
GW前半、瀬戸内に浮かぶ「
アートの島」へ行ってきました。
数年前、新聞で拝見して以来、ずっと訪れたかった「
Benesse Art Site Naoshima」・・・
自然とアート、建築が共生するこの地で、ゆっくり流れる島時間を満喫して参りました。
長編レポではありますが、、、
当日の雰囲気を少しでも感じて頂ければ幸いです。
直島へは、岡山県の
宇野港から、朝一番のフェリーで渡りました。

今回、E91に乗ってから、初めてのフェリー体験!
わずか20分程の船旅ですが、何だか長い旅に出た様な気持ちになります・・・
「赤かぼちゃ」
草間彌生

島へ着くと、早速素敵なアート「赤かぼちゃ」(世界最大のかぼちゃ)が迎え入れてくれました。
(所々穴が空いていて、中に入る事ができます。)
草間さんの「かぼちゃ」を目にするのは、今回二度目(以前
グラントワで拝見)でしたが、海を借景にすると かなり雰囲気が変わります。
「BUNRAKU PUPPET」ジョセ・ド・ギマラインシュ

周囲には、直島の伝統芸能「女文学」をテーマにした作品があります。
文学人形の動きや裾のさばきを表現しているとの事ですが、恥ずかしながら、私はゾウのアートだと思っていました(笑)
「南瓜」草間彌生

直島の二つのかぼちゃのうち、最初に制作された「南瓜」。
桟橋の上に設置されたこの南瓜は、島を象徴する作品です。
(ようやく この景観に出会う事ができました!)
当日は不安定な天候で(非常に風が強く)、時折高波にもさらされていましたが、この景観を目の当たりにした感動はひとしおでした。
「
ベネッセハウス」

安藤忠雄氏 設計の、ホテルと美術館が融合した施設(今回の宿泊先)です。
世界にも類を見ないこの「
泊まれる美術館」・・・
内外いたる所に建物や風景と共鳴する作品があり、客室から見えるランドスケープも
全て計算の下つくられているそうです(驚)
(因みにこちらのホテル、館内は全て撮影禁止(屋外の作品は除く)となっています。笑)

手荷物を預け、ミュージアム駐車場に戻ると、E90の姿が・・・(笑)
打ちっぱなしのコンクリートの美しさを生かした安藤建築と、BMWのスタイリングは良く似合います。
過去に何度か安藤氏の建築に触れましたが(
尾道市立美術館&
成羽町美術館)、私的にこの場所が一番気に入りました。

お次は、ミュージアム前の道を下り、、、
ベネッセハウスの海岸沿いの宿泊施設(
パーク・
ビーチ)周辺を散策する事に・・・
「腰掛」ニキ・ド・サン・ファール

パーク・ビーチの周辺には色々なアートが点在しており、こんな作品や、、、
「かえると猫」カレル・アペル
こんなカワイイ?作品達に出会えます。
「らくだ」ニキ・ド・サン・ファール

他にも色々な作品がありましたが、紹介はあえてここまでにしておきます(笑)

松の木も、ちゃんとアートしています(笑)
(因みにこの時、立っていられない程の強風で、カメラが潮にまみれてしまいました。汗)
海岸散策を楽しんだ後は、、、
今回の旅のメインとなる場所へ移動します・・・
「
地中美術館」

今回一番訪れたかった場所です。
■安藤忠雄氏設計の「地中美術館」
美術館のほとんどが地中に埋まっている事から、この名がついたそうです。
風景としては造形物は見えない所までもっていってしまい、外観はありません。
こちらの美術館・・・
作品や建築物など、色々とお伝えしたい事はあるのですが、、、あえてこれ以上触れません。
直接この地で、その素晴らしさを体感して頂ければと思います。
(因みに、地中カフェからの景色は最高ですよ!)
芸術に触れた後は、、、
宿泊者専用バスを利用し、直島のもう一つの見所、「
家プロジェクト」に向かいます・・・
※家プロジェクトとは・・・
直島の歴史の中心を担ってきた、本村地区の旧家を再生させる試みがきっかけとなり、1997年にスタート。人々が暮らす日常の家並みの中に、作品を入れ込んであります。
(画像は、本村地区の様々な場所で見られる、民家の暖簾です。)
「南寺」

7作ある家プロジェクトのひとつ「南寺」
歴史ある土塀と調和したこの建物も、安藤氏の作品です。
(左側の崩れかかった土塀も観賞対象です。)

ここは作品よりも、暗闇の中、壁伝いに展示室に移動する方が印象に残りました(笑)
私的に、内容は少し分かりにくかったかな!?
「護王神社」

写真家・杉本博司氏が設計した「護王神社」

本殿地下の石室は、ガラスの階段で結ばれています。
薄暗く狭い石室を出ると、一転して広がる瀬戸内の海景色・・・
「海景」シリーズを撮影している、杉本氏らしい仕掛けが施されています。
(晴れいていたら最高だったろうなー)
因みに、奥まで行くと地面には水がありますので、注意が必要です(笑)
この後、突然雨が降ってきた為、、、
急いで残りの作品を鑑賞し、ホテルに戻りました。
(今回掲載していない作品は、その他のアート同様、実際に体感して頂ければと思います。)
「
ミュージアム」

部屋からの景色です・・・
美術好きという事で、ミュージアムを選択しましたが(ビーチやパークも検討しましたが)、やはりこちらを選んで正解でした。
一面に広がる海景色に、思わずため息が出てしまいました。。。
(テラスからは、行き交う船や、瀬戸大橋も望めます・・・)

部屋にはこんなアートも・・・
テレビをあえて設置していない所が、また良いです。
一息ついた後は、ベネッセハウスの宿泊者しか見れない景観を愛でに、別館の「オーバル」へ向かいます。
「モノレール」

オーバルへは、専用モノレールで行きます!
当日は風が強く運転中止となっていましたが、運良く天候が回復し、景観を楽しめる事に(ワクワク)

5分程の空中散歩を楽しむと、オーバルに到着です。
ここからの景色も充分素晴らしいです。

周囲は緑が溢れ、水のせせらぎが絶えません。
「
オーバル」

その名の通り楕円の形をした建物、オーバル。
水景と空が織りなす景観は、素晴らしいの一言です・・・
この景色を愛でるだけでも、ベネッセハウスに泊まる価値があります。

楕円の空間から覗く空が美しい・・・

階段を登り、最上部へ。

やわらかな瀬戸内の空と海・・・

左手には海と南瓜(左下)の風景が・・・

振り返ると山々が見渡せます。

海の青色のコントラストが綺麗だったー

帰りは、鳥のせせらぎを聴きながら山の路を歩きました。
その後部屋に戻ると、、、

先程とはまた違った素晴らしい風景が・・・
しばし時を忘れ、見入ってしまいました。。。
夕景の美しさを堪能した後は、再びアート見学に繰り出します。
「三枚の正方形」ジョージ・リッキー

海を望む丘にあり、風を受けるとゆっくりと(作品の下には水槽があり)動きます。
最初に見た時、壊れているのかと思いました(笑)
「シップヤード・ワークス 船尾と穴」大竹伸朗

廃船をヒントにした作品で、夕陽を受ける姿が、また素晴らしいです。
穴の中から降り注ぐ陽光・・・
いつまでも、ここにいたくなりました。
「シップヤード・ワークス 切断された船首」大竹伸朗

浜辺には他にも、宇和島で制作された同シリーズの作品があります。
夕陽を背に何気なく佇む船首、、、こんな場面もアートです。。。
その後、再びミュージアムに戻ると・・・

カフェにも同じ様な!?場面が(笑)

ひとしきり遊んだ後は、ミュージアムカフェで、瀬戸内の海と空を愛でながらシャンパンを頂きました・・・
そして最後に、ミュージアムの「ギャラリーツアー」に参加し、島での1日を締め括りました。。。

夜食(おにぎり)の差し入れが、何ともうれしかったです♪
そして、翌日は・・・

早朝より海岸線を散歩して、体を目覚めさせました。(ミュージアム前坂道にて)
朝の澄んだ空気が気持ち良いです。

朝日を受ける山のシルエット・・・
早起きをすると素敵な景観に出会えますねー
そして、そのまま海沿いを歩き、再び南瓜の場所へ・・・

今日は風が穏やかで、海を見つめる南瓜も気持ち良さそうです♪

せっかくなので、愛車を持ってきて一緒に撮影しました(笑)

愛車撮影を楽しんだ後は、少しクルマを走らせ、昨日見れなかった残りの屋外アートを見学する事に。
「もうひとつの再生2005-N」三島喜美代

ようやく見つけました!
観光案内には掲載されていない、隠れたアート!?です。
クルマと比較するとその大きさが良く分かります(笑)
「タイム・エクスポーズド」杉本博司

こんな岸壁にもアート(中央の四角い部分)が・・・
このアートには驚かされました!
因みにこの作品は、夜の水平線をイメージしていて、ミュージアム内の水平線の作品と共通しています。
また、ミュージアム内に展示された黄色と黒のボートと同じく、浜辺にも同じ様に「ボート」(右下)が配置されています。
凄いコダワリです!

アート見学の後は、早目にチェックアウトを済ませ、もう一度ミュージアムの姿を収めました。
この度は、素敵な時間をありがとうございました!
「海の駅・なおしま」設計・建築家ユニットSANAA

最後は、ガラス張りのフェリーターミナルへ移動し、アートの島を後にしました。。。
何とも感慨深いです。。。

波・風・光、、、そして、ゆっくりと流れる島時間・・・
自然と建築美の共生に触れ、豊かな時間を過ごす事ができました!
■島の全てがひとつの美術館である、「直島」
皆さんも頭の中をからっぽにして、自然美(風景)と建物の共鳴を、のんびりと楽しんでみませんか。
きっと素敵な何かが見つかると思いますよ!