
1月最初の3連休。罪深き
ラスベガスで心身に纏わりついた正月の垢を、ホットな温泉で洗い流そうと、ゆるりと一泊二日の湯巡りの旅に出かけてきました。
初日の目的地は、栃木県北部・
馬頭温泉郷です。栃木の北部といっても、茨城県境付近のこのエリアなら、那須や奥日光とは異なり雪の心配がありません。万が一に備え、スタッドレスを装着しているGTIですが、出発した時点でタフな
スノー・ドライブを想定した計画などは毛頭ありませんでした。
いやはや。
いつものように、寄り道・回り道を身上とする中年オヤジは、今回もわざわざ茨城の広域農道
ビーフラインや、久慈川沿いのカントリーロードを北上して、大子町経由で目的地へと向います。冬の広域農道は、交通量も一段と少なくなって快適です。山間部を縫って走る無人の農道をひた走るドライブは、まるでウルトラ警備隊の
シークレット・ハイウェイをポインターで走行しているような様相を呈しました(汗)。
さて、旅も二日目。冬の朝、空気はキリリと冷え込んでいますが、天気は2日続きの快晴に恵まれました。絶好のドライブ日和です。今日は自宅に帰るわけですが、帰り道のルートは特に決めていません。さて、どこに行こうかな?
馬頭温泉の高台から遠くに聳える冬景色の山々を眺めているうちに、ちょっと雪を見に行こうか?という酔狂な気分がふつふつと沸き上がってきました。とりあえず、
塩原温泉方面まで足を伸ばしてみよう。そうと決まれば、iphone6で日帰り入浴可能な温泉旅館に目星をつけ、いざ出発です。
馬頭から大田原市内をバイパスで迂回し、R400で塩原温泉郷をめざしました。
冬場なので路面の変化には細心の注意を払いましたが、道の駅アグリパル塩原あたりまでの平坦部に積雪はありません。そこから大吊橋を越え、温泉郷へと向かう渓谷沿いのルートを登っていくと、路面には積雪や凍結の跡が少しずつ顔をのぞかせ、R400は冬らしい表情を見せてきました。
イイね!
温泉旅館が軒を連ねる塩原の中心部を抜け、日塩もみじラインへと向かう分岐の手前ぐらいまで来ると、路面は完全な圧雪路です。先行車のペースも、露骨にスローダウンしてきました。ええい!この程度の路面に恐れをなすとは、軟弱者め!しかし、中年オヤジの目的地は、さらにその先の雪深そうなエリアにあるのです。
二日目のドライブ。最初の目的地として考えていたのは、
塩原・元湯温泉です。「元湯」の名が示すように、塩原最古の温泉郷といわれるこの秘湯は、R400から山あいに分け入り、夏場なら15分程度でアクセス可能な場所に立地しています。しかし、時は真冬。国道から分岐して元湯温泉へと向かうアクセス・ルートがいったいどんな状況になっているのか?行ってみなければわからない、というのが正直なところでした。しかし、ここまできたら行くしかない・・・・ミシュラン・スタッドレスの走破性能に期待を込め、実際に足を踏み入れてみます。
除雪が行われた気配はあるものの、笑っちゃうほどの雪・雪・雪。今年はじめて遭遇する本格的な雪道がそこに待っていました。
亀のようなスピードまでペースを落とし慎重にコーナーをクリアしても、横滑り防止装置が頻繁に介入してくるほどの路面状況。要所・要所に「ここはすべる」と赤文字で記された直球すぎる警告看板も現れ、スノードライブの興趣を大いに盛り上げてくれます。上り坂ではスタックを失わないよう、下り坂ではコーナー手前の減速に注意を払って、悪戦苦闘。GTIは、渓流沿いに三軒の旅館が佇む秘湯・元湯温泉に無事たどりつきました。
中年オヤジが立ち寄った秘湯の宿・
元泉館は、日帰り入浴を800円で楽しむことができるリーズナブルな宿ですが、受付時にフロントでちょっと裏技を使う必要があります。「
ホームページを見た」とその場で申し出ると、入浴料金が200円オフの600円になるのです。
案内されたのは、硫黄臭たっぷりの白濁した熱めの内湯とぬるめの露天。お宿自慢の渓流露天風呂が冬囲いを施されているため、眺望が遮られているのは残念でしたが、2つの温泉を素っ裸で頻繁に行き来しながら、真冬の秘湯の醍醐味を満喫すれば、険しいルートを踏み越え、足を伸ばしてきた甲斐もあったというものです。実は、この温泉道楽が
思わぬアクシデントを招き寄せてしまったのですが、それは次回の記事で・・・・。
さて、ひとっ風呂あびたら、次は自宅へのルートを検討しなければなりません。元湯から日塩もみじライン・鬼怒川経由で日光道に入るのが最短ルートと思われましたが、時間に余裕のあったこの休日、性懲りも無い中年オヤジはR121・会津西街道で五十里湖沿いを南下し、川治温泉からK23、さらにはK169・
標高1000メートル超の霧降高原道路で日光をめざす本格的なスノードライブにトライしてみようか?などと考えはじめます。そうと決まれば、
Here we go!
前夜、馬頭温泉のお宿で夕食に
霧降高原牛(
「しもふり」ではない。「
きりふり」です)のしゃぶしゃぶを食したからか?、霧降高原に向けて高度を稼いでいくにつれ、中年オヤジのテンションも高まっていきます。途中、不意に現れる圧雪路やアイスバーンも何のその。ミシュラン・スタッドレスとハイテク装置を頼みの綱に、少々の横滑りも手のひらの上で楽しみながら、更なる高みへとGTIを導きます。しかし、閉口したのは、
高原の地吹雪でした。
大笹牧場のレストハウスを越え、標高1000m超の高原へと進路を向けてみると、気温はもちろん氷点下。防風林など遮るものが全くない放牧地では、ピーカンの空模様の下でも、地表から容赦なく雪が舞い上がり、地吹雪が猛威をふるっていました。
体験ツアーが企画されるほど名高い霧降の地吹雪ですが、自分にとってこいつは想定外の事態。こんな状況のもとでは、GTIとの記念撮影さえままなりません。厳しい状況をクリアするためには、とにかく前に進むしかありません。
GTIは霧降高原道路をぐんぐん前進し、遂には
標高1440メートルの最高地点に達しました。関東平野を一望に見下ろす眺望はもう最高!夏場なら万歳三唱をしたい気分ですが、今日は寒すぎる!こうなってしまうと、一刻も早く下界に降りたいというのが本音で、中年オヤジとGTIは、脱兎のごとく日光の街へと駆け下りました。
栃木県北部を走り回った正月3連休のスノー・ドライブ。
チキンな中年オヤジにとっては、十分すぎるほどスペクタクルな体験でしたが、秘湯・元湯温泉で不意に招き寄せたアクシデントが、次週も自分をこのエリアへと導きます。続きは次回に。