「すいません おそくなりました」
若い男性が事務所のドアを開けた
「あっ わかりました ご苦労さまでした」
男は笑顔で応える…
しかし、笑顔とは裏腹に男はかなり焦っていた
16時ごろ、男のもとに1本の電話が…
内容は、男がセコムさんに依頼した熱探知警報機の移設工事であった
男は1時間ほどで終わると聞いて、OKを出したのだ
「ちっ 時間がねぇ~なぁ」
男の腕時計は17時40分を指していた。
男は慌ただしく着替えをし、彼の愛車へと走る
「さぁ いくか」
男はステアリングをなでる
AXISの本革仕様であるが、表面はガサガサになっている
さすがの本革もかなりの距離を走り込むと、擦り切れてくるようだ。
しかし、そのガサガサの感触も男にとっては心地好い
会社を出るまえ、男はどこかに電話をしていた
会社を出て、20分くらいしただろうか…
男は「ふと」助手席に視線を移す
そこには…
男の体格に負けない位、かっぷくのいい男性が…
後の席にも怪しい男達がいた
そう 今日は「らーめん同好会」の定例会であった
工事が遅れたため、集合時間に間に合わず、メンバーを待たせてしまったのである
車内では、今日行くお店の話題で盛り上がっていた
着いたところは
「神やぐら」さんである
お店の看板のとおり、極太麺の「がっつり」系である
男が注文したのは、「ラーメン肉ましW(ダブル)、煮玉子トッピング、野菜多め、背脂多め」の大盛りである
出てきたのは、
スカイツリーのようなラーメンであった
「どうやって食うねん」
男はつぶやいた
他のメンバーさんからは、「食べ切れるん?」の声が…
完食である
スープはとんこつベースの醤油である
なかなかどうして美味しいではないか
麺も細うどんのようの太い
残ったスープを見てほしい
白く浮いているものは、すべて背脂である
さすがの男もこんな背脂がゴロゴロ入っているとしつこいようだ
普段なら「らー」のハシゴもなんでもないのであるが…
店を出るとき、店員が「よろしかったらアイスをどうぞ」
ひとり一本「チューペット」がもらえるのだ
もたれぎみの胃袋には、冷たい良い刺激だ
店の前でおっさん4人が「チューペット」を「チューチュー」する
異様な光景である
ある意味営業妨害のような
帰りのクルマの中は、当然、今日のお店の評価合戦である
ボリュームという面では、だれも異論はない
スープも皆、高評価であった
ただ、極太麺に関しては意見が分かれた
そうこうしているうちに、集合場所に到着
皆、各自のクルマに乗り込み帰宅の帰宅の徒につく
「さぁ プレちゃん 俺らも帰るか」
男は残り40キロを「らー」の余韻に浸りながら愛車を走らせるのであった
つづく
Posted at 2010/09/14 22:45:56 | |
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