
2月の新月が近づいていて星撮りによい暦ですが、本日も朝から
雨で屋内で過ごしています。
本日は、今朝報道されていた天体関係のお話をいたします。
タイトル画像は、セレストロンというメーカーのシュミット・カセグレン
という方式の反射鏡です。
口径11インチ(約280mm)で焦点距離2500mmというアマチュア
用としては長焦点の部類になる望遠鏡です。
これは鏡筒の前部にある副鏡の代わりにカメラを付けて
焦点距離620mm(F2.2)という撮影鏡にすることもできます。
本日のお話はこの望遠鏡と関係しています。
ご存知の方もおられると思いますが、今朝の報道とは、太陽系の外縁部にある大きさが3kmにも満たない小さな
天体(惑星というには小さすぎますね)を日本の観測チームが発見したというものでした。
結果はNature Atronomyという雑誌に掲載されたのですが、フリーで見ることができないので、
国立天文台や京都大学が発表したプレスリリースを読んでみました。
恒星のように自ら光を放たない天体なので、それが動くときに数千とある背景の星が0.5秒だけ暗くなる
様子を観測します。この観測は、2016と2017年の夏に宮古島において2台の望遠鏡を使い、2000個の
星を60時間に渡ってCMOSビデオカメラで撮影したそうです。
その機材の1つが下の写真です。
鏡筒はタイトル画像のもので、赤道儀はタカハシのEM-200だと思います。(記事には機種名は書いてありません。)
このブログを書く前にセレストロンの本社と国内代理店のサイトに行きましたが、ニュースとして取り上げられて
いませんでした。
この鏡筒と赤道儀は、私が天体撮影に使っているものと同程度のものなので身近に感じます。、
またプレスリリースでは、これまで同様の成果を出すのに10億円程度のプロジェクトがあるが、
その1/300の予算で成果を出せたと強調されています。鏡筒と赤道儀周りだけで100万円程度、
それが2セットにCMOSカメラや制御用PCやその後のデータ処理を考えても350万円でできそうです。
この発見の意義は、太陽系の成り立ちや彗星の起源の解明に資することと言われています。
海王星の公転半径が約45億km、土星が14億km、地球がおよそその1/10で1.5億kmです。
太陽から50億km以上離れたところにカイパーベルトと呼ばれる円盤状の天体の密集した領域があり、
それは球殻状のオールト雲という天体群につながっています。
これらの領域にある小さな天体は観測が難しく、これまで10km以上のものしか発見されていません
でしたが、それより小さな天体については、今回の観測のように、背景の星の隠れ方から見つける
方法が採られています。
宇宙には謎で満ちていますが、ごく近い太陽系でもまだまだ分かっていないことが多々あります。
見えない天体を探ることで太陽系や彗星の起源が解明されていくことが期待されます。
素人が使う機材で今頃になってこのような成果が得られるのなら、もっと前に分かっていてもよさそうに
思われるかもしれません。
これは私の推測ですが、未知の光を出さない天体を探る訳なので、いつ、どの(背景の)星が隠れるかを
知っているわけではありません。(カイパーベルトの中を探ってはいますが。)
恐らくCMOSカメラで膨大なデータを撮って、(デジタル化された)星像が変化するのをコンピュータで探す処理を
したのだと思います。それで目星を付けて60時間の撮影をしたのではないかと。
観測終了から論文掲載まで1年半ほどかかっているのも、データ処理に時間を要したのでしょう。
前世紀の終わりに宇宙の加速膨張(あるいはダークエネルギーが宇宙の全エネルギーの7割程度あること)の
証拠を掴んだ観測もすばる望遠鏡を使って遠方の銀河で起こる超新星爆発を探すことが可能になって
得られた成果でした。ここでも画像のデジタル化とコンピュータによる処理が必須でした。
地上の技術の発展によって宇宙の謎も少しずつですが解き明かされていて、以前このブログでも
紹介した重力波を含めて、今後、新しい観測の成果から目が離せません。
Posted at 2019/01/31 21:25:42 | |
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