで食する「
サバサンド」が名物料理という一風変わったお店ですね。個人的な話で恐縮なのですが、かつてトルコのイスタンブールを旅したとき、現地の屋台で食した名物サバサンドの味覚がふと懐かしくなって、今回のドライブの目的地にチョイスした次第です。
店内は、シックで落ち着いた雰囲気。メニューを拝見すると、洋風の食事だけでなく、炙り鯖寿司とか鯖のへしこ茶漬けなどもラインナップされているので、基本的には和洋を問わず、若狭の郷土食を気軽に楽しめる店というコンセプトでしょうか?サバサンドの具をどんぶり飯に乗っけた新メニューも、お薦めとのことです。
オーダーして待つことしばらく。サーブされた巨大なSabaサンドは、フランスパンの間には大きな鯖フィレが2枚。かなりボリューミーです。付け合わせにフライドポテトとサラダも添えられているので、少食の女性だと完食はちょっと厳しいかも・・・・。
レモンをギュッと絞っていただきます。香ばしく焼き上がったフランスパンとジューシーな焼き鯖のハーモニーが絶妙で、お味は文句なし。もちろん完食です。
本格的な紅葉には少し早いタイミングでしたが、
嵐山・高雄パークウェイ、
周山街道、
佐々里峠に能見峠、
鯖街道と変化に富んだコースを存分に楽しむことができた今回のドライブ。鯖街道の隠れた名所・Saba cafeにも、是非、再訪してみようと心に決めています。
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Posted at
2015/11/14 19:18:18