栄光の血統
アルファロメオは第二次大戦より遥か以前よりレースをやり数々の栄光を手にしてきた。そして馬を飼い育てその後、馬は独り立ち。そして馬は戦前のアルファのようにレースをやり高級スポーツカーを生産するメーカーに成長。
その名は「フェラーリ」アルファロメオは言わば生みの親・育ての親のような存在です。
戦前のアルファロメオは今のフェラーリをも上回るようなGPカーと高級スポーツカーを少量生産していました。
そしてアルファロメオ自身は経営難から半ば国営化され1950年代には小型量産車の生産を開始。
この経営難から小型車を量産した1950年代半ば頃から1970年台頃までが戦後のアルファ第1期黄金時代。
初代ジュリエッタとジュリア。それをベースにしコーチビルダーがボディを製作。
今見てもミニフェラーリか?と思われるような素晴らしく魅力的なボディの小型スポーツカーが登場。
今で言えばのフェラーリが小型車を量産して、4気筒エンジンの車を製造しているのようなものですね。
これが現在まで続くアルファロメオとなります。
この経営難から小型車を生産してなかったらほとんどの人はアルファには乗れませんでしたね。
まさに天上から降臨してきた自動車メーカー。
第2期黄金時代はフィアットに吸収された後からか?
アルファ164 155 145 GTV FFへとなってしまいましたが、1980年代より活発に新型車を投入してきたようです。
特にその後の156とそれをベースにした147とGTの156系とも言うべき車達は、その後に発売されたアルファより、まだちょい小ぶりでお手頃なサイズ。
そして戦後から続く自然吸気DOHCエンジンの完成の時代。

アルファ伝統の4気筒エンジン 元は1950年代に開発して1995年頃まで生き残った。
改めてアルファはなぜ乗って楽しいのか?
やはり自分的には自然吸気DOHCエンジン。高回転まで回して絞り出すパワー感とエンジン音。官能的。。。自然なパワーの盛り上がり、アルファは一般道でそこそこのスピードでも十分に楽しい。少なくとも国産のこの手の車より低中速トルクが豊かで、いつも高回転まで回さなければ楽しくないような車ではありません。
ハンドリング。昔からアルファは限界の8割程度がイイと言われているようで、限界性能を追求した車ではない。
ハイパワーとガチガチの足回りだけが楽しい車では無い。
アルファの自然吸気DOHCエンジンはGTA以外はそこそこのパワーで公道でも十分楽しく使い切れます。(GTAはなかなか使い切れないと専門店の店長さんが申しておりました。)
そして国産のハイパワーの車に乗っている方にもこれは是非体感してもらいたい。
アルファへの乗り換えはスバル、ホンダからが多いと聞きました。
これらのメーカーのハイパワーの車は中古車でも、ビックリする程のお値段。
それ比べ特に156系は生産終了後7年から10年以上経っていますが、売れた車種なのでタマ数も豊富な方で、お値段お安めで程度も良くって、探せば走行距離のいっていないものもまだあります。
修理代は少々お高く欠品パーツもありますが。。
ちょい小ぶりでお手頃なサイズの美しいボディ。
そして最後の自然吸気の魅力的な4発と6発エンジン。コストパフォーマンス高いと思いますよ。

4気筒DOHC16V ツインスパークエンジン

6気筒DOHC24Vエンジン
夢の続き
CG誌 1982年1月号 GTV6 2.5試乗記
1982年5月号 アルファロメオ特集
CG誌1982年1月号は当時新車で購入するつもりだったスカイラインRSのレポートが載っていたのでCGをおそらく初めて購入した。
この2冊によりアルファロメオをより深く知るきっかけとなった。
CG誌 1982年1月号
Alfa Romeo訪問記 レポート・写真 吉田 匠
レポーターは当時CG編集部員だった吉田 匠氏。
セダンのアルファ6に搭載されていたV6エンジンがクーペのアルフェタGTのボディに載せられたので、ドイツのフランクフルトからスイスアルプスを越えてイタリアのアレーゼのAlfa Romeo本社を訪問した。
広報車のGTV6 2.5を借りてスイスアルプスの峠で試乗した時のレポート。
「GTV6の大きな魅力のひとつはアルファV6が加速時に発する例えようもなく素晴らしい咆哮だ。パワーが盛り上がり出すのと同時に時を同じくして3000rpm前後から顕著になるその唸りは、エンジンがカムに乗り始める3500rpm辺りで一段と高まり、4500rpmを超えてフルパワーを絞り出し始めるとさらに乾き切った音質にトーンを変えてクライマックスへ一気に登りつめる。この官能的でセクシーと言いたいサウンドは。。フェラーリのような少数のスーパースポーツを別にすれば今日の量産車でこれほど良い音を発する車は極めて稀で。。」
このレポートに触発されGTV2.5じゃなかったが20代半ばにアルファ伝統の4気筒キャブ仕様のアルフェッタGTを手に入れた。
まだまだ小僧でしたがアルファの素晴さに触れそれを体感した。
その後一度はアルファを離れ、国産DOHC車に乗り、極く真っ当なカーライフを送っていました。
人生も後半になりやはりもう一度アルファロメオ。。そして伝統・純血のV6に乗りたかった。。そして夢は実現しました。156で20年ぶりにアルファに帰ってきた。
手に入れてみたら。。
乗って良し、眺めて良し、いじって良し(笑)もういけません。小悪魔美女のようなささやき。。。
こんな気持ちになるのは国産車では絶対ありえない、やはりアルファだけ。。。
そしてこのV6エンジンのレポートから約35年 DOHC24Vへと進化したV6エンジンは少々媚薬をかがせてはいるが素晴らしい高音を奏でるまさにアルファミュージック。
2代目156ではそれに加えて文句も付けようもない高回転域のパワー感とトップエンドまでの吹け切り感。これはこのレポートのGTV2.5以上のものかも知れない。。
GTV2.5 ミラノ市内ポルッテロ地区のアルファ創世期からの古い工場の前にて
スイス東南部の山岳地帯
このレポートAlfa Romeo訪問記と掲載されたこの2枚の写真は自分のアルファへロメオへの思いの原点です。
ミラノ市内とスイスアルプスで撮られたこれらの写真から想像すると、こんな会話が聞こえてきそうで。。
「ブルネロさんこれからミラノ市内のトラットリアでランチにしましょうか?」
そしてひとしき車談義したら。。
「峠道でも軽く攻めに行きますか?久しぶりに乾いた小粋なエクゾーストを存分に楽しみたくなったので。。天気も良くなってきたので行きましょうよ走りに」
アルファロメオ再び。。夢の続きへ
おわり