それは、偽りの3dステージだったのです。
あのお友達からの突然のメッセージに、おじさんのスマホを持つ手は震えます。
何しろ、このおじさんのみんカラのメッセージ欄にみんカラ編集部以外から何か届いたことはありません。
お友達の数も片手で足りるほどです。
このおじさんは、決して人見知りな方ではありませんが、みんカラの存在を知ったのもほんの1年前のことですし、オフミという催しにも全く馴染みがありません。
投稿されたレビューやブログにコメントすることですら勇気を振り絞る程ですから、自分からのお友達申請など以ての外です。
それでも、あちこちに足跡をつけまくりながら良さげなものを真似、取り付けたパーツのレビューを投稿しては
「イイね♪が3件ついたよ!」
などと、聞かれてもいないことをお嫁さんに報告し
「たったそれだけ〜!地味だね」
と、失笑を買うお茶目なおじさんでありました。
そんなおじさんですから、まさかのお友達からのメッセージにあたふたするのも仕方ありません。
しかし、あのお友達の車に同乗できるという、このおじさんにとって魅力的過ぎるお誘いです。
それに何より、単なる移動手段に過ぎなかった車の運転を
新たな趣味と言える程までに、このおじさんに影響を与えた
お友達からのお誘いです。
断る理由などあるはずもありません。
翌日、おじさんは緊張に包まれながら
お友達へメッセージの返信をします。
そして、まさか自分がオフミに参加することになるとは
夢にも思っていなかったこのおじさんは、オフミ当日までの数日間を
ソワソワ、ワクワクと過ごします。
もちろん、お嫁さんのご機嫌を損なわぬよう細心の注意を払い
良いおじさんをアピールすることも怠りません。
慣れない家事を手伝ったり、お土産にお嫁さんの好きなスイーツを
持ち帰ったりと、思い付く限りの諸行を繰り出したのでありました。
そうして迎えたオフミ当日。
おじさんはとんでもなく早起きします。
まるで遠足の日の朝を迎える小学生のように。
そして集合時間の3時間も前に現地に到着し、時間を持て余したおじさんは
「もう着いたよ。」
と、まだ寝ている嫁さんに迷惑千万な電話をします。
当然、お嫁さんは
「バカじゃないの!」
「もう〜行動が小5並みなんだよ〜!」
と呆れた口調で言い放ち、さっさと電話を切ってしまいます。
これまで積み上げてきた加点を一瞬のうちにチャラにしてしまうおじさんでありました。
さて、そんなアクシデント?もありながら待つこと数時間、いよいよオフミがスタートします。
幸運にもその日、i-DM界ではトップクラスのドライバーであり
2015 Be a driverなオフミで現在、総合ランキング1、2位に君臨する
ご夫婦が招かれており、その麗しき奥様の運転する
ブルーリフレックスカラーのアクセラに同乗させていただくという
機会にも恵まれます。
そして、i-DMの青ランプはもちろんのこと、ブレーキングから旋回、加速と見事にコントールされたG一定の乗心地の良い運転に酔いしれるおじさんでありました。
その後、いよいよ念願だったお友達だちの運転する車に同乗の時がやってきます。
ブログにアップされた動画の、観ているだけで気持ち良さが伝わって来るかのような、あのお友達の運転です。
それは、正にi-DMの青ランプの定義である、しなやかな運転そのものでした。
いたって自然体で、流れるように、そして正確に各操作は行われます。
0.2、0.3Gとそれぞれ目標Gを設定しての走行でしたが
やはり見事にコントールされた車の挙動を感じながら、おじさんは
マツダの提唱する意のままに車を操る『人馬一体』感を垣間見るのでありました。
この2度の同乗という幸運なひとときを過ごした後
おじさんは重要な事に気づきます。
スキーには検定というものがあり、1級と言えばかなり滑れるスキーヤーですが、その1級の検定を受けに来る方の殆どが、俗に言う
『なんちゃってパラレルターン』で撃沈していきます。
上級者は正確で素早い荷重(重心)移動により、ターン前半で的確に雪面を捉えスキーのトップが谷へ向かって行きます。
たわんだスキーと雪面からの外力でターン後半、フォールライン向かって
スキーは走り、同時に次のターンへの準備も完了させます。
さしずめ、仕事が早く、さっさと家に帰り、次の日の仕事の準備も
万端と言ったところです。
一方『なんちゃってパラレルターン』は荷重(重心)移動が曖昧で
時間もかかる為、雪面を捉えるタイミングが遅くなりフォールラインを
過ぎてようやく次のターンの準備に入れると言った具合です。
当然、スピードもコントロールできませんので、いわゆる暴走とジャッジされる訳です。
上級者になればなる程、この一連の動作は洗練され綺麗で丸いターン弧を
描くことができるようになり、どんな急斜面でもコントロールを失うことはなくなります。
その基本動作を身につける為に、撃沈したスキーヤーは初級者でも滑れる様な緩斜面で繰り返し繰り返し、反復練習を行うのことになるのです。
話が多少ズレましたが、このおじさんは昔スキーにはまっていた時代が
あり、お金を戴き人様に教えていたりもした様ですので、ここはひとつ
少し語らせてあげるとしましょう(笑)
そうなんです。このおじさん気付いたこと。
それは自分の運転は
『なんちゃって3dステージ』だったんだ!ということでした。
偽りの3dステージだったのです。
このおじさんの愛車、鳩色のアクセラは『はとセラ』ではなく
ただの鳩だったのでありました。(爆)
続く…
オフミ帰りの道中、このおじさんが皆さんに感謝しきりだったことと
失ったポイントを取り戻す為に、お嫁さんにお土産を買ったことを追記いたします。