
アルピナ B5sに試乗してきました。
前回の試乗で、サスペンションがかなり柔らかいことが気がかりでしたが、コンセプトとして”柔らかさの中の硬さ”について営業マンより説明を受けていましたので、今回はそれを御殿場までの往復コースで検証してみましょう、という趣旨で走ってきました。
こちらのコースは
C63や
TTSの試乗レポートでも走っているコースで、誤魔化しの利かないコースだと思います。
用賀から東名に入ると、直線の加速はやはりM5とは比べようもなく太いです。
カタログ値では、
M5が507ps/520Nmに対して
B5sが530ps/725Nm。
0-100km/hの値が
M5が4.7secに対して
B5sが4.6secになっていますが、B5sの数値は全くのでたらめだと思います。
M5を基準に考えると、4秒前半の実力は持っていると思います。パワーについてもどこまで本当か疑問なところです。
これは、BMWインディビジュアルを利用してB5sを組み立ててもらっているアルピナとしては、本家本元の同等機種を大きく上回る数値を出すことを極端に嫌っているようで、エンピツを舐めて、かなり過少な数値を公表しているものと思われます。
さて、直線でのサスペンション、Hardに設定しても、やはり柔らかいです。
サスが柔らかい分、ハンドル操作から加重移動が行われるまでに時間を要し、急激な車線変更はあまり期待できません。
秦野を過ぎて、高速コーナーが始まると、路面の安定したコーナーは多少のロールのあとにしっかりと踏ん張ってくれるのですが、路面がうねっているコーナーではフレームのよれを如実に感じてしまいます。
左ルートに入って、山間部の高架が続くと、路面のうねりに加えて継ぎ目での突き上げが加わり、フレームとサスペンションのダブルでよれてしまい、ラインを乱してしまいます。
これは、BMWインディビジュアルの宿命で、M社の技術は使うことができず、M5のように補強されたフレームに対して、ノーマルの補強されていないフレームを使わざる負えないことが理由のように思います。
その点を考えるとサスペンションが柔らかいのも頷けることで、アルピナが好き好んで柔らかくしているのではなく、ノーマルのフレームに、ファットなパワーのエンジンを搭載するにあたり、フレームとサスペンションのよれの調和をとる手段のように思えるのです。
アルピナも以前はサスペンションも堅かったと聞いていますが、その当時はフレームによれを生じさせるほどのエンジンパワーがなかっただけなのかもしれません。(あくまで私の推測です。)
近年のAMG車に乗ると如実に感じることですが、メルセデスの傘下に入ったことにより、その頂点のプレミアムモデルとして、専用に開発されたフレームを手にし、より完成度の高い車を作る手段を手にいれたんだなあと。
かたや、アルピナは独立企業として、BMWと協調して存続していくことを貫きとおしているようです。
早くから小排気量エンジンに過給器をつけて、パワーと燃費を両立するコンセプト。
D3のような、ディーゼル+BiTurboで24km/L走ってしまって、それでいてスポーツできる車など、いちチューナーメーカーとしては驚きのことをやってのけてくれます。
それでいて、それを誇示しないジェントルさ。
そういうポリシーを理解した上で、それを堪能しながら乗る車なのでしょう。
急な車線変更はせず、直線ではそれなりに早くゆったりと走る。高速コーナーでは、血気だって追っかけっこなどせず、一線を超えずに大人の走りをすることが肝要なんだなあと。
あくまでも、ハイパワーラグジュアリーリムジンとして捉えるべきでしょう。
私にとっては、もう少し歳を取ってから乗るべき車なのかなあ、と。(お値段が高くて乗れないかもしれませんが。(^^; )
フレームについては、B6sのほうが、ベースとなるフレーム自体の強度が高いため、B5sとは違った走りが期待できるかもしれません。
といった訳で、次はB6sで御殿場往復の予定です。
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Posted at 2009/03/08 03:48:29 | |
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