
今年のGWは、5月1、2日の平日を除いて概ね晴天の予報です。
ここ数年、初日はお隣福岡県の久留米市、八女市の山の中を
走るサイクリングをしています。
お目当は、道中の風景と、その途中で見られるツツジ、シャクナゲ、
フジという今の時期に見頃を迎える花々と風景です。
昨日も、朝7時スタートで久留米に向かいました。
予報では午前中は北の風、午後から西の強目の風でしたので、
往復向かい風という嫌なパターン。
朝のうちは気温低め(12度)というので、アームウォーマーにベストを
着込みます。
市街地を抜けて筑後川の川沿いを北上するときは、予想通り向かい
風で、体力温存のため抑え気味のペースで走り1時間ほどで久留米の
市街地に着きます。そこからさらに東進し、高良山の鳥居を抜けて登り坂が
始まります。
いつも写真を撮る場所のツツジが枯れていてパッとしないので停車せずに高良大社前まで。
例年だと満開のツツジで彩られている道の両側が寂しく感じ、そのまま先に進みます。
つつじ公園の手前から右に登る細い砂利道を経て、最初の目的地、夏目漱石の句碑に寄ります。
漱石が五高(現在の熊本大学)で勤務していた時に、何度か久留米を訪れ、明治30年(1897)の3月に耳納連山を
歩いたそうです。その時に詠んだ句が石碑に刻まれ、山中に4つ、4つ目の句碑から下ったところにある公園内に
5つ目があります。
「明菜の花の遥かに黄なり筑後川」
元の道に戻りツツジ公園に入ると、ここでもツツジはかなり枯れていて少しだけしか残っていませんでした。
公園内で残っているツツジと。
駐車場で咲いていたツツジ。
この公園の後は20km近く山道で民家も何もないので、ここの自販機で飲料を補給します。
公園の少し先にある2つ目の句碑。この左奥が開けていて、句碑は見晴らしの良い場所に建てられています。
人に逢わず雨ふる山の花盛
そのすぐ先に3つ目があります。
筑後路や丸い山吹く春の風
そこから4つ目の句碑まではかなり距離があり、標高差も400m弱あります。
いつもは途中でヤマフジなどの写真を撮るのですが、目立った花が見つからずに黙々と登り続け、発心山の東にある
4つ目の句碑に到着します。
濃かに弥生の雲の流れけり
この後はアップダウンを繰り返しながら少しずつ標高を上げて行き、耳納連山で最も高い鷹取山に到着します。
北側を見下ろすと、筑後川が見えています。その右奥に、昨年の水害の爪痕がありました。
この後下っていく南側をパノラマで。うーん、霞んでいますね。
10時半前でしたが、お腹が空いたので早めの昼食(おにぎり)を摂ります。
例年ここまでは同じコースで、星野村に下る道と、下ってから後のコースはその時の気分で変えています。
今年は、ここまでパッとした花を見ていなかったので、シャクナゲなどを見られるコースを取ります。
下っている道の途中で咲いていたシャガ。佐賀ではもう終わっている頃でしょう。
八女茶の生産地らしく、大規模な茶畑が点在しています。
その茶畑の横で、ツツジが咲いていました。
村の中心部に下る前の最後の見所は、石積みの棚田です。
村の中心部に下りきった後、ここから南にある山を超えて、最後に黒木町の大藤に寄るコースを取るのですが、
今回は東に進んでから矢部村に抜けるコースを選択しました。
その途中でシャクナゲが見られるはずが、傷んだ花ばかりで写真を撮らずにスルーしていました。かなり進んで
民家の数も減ってきたところでようやく花が残っている木があったので、そこで1枚。
さらに先に進み矢部村に抜ける登りに向かって右折します。曲がった直後に小さな藤棚があって、フジが咲いていたので
撮っておきます。どうも今日の様子だと、黒木のフジも終わってそうな予感がしたので。
少し進んで振り返ると、その小さの藤棚と奥のシャクナゲが見えます。例年だともっと色づいていますが、半分近くは
枯れてしまっています。
この日最後となる峠道を登る頃は正午前で、かなり暑くボトルの中身が残り少なくなりました。
矢部村に下った後、いつもの日向神ダムの貯水池の奥にある断崖絶壁を見に寄ります。
水面が波立っていなければ良い感じになるのですが。
この後は下り基調で黒木町まで。ただ、予報通り向かい風が強く緩斜面の下りでは踏まないと進みません。
黒木町の大藤の手前まで来ると、いつもは車が渋滞しているのですが、昨日は信号で止まっている車は0でした。
嫌な予感を抱きつつ、藤棚の下まで来ると、案の定、咲いているフジの花はほとんど見えません。
自転車を神社の入口に停めて中に入ると、咲いている花が少なく、それに比例するかのように見物客も少ないですね。
デジイチを担いだ人、家族連れがいましたが、皆さんがっかりした様子。
せっかくきたので、咲いているところだけでもと。
いつもはフジの花でいっぱいの長い房で覆われる藤棚の下も寂しいばかりです。
残念だった大藤を後にし、八女市内でコンビニに寄って飲み物と甘く冷たいものを補給して、佐賀まで40kmの平地を
ひたすら走ります。
帰宅してシャワーを浴びると、1日でかなり焼けてしまい、腕や顔がヒリヒリしました。
その後のビールが体にしみて、いつも以上に美味しくいただけました。