8月8日 午前2時半 起床。
なぜか娘は起きていた。
興奮して眠れなかったらしい。支度をして、クルマに乗り込み、午前3時出発。ちょっと肌寒い。
圏央道に乗り、ここから青森までずっと高速道路だ。
圏央道をほぼ全線、東北道をほぼ全線走ることになる。
ブルックランズでの高速道路は風がダイレクトにやってくる。時速100キロ超えると途端に風が容赦なく叩きつけてくる。
これが12時間続くのだ。
子供には辛いことだろう。
と思ったら、大声で歌を歌っていた。楽しそうだ。パパも一緒に歌った。
~San値ピンチ!San値ピンチ!
東北道に入るあたりで日が昇ってきた。
今日もいい天気になりそうだ。
娘にスマホを渡し、ポケモンGOをしながらドライブ。PA/SAにはなぜか必ずポケストップがあるので、タバコタイムとトイレタイムとアイテム補充を行う。
レアなポケモンには巡り会えず、ポッポばかりが溜まっていきます。
佐野SAで軽めの朝食、上河内で餃子、那須高原でソフトクリーム、安達太良でもソフトクリーム、なんて寄り道ばかりしていると、どんどん時間が過ぎて行く。
法定速度で走ると風がキツく、会話もしづらいので、90キロくらいでチンタラ流していると、なおさら時間が過ぎて行く。
仙台で、ずんだソフトクリームを食べた時に、龍飛到着予定時間を調べると、夕方5時ごろ到着予定となってしまった。
この調子じゃ青森県立美術館に午後3時くらいになりそうで、満足にあおもり犬とミュージアムショップが堪能出来ない。ちょっとペースを上げたいのだが、日差しと気温がきつくなってきた。
那須高原あたりはまだ涼しかったが、蔵王あたりで暑さもピークを迎える。路肩の温度計は35度を指している。
東北の夏、なめてたわけじゃないけど、軽く見てた。風は涼しいだろうと。
ここで、エアコン大活躍!
10%シーブリーズ水溶液の冷却能力は素晴らしい。
水分の気化熱と、シーブリーズのスースー感で、体表面の温度を一気に下げてくれる。
しかも、ヒンヤリ長持ち。
少し多めにシャツに吹き付けると、肌寒いくらいです。髪の毛も濡らしちゃいます。
サービスエリアでドリンク補給と、濡れタオルと、スプレー作りが、ルーチン化してしまったくらい。
走行中に、顔に向けてスプレー噴射しているセブン乗りは、なかなか珍しかったことでしょう。
高速走行していると、汗をかかない。正しくはかいているんだけど、かいたそばから乾いていく。日差しのギラギラさえなんとかすれば、高速走行については問題なさそうだ。
きっと、ケントユニットとかに比べてK6Aユニットは熱量も少ないのだろう。
こういう場合は、気づかぬうちに熱中症という危険が迫っている。水分塩分重要です。
スプレー吹き付け > ポカリ飲む > 仙台牛タンジャーキー食べる > スプレー吹き付け
この永遠ループを陽が傾くまで続けることになるのだ。
さて、青森インターチェンジに着いたのは、16時すぎ。なんとか開館時間に間に合った。
ここで1時間観たあとに、五所川原の寿司屋に行って、ホテル龍飛に到着するのが21時ごろか。
おやおや?駐車場ガラガラ。
あぁ、そういえば、今日は月曜。まさかね!
はい、休館日でした。
こればっかりは抗えない。あおもり犬に出会うことなく、美術館をあとにするのでした。
時間的アドバンテージは確保したものの、計画が崩れていきそうな軋む音がしてきます。
ミュージアムショップでお土産買うつもりだったのに、どうしよう!
これで回転寿司屋も定休日だったら、どうしよう!
とりあえず、五所川原の回転寿司に向かいます。先っちょツアーは、お寿司を食べるルールになりました。
先っちょは岬、岬近辺には漁港、故に魚が旨い、魚が旨いのはお寿司。
しかし、娘は回転寿司じゃないと緊張して満足に食べられないらしい。
先っちょツアーは、チェーン店じゃない、地物を扱う地元の回転寿司に行かなくてはいけないルールだ。
今回はそれが五所川原にあるのだ。
青森から3〜40分くらいで到着。
魚市場の中にある回転寿司屋で間違いなさそうだ。
イカ、ホタテ、ウニ、マグロ、ソイなどなど。
間違いなかったねぇ。
お腹いっぱいで、ホテルを目指します。
ここから2時間程度で到着するらしい。
予定よりも1時間近く早くスタートできたので、日没にさしかかろうとしているこのタイミングで五所川原というのが、まるで絶妙でした。
なかなか信号から先に進まないなぁと思っていたら、警察官が交通整理しています。
沿道には何やらポスターが。
五所川原立佞武多は、今日まで開催でした。
もう少し遅かったら、大渋滞に巻き込まれるところでした。いやいや、観てみるべきなのか?
ルート案内をみると、2時間の行程とはいえ、かなりアグレッシブなターンの続く峠道を越えるようだし、ここで時間ロスするわけにいかないので、立佞武多さんは、またの機会といたしました。
素敵な田んぼ風景と、夕焼けと、ワインディングが続きます。娘がいるから普通に走ってます。
んー、夕焼けが綺麗だけど、道順とか距離感とかわからない中走るので、心細いのと、街灯が一切なく真っ暗なのとで、ビクビクしながら走ってました。
339号線を北上します。
あたりはだんだん暗くなり、うねうね道が続きます。対向車も後続車もありません。
あとからルートをみると、シジミで有名な十三湖とか、素敵な海岸線を通っていて、きっと明るかったら素敵なドライブコースだったのだろうなぁと悔やまれます。
街灯がなく、山道で、しかも夏、となると、ハイビームヘッドライトに寄ってくるさまざまな虫たちが、恐怖を誘います。
おでこになんか硬い虫、肩口にチクチクする何か、小さなフロントガラスに容赦ない羽虫のシャワー。
山陰に巨大な影を見つけたら、それは風力発電の大きな柱。ガンバの冒険のイタチのような存在感で、僕たちの行方を阻んでいるかのようでした。
いつまでも山道がつづき、いつになったら海岸縁のホテルに辿り着けるのだろうか、心細いを通り越して、キツネかタヌキにばかされているのでは、などと思いながらも、車を進めます。
助手席では、娘がカーナビアプリで案内はしてくれるのですが、
「あと2分、道なり!」
「2分なわけないだろ!人工建造物的なものなんて、アスファルト以外一切存在してないぞ!」
「でも書いてあるもん、すぐ目の前だもん」
すこし坂を下ると、灯りが見えてきました。
やっとホテルにたどり着くことができたのです。
海岸縁のホテルだから、すこしは海岸線を走ってホテルに近づくものかと思いきや、峠道をダウンヒルしたすぐ先にホテルにぶつかる感じでした。
暗いってだけで不安になってしまうなぁ。
ホテルに着いて、車を見回したら、フロントグリルにハチが7〜8匹刺さっていました。胴体だけのヤツとか、脚だけのヤツもいました。とりあえず、虫大嫌いな僕らは見て見ぬ振りして、ホテルにチェックインしました。
続く。