夕方、アウディの営業マンから電話があり、明日の朝までならS8を試乗できるとのこと。
早速お願いする。
箱根と都内、約350キロ試乗した。

バイキセノンとLEDライトが埋め込まれている。
アダプティブヘッドライトが装着されており、夜間の山道でも進行方向をしっかりと照らしてくれる。加えて、ハンドルを90°以上切ると、切った方向のサイドのライトが回りを照らし、本当に走り安かった。
ライトのスイッチポジションは、OFF-AUTO-Small-ONとよく見かける順番だが、オートライトにした状態で、ハイビームにしてもハイビームにならなかった。
走行中、ONにするつもりでSWを一段捻ったらSmallに入って、山奥の暗がりで、時間をおいて突然真っ暗になって大変なことに。
試乗後、MMIから切り替えができることが判った。
自動防眩(ぼうげん)ルームミラーが装着されているが、こちらのON/OFFの切り替えもMMIで行うとのこと。通常OFFで、トラックが後ろを走っている場合にだけONしたいので、MMI操作ではなく、スイッチは付けて欲しかった。

4本マフラー。

トランクルームは結構なスペースがある。
電動で開閉される。

V10 5.2L FSIエンジンは、始動後の暖気時は心地よい排気音を出すが、温まるととても静か。
高速域での風切り音も少ない。

265/35/R20、PZEROを履いていた。
35は路面のちょっとした出っ張りでもリムを引っ掛けてしまうので、抜け道なんて走れません。
空気圧のせいかもしれないが、かなり硬い感じがした。
サスにはS8専用のスポーツアダプティブエアサスペンションなるものが装備されているとのこと。
全体的に嫌味でない程度にほどよく硬く、コーナーでもロールはしっかりと抑えられていた。

フロントのセラミックローター。
セラミックブレーキ(\136万)がオプションとして付いていた。
S8購入者のほとんどが装着されるそうです。
ポルシェのPCCBのような強烈な効きではなく、装着されていると言われないと判らないくらいで、逆にあまくさえ感じた。
ブレーキペダルのタッチは少し固めで、少し遊びが大きかったせいもあるかもしれない。
十分に温まると効き始めるのかもしれないが、S8でサーキット走行をする人もいないだろうから、本領を発揮する場面は国内では無いかもしれない。
表面は6,000キロを超えているにも係わらず、スチールローターのように溝の跡も無いのには驚嘆させられる。
ローターを交換するようなことは無いだろう。

リアのセラミックローター。
ローターで走りを判断する場合があるが、これでは判断つかない。
PCCBは雨の多い日本では、ローターが水分を吸って、ブレーキ時に一気に水蒸気が噴射して表面がクレーター状になって、突然ブレーキが効かなくなる症状が報告されているが、こちらのセラミックブレーキはどうなのだろうか。

サンルーフに太陽電池が埋め込まれている。
旧型はファンを動作させて換気を行うだけだったと記憶するが、現行型は充電も行うはず。
換気は、暑い夏には重宝です。

センターコンソールから運転席周り。
今回の試乗車は右ハンドルだった。
MMIはニーレストに肘を乗せるとちょうど良い位置にある。
操作は回転とpushのみ。BMWのように上下左右の動作は行えない。その分ダイアル左右の4つのスイッチで操作することになる。
操作性はBMW>AUDI>MBかなあ。

居住空間はそこそこにある。
BMW7のロングに比べると狭く感じるが。

シートは固め。長時間でも疲れない。
基本のスイッチしかさわらなかったが、いろいろと調整できるみたい。

バング&オルフセンサウンドシステム(14スピーカー)
ダッシュボード左右に埋め込まれている。
ACC ONにするとリフトアップする。

アウディとバング&オルフセン、デザインの求めるものが共通点があるとかで、昔から関係があるみたい。今回S8で初めて搭載したそうです。
BOSEもいい音してましたが、こちらもなかなかです。
車の静かさも相まって、180キロで走行してもクラッシックが聞けそうです。

スピードメータ周り。
中央のインフォーメーションパネルがカラー液晶になった。
7200rpm辺りからレッドゾーンになっているが、今回は6600rpmまでしか回ってくれなかった。
代車として使われていたみたいで、余り回していないのかもしれない。

MMIはDVDで、HDに変更になる予定は無いとのこと。
基本性能で困ることはないが、反応は少し遅い。

バックモニタと、誘導線もしっかり表示されていた。
車幅が1894mmあるので、重宝。
ミラーの角度調整のレバーの接触が悪く、何回かつまみを左右に切り替えてようやく動作する有様だった。
ETC通過時、通過後に”通過できます”のアナウンス。なんか変。
中くらいの加速で、1速から2速の変速間隔が短く、ぎくしゃくした感じがあった。
アルピナやポルシェのように2速発進にしたほうが良いように思われた。
ギア比:4.171/2.340/1.521/1.143/0.867/0.691
燃費は東名と箱根を途中まで走って6.5km/L前後。NAだと仕方ないのかなあ。
燃費は過給機のついたRS6のほうが良さそうである。
Powerは450psでRS6と同じ値。0-100km/hは5.1secと、RS6より0.4sec、RS4より0.3sec遅い。
パンチには欠けるが、中間からの加速は6速である分、どの速度からも万遍なく加速してくれて、E63やM5辺りと競争しない限りは不満は沸かないだろう。
次期RS6が楽しみな限りである。
RS8(R8のRS版)も同様楽しみだが、まだまだ先だろうし、まずはR8を試乗してみたい。