
先の「
構想編」でも予告のとおり、GWの連休は、紀伊半島から東海エリアをクルマで駆け回るツーリングを楽しんできました。
初日は紀伊半島の川湯温泉、2日目は伊勢志摩、3日目は浜松が今回の旅の目的地。全行程の走行距離は
1175kmに達しました。GTIの名に恥じない「
グランド・ツーリング」と称するには少々スケールが足りないけれど、3泊4日の自動車旅行は自分にとって、久々のロング・ツーリングです。旅のコンセプトは、GTIをお供に各地で名高い名道や峠を実走してくること。観光やグルメはあくまで二の次で、
ドライブそのものが目的という中年オヤジのしがない旅路です。
ともあれ、無事故・無違反・無故障で無事に神戸に帰ってくることができたのは何よりでした。連休中でも熱心にハンティングに勤しむ各県警のパンダや白バイと接近遭遇し、ヒヤリと肝を冷やす場面はありましたが、免許に傷を付ける失態を演じることもなく旅を終えることができ、結果オーライです。
初日は、高野山(奈良県)を経由して、熊野川支流の大塔川沿いに位置する秘湯(?)
川湯温泉(和歌山県)をめざします。まずは、自宅の最寄りICを起点に阪神高速・湾岸線に乗り入れ、GTIのアクセルを開けました。
連休の初日ゆえ、各地の高速道路ではシビアな渋滞が予想されていましたが、神戸から和歌山方面に南下するは湾岸線の流れはスムーズ。天保山の海遊館を横目に、大阪市内を通過する頃からしだいに、大阪ナンバーやなにわナンバーのミニバンなどが増殖して流れが少し淀んできましたが、幸い渋滞に至るほどのスローダウンはなく、泉州エリアの工業地帯を順調に駆け抜けることができました。
りんくうJCTから関空自動車道に進路をスイッチ。阪和自動車道・泉南ICで高速を下車して、大阪府道・和歌山県道63号経由で最初の目的地・
紀ノ川広域農道方面に向かいます。
めざす広域農道の入口はいったいどこなのか?旅路の道しるべとして頼りにした
ツーリング・マップル関西版の地図情報では、ポイントがやや分かりづらかったものの、目印となる
根来寺(戦国時代の武装僧兵集団・根来衆で有名)まで行けば何とかなるはずと思っていたら、案の定、お寺の真ん前の道が農道のスタート地点でした。
さて、
広域農道天国というべき北関東から関西に引っ越してきた自分にとって、関西エリアの広域農道網は概してスケールが小さく、走り応えに欠けるのでは?と感じていました(偏見か?)。しかし、
紀ノ川広域農道は、根来から橋本までの総延長33kmのスケール。紀ノ川沿い丘陵部のミカン畑を貫いて、適度なコーナーとジェットコースター風のアップダウンを繰り返す関西屈指の快走路と評判です。これなら、相手にとって不足はありません。
実走してみると、タフなワインディングは意外と少なく、民家に隣接している箇所も少なくないので、気兼ねなく走り放題でぶっ飛ばせるという状況ではないけれど、休日の午前中、春の日差しに包まれながらノンビリとクルマを流していくルートとしては、なかなか悪くありませんでした。
知る人ぞ知る広域農道は、エンスーなクルマ好きを引き寄せるのか?バックミラーに映る後続車のなかに突如
トヨタ2000GTが出現するなど、ちょっとテンションが上がる出来事もありました。
お次は
高野龍神スカイラインの起点となる高野山をめざして、橋本からR480経由で山登りです。標高800メートル超まで駆け上がるタフなヒルクライムなのですが、狭くクネクネとした登りコーナーが続くアクセス路には、世界遺産・高野山の聖地を一目見ようと関西中から集結した善男善女がハンドルを握る観光車両がいっぱい。時速20~30キロペースでのトロトロ運転を強いられました。しかし、ここは我慢が肝心。気持ちの折り合いに専念し、渋滞寸前の車列のなか山頂をめざします。
やっとこさ山頂付近に広がる門前町にたどり着けば、沿道には観光目的の歩行者が車道に溢れんばかりの大賑わい。人混みと行列が大嫌いな中年オヤジには近寄りがたい風情です。時間が許せば高野詣でも・・・・と考えていた思惑は瞬時に吹っ飛び、門前町の先に控える高野龍神スカイラインへと真っ直ぐ向うことを即断しました。
次なる目的地・
高野龍神スカイライン(R371)は、紀伊半島のど真ん中を南北に貫いて走るかつての有料道路。その名の通り高野山から龍神温泉までの延長42.7kmの区間ですが、無料化以降も整備が行き届いており、全線を通してストレスのないドライブを楽しむことができます。新緑も鮮やかな紀伊山地の稜線上をどこまでもどこまでも、走り応えのあるワインディングが続いていく様は圧巻の一言。今日初めてDCCをスポーツモードに入れ、GTIのアクセルを踏み込み、駆け抜けてみれば気分は爽快です。
とはいえ、クルマの走行性能を過信したオーバーペースで、他車に迷惑をかけては元も子もありません。先行車に追いついたら無理な追い越しは狙わず、エスケイプ・ゾーンでひと休み。一方、ハイペースで山を駆け上ってくる2輪車ライダーには迷わず進路を譲り、マイペースでの快走を心がけます。途中、車列を組んで、通行車のペースを押さえ込んできた県警の白バイ集団には閉口しましたが、山頂のパーキングで邪魔者をやり過ごしたら、龍神温泉に向かって痛快なダウンヒルを再開です。いやあ、評判に違わず楽しい道でした!
龍神温泉から先は、
日本三大酷道と噂されるR425の走破にトライする選択肢もありましたが、その手は
桑名の焼きハマグリですね。悪名高き酷道の誘惑には乗らず、路面の良い県道198→R311(熊野街道)を乗り継ぎ、安全・確実に川湯温泉をめざすルートを選択しました。しかし、このペースで順調に走行を続けていくと、目的地の川湯温泉には宿のチェックイン時間前に余裕で到着しそうな気配です。部屋にも温泉にも入れず、待ちぼうけを食わされてしまうのは本意ではありません。
そこで、ちょっと寄り道。今回のツーリング中でも数少ない観光でも・・・・ということで、
熊野本宮大社に立ち寄ってみることにしました。古くは「
蟻の熊野詣」と言われるほどの賑わいを見せたと言われる由緒ある神社ですが、紀伊半島の山の中まで来れば、高野山や伊勢神宮ほどの観光客はおそらくいないはず・・・・という思惑も働きました。
大鳥居をくぐり雰囲気のある長い石段を登って、明日以降の筋肉痛を少し心配しながら、本殿をめざします。境内の案内図には、神殿の参拝順路が示されており、①家津御子大神(スサノオノミコト)→②速玉大神(イザナギノミコト)→③夫須美大神(イザナミノミコト)→④天照大神の順に参拝しなさいとのこと、ただし混んでいる場合には順番を厳密に守る必要はなく、空いている順に各神殿を詣でても問題ないとのインストラクションです。自分は左側の神殿から順番に参拝。どの神様にも、「
無事故・無違反・ノートラブル」で今回のツーリングを安全に楽しめるよう祈願してきた次第です。
さて、神頼みタイムも終われば、あとは自力で川湯温泉をめざすのみ。熊野本宮大社からは、国道を分岐するトンネルを抜けてあっという間の道のりでしたが、無事故・無違反・ノートラブルで初日の目的地に到着です。
GWの紀伊半島ツーリング、2日目は次回に続きます。