担当営業マンより、"クラッシク聞かれますか?"と尋ねられ、"好んで聴きますよ。"、と答えたら、ドイツ高級時計ブランドのA.ランゲ&ゾーネとの協賛イベントのコンサートに招待していただきました。
コンサートはドレスデン国立歌劇管弦楽団によるツアラトゥーストラかく語りきとアルプル交響曲。
日本に居ながらにして、ドイツ三昧の一日でした。(^^;
まずはアウディフォーラムで、A.ランゲ&ゾーネコレクション展示会。
一番高価な時計の値段を聞くと\52.5Mとのこと。
なあんだ、無理すれば買えるじゃん。
と思っていただければ思うつぼ。もちろんMは万ではなくてミリオンです。
アウディで、R8 5.2FSI+RS6+S3をオプションてんこ盛りで注文しても、おつりがきてしまうお値段です。

こちらの写真はランゲ1。お値段は300万から500万辺りです。
右側の燃料系のような針は、そのものゼンマイの巻き量を表示しています。フルに巻いて3日動き続けるそうです。
精度は122.6年に1日しかずれないそうで、計算すると、1.9sec/day、約22ppmで、機械式でこんな精度が出せてしまうなんて驚きです。

こちらの写真は2009年発売予定のランゲ31。巻き量を示す針が大きく円弧を描いていますが、31日分パワーリザーブできるとのこと。
こちらのお値段、約2000万するらしいです。
さて、A.ランゲ&ゾーネという会社、ドイツ、グラスヒュッテの時計メーカーで、創業は1845年。
貧困・失業対策として工房を開設し、グラスヒュッテおよび周辺の子弟に、時計の製造技術のノウハウを伝授したのが始まりだそうです。
ランゲ&ゾーネはランゲとその息子たちの意味だそうです。
創業から100年目の1945年に空襲で工場が被害をうけ、1948年には東ドイツに接収され、国営工場に統合されてしまいます。
1990年のドイツ統一に伴い、"ドイツ時計の最高峰を復活させよう"と、ある財閥代表の命令にて、創業者から4代目を探し出し、再建されたそうです。(Wikipediaより抜粋)
再建後20年と間もない会社なわけですが、40年のブランクにも係わらず、100年の伝統、技術は失われることなく受け継がれていたんですね。
昔、仕事上の必要性があって、精度を追い求めて、年差5秒の腕時計を購入し、今でも持っていますが、精度面では電波時計が出てきてつまらなくなったなあ、と、興味も失せていましたが、久々に欲しいと思ってしまいました。
毎日決まった時間に時計のゼンマイを巻く生活。
子供のころに実家の柱時計のゼンマイ巻き係だったことを思い起こさせてくれました。
さて、時計鑑賞の次はコンサート会場への移動。
アウディフォーラムから会場のサントリーホールまではアウディカーによる送迎とのこと。
フォーラムに到着したときに、豊橋ナンバーのA8とQ7が止まっていたので、これらでピストン送迎するのかなあ、とか、Q7は2組まとめて送迎しないよね、と、ふと脳裏によぎりましたが、心配無用でした。
送迎車は緑ナンバーのA8L。しっかりと、その道のプロが用意されていました。
サントリーホールに到着するまでの間、運転手さんといろいろお話させていただきました。
会社には、Sクラスや7シリーズのハイヤーもあるそうですが、A8Lの台数がダントツに多いそうです。
お客様の評判もA8Lが一番いいようで、確かに後ろに乗ってみると、足元には十分なスペース、適度な硬さのシート、適度なサスペンションです。自分で運転すると柔らかいと感じてしまうのですが、後ろに乗る分には最高です。家内もいたく気に入っていました。
マイバッハや防弾車両も所有しているの?と聞くと、さすがにそれらは無いようでした。
リピートで使われるお客様が多いようで、繁盛しているみたいでした。
足代わりに使われている常連さんもいらっしゃるようで、しばしば、ふらりと東北や関西などにも行かれるそうです。
最後にコンサート。
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、指揮ファビオ・ルイジ。
リヒャルト・シュトラウスの"ツアラトゥストラかく語りき"と"アルプス交響曲"。
ドイツの楽団にドイツの作曲家。指揮者はドイツではなくてイタリアです。

ランゲ&ゾーネとアウディの招待客用に、最前列中央付近のS席がまとめて確保されているようでした。
写真は公演前のステージの様子です。
"ツアラトゥストラかく語りき"の導入部は、"2001年宇宙の旅"でお馴染みの曲です。
余談ですが、"2001年宇宙の旅"で、誰が演奏しているのだろう、と字幕を何度も見返して判らず仕舞いだったのですが、映画では、カラヤン+ウィーンフィルのデッカ盤が使われているとのことです。
実はレコード会社の使用承諾の条件として、指揮者、演奏団体を表記しない契約になっていたようで、結果的に映画が大ヒットして、デッカは儲け損なって大損したとのことです。
オーディオ機器のデモンストレーションにも使われる冒頭のパイプオルガンによる低音から始まり、そしてあの盛り上がり。間近に聞く生オケは圧巻でした。
"アルプス交響曲"の初演は、1915年にリヒャルト・シュトラウス自身の指揮で、今回と同じドレスデン国立歌劇場管弦楽団による演奏だったんですね。
"夜"から始まり、"日の出"と続き、途中、カウベルや雷雨と情景が目の前に浮かんでくるのです。家内も横で圧倒されているように聞き入っていました。
S席は、前に近すぎてバイオリンとチェロ奏者しか見えず、後ろの管楽器は音だけしか聞こえませんでしたが、譜面を捲る音、バイオリン奏者が足をずらしたときの音まで聞こえてくるのです。
何箇所かのフレーズで、指揮者が歌っているのも聞こえてきました。
ライブ録音で指揮者が歌っている演奏は何度か聞いたことがありますが、
指揮者が声を出す場合は、思うような演奏になっていなくて注意を促すために歌って導く場合と、まさに思い通りに演奏できて無意識に歌ってしまう場合のどちらもあると聞いたことがあります。
今回の演奏は、明らかに後者だと思います。
演奏が終わったあと、指揮者が譜面をたたんで、その譜面に手をおいて、第一バイオリンに向かってにこにこしながら首を振っていたので、会心の演奏で、アンコール演奏はしないよ、という意味だったんでしょう。
この素晴らしい出来の演奏のあとに、デザートのように用意できる演奏なんてありえないと思ったら、案の定、アンコールの拍手は続いていましたが、アンコールはありませんでした。(前日のコンサートではアンコール演奏はあったようですが。)
とっても有意義で、内容の濃いドイツ三昧の一日でした。
アウディさん、A.ランゲ&ゾーネさん、ほんとうにありがとうございました。
【2009/5/18一部表現修正】
関連URL
http://www.alange-soehne.com/jp/home/index.php
http://www.eye-eye-isuzu.co.jp/alange-soehne/index.html