毎年9月に夏休みを取り、車に自転車を積んで阿蘇方面に出かけています。
去年は、出張が入り休みを取れる日がちょうど雨で中止したので、二年ぶりに
なります。そして、あの大震災以降初めてです。
昨日はサイクリング、今日はハイキングをして、夕方佐賀に戻って来ました。
本日は、サイクリングの様子と、阿蘇の雄大な風景を拙い写真でお伝えできれば
と思います。
定宿にしているペンションの方と電話で話していて、メジャーな道以外の通行止
箇所について情報をいただいていました。
例年は、阿蘇登山道路の坊中線を中岳の火口近くまで登って、南側に下る
吉田線を通るのですが、吉田線の開通は来月だそうで、今回は阿蘇に登らずに、
国道265号を登ってから東に向かい、阿蘇の北側を反時計回りに周るコースです。
以前、自転車を積んだ後部座席の様子のリクエストがありましたので、撮っておきました。
青いバッグは望遠鏡が入っていて、緩衝材が付いています。手前の座席の足元には小型赤道儀が入ったペリカンケースを
置いています。フロントフォークの先端は、カーペットの切れ端を袋状にしています。左ペダルがシートに当たる部分はタオルを
敷いてます。前後輪はバッグに入れて、ラゲッジに置いています。
組み立てて、タイヤにエアを充填してスタートです。国道57号を東に進み、一宮の街を過ぎたところで国道265号に右折します。
朝のうちは気温が低く、ベストを着てアームウォーマーをしていましたが、登りに入るとすぐに脱いで半袖ジャージに。
この道は勾配が緩く、標高差も大したことないのでイーブンペースでペダルを回します。
峠が近くなると視界を邪魔する杉も見えなくなるので、路肩の広いところで写真を撮ります。
箱石峠の少し手前で、阿蘇五岳のうち、手前から、高岳、中岳、往生岳を1枚に入れて。
根子岳から国道の登りまでを入れて、270度ほどのパノラマにしてみました。
峠の少し先から東に向かって下ります。波野村(オウム事件で名前が広まりました)を通ります。何本も細い道がある中で、
「すずらん自生地」と地図にある場所を通ることにしてナビにセット。すずらんの季節ではないのですが、小さな小屋と駐車場が
ありました。その横に牛がいて、タイトル画像はそこでの1枚です。
畑の間の細い道を通って、よく知っている県道に出ると、間も無く国道57号です。国道を渡ったところからミルクロードが
始まります。北外輪山の上を通るミルクロードは有名ですが、実は東の端はここなのです。
阿蘇らしい風景を撮りながら...
こんな道を進みます。
かつてのWindowsの壁紙のような牧草地です。
道はアップダウンを繰り返すので、自転車にはチョット堪えます。
小さな峠を越えて振り返ると根子岳が見えました。
こんな長いストレートの下りがありますが、その後すぐ登りです。
ミルクロードはやまなみハイウェイに向かいますが、途中で右折して県道40号に乗り換えて産山村を目指します。
その途中もお気に入りの牧草地を通るまっすぐな道です。
牧草地越しに見える阿蘇山。
北には久住山系が見えます。手前の牧草地では冬のために牧草を白い袋に入れています。
牧草地が終わると豪快な下りが産山村の中心部まで続きます。そこから県道は西に曲がってやまなみハイウェイに通じます。
ずっと前に下ったことのある道でしたが、登るのは今回が初めてで、池山水源の水が流れ込む玉来川(たまらいがわ)を
横目に見ながら進みます。佐賀では終わっていた彼岸花が密集して咲いていたのをパシャり。
やまなみハイウェイに出る手前の登りが少しキツく、そこを越えるとやまなみとの十字路があり、そこを左折します。
朝より南西の風が強くなり、緩やかな下り基調でも踏まないと進みません。ミルクロードに右折して入ると、完全な向かい風。
何度かのアップダウンを終えて大観峰に到着します。
お約束の、阿蘇の涅槃像を。
外輪山を入れてパノラマで。
こちらは西の外輪山。
大観峰の絶壁に風が当たって作り出す上昇気流に乗るパラグライダーが離陸するところに出くわしました。
気持ち良さそうですね。ただ、やるかと問われると、遠慮しときます。
大観峰の後は、国道212号を北に向かいます。
10年くらい前に通った時は未完成だった「マゼノ・ミステリーロード」を走ってみようと考えていました。
押戸石、マゼノ渓谷が見所で、以前は途中から狭い道でしたが、これらをつないでミルクロードに出る広い道です。
大観峰からかなり下ったので、登りになりますが、牧草地隊のようなゆったりしたものではなく、勾配が緩急いろいろあって
リズムに乗りにくい登りでした。押戸石の入り口には看板が出ているものの、マゼノ渓谷が見えてこないので、そろそろか
と思って登っている時に「マゼノ橋」という立派な橋を渡りました。そこから見下ろすと川が見えます。
川底が岩盤になっているのが特徴の渓谷です。その橋の先に入り口がありましたが、閉じられていました。残念!
上り坂と、この日最も暑い時間帯だったので、ミルクロードに出るまでに結構消耗しました。
ミルクロードとの合流点は、数年前にできた信号付きの交差点で、そこを直進します。
しばらく進んだところに「兜岩展望所」があるのですが、ここも展望台の部分が崩落していて、そのずっと横の部分の草を刈って
見晴らしをよくしていました。
その場所から、先ほどまでいた大観峰の方向を。
引いた構図で阿蘇谷です。
さらにミルクロードを進むと、途中で今月の初めに訪れた天空の道への入り口があります。
この日も車が3台止まっていました。
さらに進んでかなり下ったところに、「二重の峠」があります。「参勤交代の道」が通過する峠道で、古い石畳の道が保存されて
います。
この写真の後、ミルクロードはずっと下って、阿蘇の内側から菊池に向かう道との十字路に出ます。
災害後は、阿蘇方面から熊本市へ向かう迂回路として交通量が増えています。この日も阿蘇から登ってきて、この十字路を
左折し大津方面に向かう車ばかりでした。しかも、災害復旧工事のため、土や砂利を積んだダンプカー(他県ナンバー)を
たくさん見ました。
私は、その車が登って来る方向に下ります。途中で展望の良い場所があり、そこから阿蘇の方向を。
下りきって直進すると、赤水に出て国道57号に繋がります。
この日は、外輪山の内側に沿った道を選びました。天空の道を下から見るのが目的です。震災の前年、2015年のサイクリング
の時は、天空の道を下から登ったので、その登り口までいくつもりで。
その登り口の手前でも、崖が崩落しているのが散見されます。
登り口は近すぎて見えないので、少し南下した場所から。
拡大すると、次のようになります。矢印の部分が、上から下る時の最初のヘアピンカーブでガードレールが見えています。
この後は宿まで戻るだけなのですが、途中で陥没した道を通過しました。この道路は、長い距離に渡る陥没の一部だそうで、
その上にあった住宅は崩壊したり、形を残したまま沈んだりしたそうです。
宿に到着したのは16時少し前でした。自転車からホイールを外して、車に積んだ後、温泉に入って体をほぐします。
走行距離110km、獲得標高1600mで、最初に阿蘇の登りが無かった分だけ楽なはずですが、齢のせいか思いの外、
疲れました。
夜の部と2日目のお話は、また後日にでも。