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最近マウンテンバイクのブログばかりですが、決して自転車ばかりだったというわけではないんです。

9月下旬、黒部渓谷「下の廊下」に行ってきました。
黒部ダムから下流のトロッコ駅「欅平」まで1泊2日の行程でした。

ちょっとハードめの山歩きかな、と思っていたのですが、予想を遥かに上回る凄まじくも素晴らしい場所でした。技術よりも、精神的に相当に疲労するコースでした。

下の廊下の岸壁に張り付く旧日電歩道は、黒部渓谷の発電所建設のさいに作られた狭い道で、岸壁をくりぬいたり、丸太を渡しただけのような非常にスリリングな道です。時に足元200ｍくらい何もないような高度感あふれるコースレイアウトです。
建設工事当時には大勢の作業員が亡くなっていますが、拡幅もされ、針金やロープなどの手がかりも設置され、結構有名なコースになりました。

私は結構ビビリなようで、心配な箇所では持って行った簡単なハーネスとカラビナを針金に架けかえながら歩きました。ハーネスとカラビナ無しでは神経が磨り減って厳しかったと思います。

険しくも美しい渓谷にどっぷり浸った2日間でした。山小屋ではトロッコのトンネルから噴き出す温泉を満喫しました。

大変素晴らしい道でしたが、10月上旬、長野・富山県境付近を震源とする小規模な地震の影響で崩落した箇所があり、落石で死傷事故も起きました。現在不通になっています。当日通行した人の写真では、堰止湖もできたようです。
不通になる前に行けてよかった、というより、自分が行った時に地震がなくて良かったという思いの方が大きいですね。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

豪雪地帯の急峻な渓谷ゆえ、毎年の山道整備の労力は大変なものがあると思います。関西電力が整備を担い、業者や山小屋関係者が維持にあたっているのですが、本当に頭が下がります。
来シーズンの通行は可能になりそうな雰囲気ですが、いつか本当に不通になってしまうのではと心配です。不通になったらひたすら沢登りで踏破したいですけど。
ここはいつまでも残していきたい素晴らしい道です。

あ、あと、下の廊下、イワナたくさんいます。多分1日で数十匹から3桁狙えるかもしれません。でも、下の廊下でのキャンプは禁止なので、事実上釣りの旅は難しそうです。