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水窪地域の林道記録 (戸中川沿い・奈良代編)
水窪ダムから降りてきた知多どくお一行は
水窪市街地の「国盗り」にて食事をとったあと次の目的地へ向かう。
---水窪。
浜松方面から国道152号線を北上するルート。もしくは遠山方面から兵越峠を南下するルート。
アクセスはこの2本だけのように思われるが、実際はそうではない。
水窪市街地から西側の山を越えて天竜川沿いへ抜けていく林道がある。
駆け上がり、山沿いを進み、天空の集落を抜けながら領家変成帯をまたいで越えるその林道の名は・・・
林道 天竜川線
全長約20キロ(全舗装)
幅平均1.3車線
生活林道
天竜川沿いと水窪をつなぐ生活林道となっているが
山間の小さな集落を拾いながら進んでいくことになる。
地質があまり良いとは言えないためところどころに崩落やその前兆がみられる。
落石だけでなく、路面の変形もところどころ見られ走行は十分に注意されたし。
治山工事も苦労しているようでかなりきわどいところまで手が入っている。
そんな場所に道を切り開いたため、工事費用はかなり大きくなったようである。
19億林道。
私はこの道路をそう呼ぶことにした。
①
起点はここから始まる。
飯田線の線路を超えて少ししたら見えてくるカーブの後。
左折したところから天竜川線である。
あまり関係のない話だが中央構造線の「領家帯」とは、この水窪奥領家の地名に由来するものである。
②
隘路を進み、霧でよく見えないがおそらく景色がよさそうであろう道を登り続けると
隧道が姿を現す。
林道にある隧道だから・・・林隧道・・・だろうか。
普段林道となるとトンネルというか谷を切り開く「切通し」がよくあるのだが
さすがにここはそういうわけにはいかなかったものと思われる。
隧道を抜けて見えてきたのは分岐点と石碑。
まずは石碑を見てみると、林道開通記念に建てられたものらしい。
特に注目するべき点は総事業費19億というところだろうか。
このような場所に20キロのロング林道を敷いたのだ、そのくらい当然だなと石碑を眺める。
そしてまわりを見渡すとやはりきわどい崖が霧の中に佇んでいる。
現在も行われている治山工事の費用も考えるとさらに費用がかかっていることだろう。
次に分岐を見てみる。
この分岐はまだ開通していない林道らしい。
林道の名前は「池の平矢岳線」。
熱狂的知多どくお氏ファンならピンときたかもしれない(そもそも熱狂的ファンなどいるのかはさておき)が、
先日紹介した静岡県道290号線から侵入する林道がここにつながるようである。
ここからあの場所もだいぶ距離がある。
工事もかなり長いことかかっているようだがこの様子をみるに開通はまだまだ先だろう。
そしてさらに進むと2本目の隧道が見え来る。
ここも恐ろしいほど谷である。
いや、無理やり谷にしたのかもしれない、写真ではわかりにくいがコンクリ吹き付けの崖がかなり上まで続いている。
③
2本目の隧道をくぐりところどころ見晴らしのよさそうな崖沿いをはしり、
大体林道の真ん中くらいの場所で再び分岐が現れる。

ずいぶんな案内であるが左へ行くと愛知県へ向かう林道「西山線」に接続する。
この西山線は最終的に飯田線大嵐駅(おおぞれ)にたどり着き、天竜川に巡り合える。
本来のドライブ予定ではこの西山林道を走って解散する予定であった・・・が・・・
ここまで天竜川線を走ってしまったら終点まで行かないと気が済まないのが深青魂動の冒険者。
まっすぐすすみ長野県方面へアクセルを踏む。
④
ずっと、隘路が続く。
だがその隘路沿いに集落が存在する。
もちろん廃墟となったところもあるかもしれないが、
以前訪れたこともあるジャパンチロル「しもぐりの里」と同じ雰囲気を感じることができた。
⑤
・・・延々と林道を走り
静岡県と長野県の県境に到着する。
天竜川線起点から約20キロ。ここで、林道は終点である。
本来なら舗装路とはいえ19億を走りぬいた達成感を味わいたかったのだが・・・
林道が終わっただけで、
国道にでるのにまだ10キロ以上同じような道を走らなければならない事実がある。
午前中から悪路や隘路を走り続けた私の体力はかなり消耗していた。
さ、さすがにちょっと休憩させてもらおう・・・
つづく