昼前に営業からC63の試乗車が回ってくると連絡があり、午後、早速試乗してきました。
他のお客様も待ちわびていたらしく、平日にも係わらず、ほぼ予約で一杯の状態。
1時間ほど枠をもらい、第三京浜から横浜新道、横横、湾岸、狩場線、再び横横、湾岸、第三京浜のルートを走ってきました。
このコースはアウディを試乗するときに使っているルートで、短時間で高速コーナーを試すには手ごろです。
走り始めた第一印象。「サスが異様に硬い。」 先代とは別物です。
高速に入ると路面の凹凸をダイレクトに体に感じてしまいます。
歌を歌いながら走ると、ビブラートがしっかりと効いてうまくなったと感じてしまうかも。(^^;
路面の凹凸を無視して加速していくと、カツッ、カツッっとトラクションコントロールが介入しながら加速していきます。
加速自体はNAらしいもので、GT-Rに乗ってしまうと物足りなさを感じてしまうかもしれません。
といいつつも、○80キロあたりからでもアクセルをガツンと踏めば、躊躇無く加速を始め、行き付くところまでさっさと行ってしまいます。
直線では、路面の凹凸を体で受け止めながら走ることを余儀なくされますが、コーナーに入って横Gとともにサスに負荷がかかってくると、以外としなやかさを見せてくれます。(コーナーリングはあえてしなやかといいたいです。)
硬いサスの車によく見受けられる、「サス自体がよれる」ようなことは微塵もなく、きれいにトレースしてくれます。(TTではとうによれているスピードでも全くよれません。)
フレームも相当強化されているようで、□00キロを越えたコーナリングで、路面の凹凸のおまけがあっても、「よれた」と感じさせることはありません。タイヤが負けていると感じることはありましたが。
ブレーキは強力で、どのスピードからでもしっかりと踏めます。
プレーキを強めに踏むと、コンフォート、スポーツモードともにブリッフィングを当てながらシフトダウンしてくれて、適度なエンブレを与えてくれます。
コンフォートでは緩やかに、スポーツではもう少しアクティブに介入してくれるようです。
ブレーキングでエンジンの回転が残る分、続いてのアクセル操作でギクシャクする場面がありましたが、慣れれば適度なアクセルを与えることで回避できると思います。
前後しましたが、変速モードには、コンフォート(C)、スポーツ(S)、マニュアル(M)の3つのモードが、シフトノブの横のリサイクルマークのようなスイッチによってトグルに選択できます。
個人的には、AT/MTモード切替と、コンフォート/スポーツモード切替の2つに分け、できればハンドル上に配置して欲しいところ。
スポーツモードでは、比較的高回転域に維持してくれて加速感もありますが、ギクシャク感も大きく、個人的には好きになれませんでした。
何度か試しましたが、結局はコンフォートのほうが微調整が効いてコントローラブルだと思いました。
加速したければガツンと踏めばいいわけですし。
マニュアルモードにすると、キックダウンしてもシフトダウンしません。
また、レブにあててもシフトアップしません。
シフトアップの反応は比較的速いほうだと思いますが、シフトダウンはほんの少しおいて反応する感がありました。
パドルは操作していて楽しいのですが、この車では、速く走るための方法ではないように思います。
また、パドルはコンフォートやスポーツモード時に操作しても切り替わりますが、モードスイッチによるマニュアルモードとは動作が異なります。
こちらは、従来のベンツのシフトノブの操作によるものと同じで、シフトダウンのパドルを操作するとシフトダウンするのですが、シフトアップする段数を制限するだけの動作です。
即ち、この状態でアクセルを踏み込めば必要に応じてその範囲でシフトチェンジします。
例えば料金所で、エンブレとしてシフトダウンして停止したとしても、解除されず、加速時に思いっきり吹け上がってしまいます。
ボタンスイッチからパドルレバーに変更されて、徐々に改善はされているのですが、まだまだ不満が残るところです。
その2でも触れると思いますが、「走るぞ!」モードでコーナーに入ると、車が、「よしきた!」モードになって、多少アクセルを緩めても簡単にはシフトアップせず、7000回転付近を維持してくれます。(2回目の試乗で判ったことですが、早だしペナルティということで。)
これはスポーツでもコンフォートでもなります。
AMGスポーツシフトというやつでしょうか。
これを体験するとパドルの操作は要らないと感じてしまいます。
さて、1時間の試乗を終えての感想です。
試乗前の期待感が強すぎたためか、加速については新鮮さを感じられませんでした。(おっと)
○90キロまではGT-Rのほうが速いかも。(しっかりいじめてないので推測ですが。)
サスは4ドアセダンとは思えない硬さです。
車を選ぶのに、家族同伴で試乗すると、きっと却下されることでしょう。
それが懸念される方は、C63の試乗は一人だけで行なって、ご家族にはあえてC300辺りに同乗させて、「これのもう少し速い車」ということでお茶を濁しましょう。(^^;
買ってしまえばこっちのもんです。はい。
スポーツパッケージを選ぶことによって、もっと硬くして、SMの世界を体験するのも乙な選択ですね。(^^;
と、今回はこの辺りで。
今回は中途半端な試乗だったので、総評はその2で。
写真を何枚か撮りましたのでご覧下さいませ。

AMG車によく見られるボンネットの左右2本の盛り上り。
フロントスポイラーのメッシュのエアインテイクはAMGであることを主張しています。
一緒くたにベンツと見てしまう人には同じに見えてしまうことでしょう。
あまり目立ちたくない人には、「羊の皮を被った狼」的な存在で好都合かな?

C63とAMGのエンブレム。
加えて少し突き出た4本の楕円マフラー。
判る人には判るが、判らない人にはただのベンツ。
それでいいんです。

標準の18インチの5本スポークホイール。
オプションのパフォーマンスパッケージで、19インチの16本スポークホイールが選択できます。(Code:788)
加えて、パフォーマンスパッケージのCode:P30を選択すると、強化ブレーキ、強化サスペンション、LSD、ナッパ+アルカンタラステアリングと、よりハードな世界へ導いてくれます。(^^;

メーターまわり。
露出不足でブレブレですが、これ一枚しかなかったので悪しからず。
なんだか針があらぬところを指していますが、エンジンをかけたときのテストモードなのかな?(^^;
あとから見たらこうだった、ということでご容赦。m( 。。)m
記憶にございません、ということで。

Navi周り。
HDDだそうです。
なんだか、先代にも増してチープさが気になってしまうところ。
質実剛健というやつでしょうか。
C55に試乗したときは、パワーこそはないものの、堅牢さがこの辺りからオーラのように漂っていたことを記憶しています。
これがこの車にあったバランスなんだ、みたいな子憎たらしい主張のようなもの。
今回はそこまでは感じられなかった。というか、感じるゆとりが無かったのかな?
あ、堅牢さそのものは明らかに増しています。はい。

左ドア近辺。
ご参考までに。
尚、パフォーマンスパッケージのCode:H73を選ぶと、ウッドパネルがカーボンになるみたいです。

こちらは右側ドア付近の写真です。

助手席シート。
運転席側も同じです。
着座すると埋まりこむ感じでホールド感は高いです。
電動で脇の締め付けの調整が可能です。
ただ、太もも付近の開きが大きすぎて、コーナリング中に足の固定がいまいちのように感じました。
C63試乗(その2)はこちら